やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

鶴を何とか売り出したい

尖ってないと刺さらない


鶴というバンドがいます。ご存じでしょうか。『夏の魔物』がちょっとヒットしたり『その一歩』が「キングオブコント」のテーマ曲?に使われたりしました。
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といっても、伝わらないですよね。だってヒットしてないもの。


でも、私は彼らが好きなのです。デビュー時からずっと聴いています。彼らのエントリもいくつか書きました。
ese.hatenablog.com
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彼らのキャッチコピーは「ウキウキと切なさの伝道師」。今もこのコピー生きているのか分かりませんが、とてもしっくりくるコピーです。ポップでキャッチーでファンキー。
声もいいしメロディもいいしサウンドもいい。彼らがデビューしたときは「スピッツウルフルズみたいになるんだろうな」と思っていました。が、なかなかなりませんでした。
以前はロックインジャパン他大きなフェスにも出演し、私も参加しましたがお客さんも盛り上がっていると思ったけどなー。ライブも楽しいんだけどなー。なのにいつしか呼ばれなくなってしまいました。


どのミュージシャンにもあることですが、デビュー時から自分のカラーを持っていても、手癖だけで曲を作っているとネタ切れしてしまいます。そこで別の手法をいろいろ試してみて、そこが迷走期になるわけですが、そこで沈んでいくミュージシャンが多いです。同じカラー、同じカードだけでは飽きられてしまうからほかの手段を試している間にファンがいなくなり、契約も切られてしまう。
彼らも『秘密』『ハートの磁石』『我がまま』の頃は迷走期、過渡期だったと思っています。それがその次の『SOULMATE』以降はおなじみのポップでキャッチーでファンキーでありつつ、様々な曲を作れるようになっています。
しかし、世間がついていない。


数年前、彼らのワンマンライブを見に行ったことがあるのですが、そこはキャパ200くらいの小さなライブハウスだったのに、お客は100人くらいしかいなくて、詰めなくても楽々見えてしまうという嬉しいような寂しいようなライブでした。ライブはよかったですよ。


と擁護してきましたが、そういう私も最近彼らの音源を追っていませんでした。で、聴いてなかった最近の3作を聴いたら、どれもよい。やっぱりいいのに何で売れないんだろ。
というわけで前置きが長くなりましたが、この鶴というバンドが売れない理由と売れるために何をしたらよいのかを考えるエントリになります。


最初に、これは売れる売れないに関係ないのですが、このバンドはドラムが弱い。3ピースバンドなのに演奏がしょぼかったらダメだ。ベースももっとやれるだろと思いますが、それ以上にドラムだ。ハイハットとシンバルとライドを叩きすぎ。それよりもスネアとタムを叩け、そしてバスドラを踏め。ファンキーな音楽をやっているのにドラムがファンキーでなくてどうする。
でも、これは関係ないのです。だってバンプオブチキンは升君ドラムでも東京ドームできるんだもの。音楽聴いている人の9割はドラムの良し悪しなんて聴いていない。ただ私はどうしても気になるので書きました。


マジメな理由を考えると、「突き抜けてないから」だと思うのです。曲もいいし歌も上手いしキャラもいい。五角形チャートだったら平均して大きな五角形が作られるでしょう。
でも、突き抜けてない。メンバーがめちゃイケメンなわけでもないしTwitterやネットニュースで騒がれるような破天荒なライブをするわけでもない。歌詞もいいけど西野カナのように世間を賑わす(いい意味でも悪い意味でも)ほどのインパクトがあるわけでもない。
私が今回聴いた3枚のアルバムはどれもよかったですが、違いが分からない。今回はこんな変化を!という驚きがない。名曲といっても世間に広まるほどでもない。
突き抜けた部分がないから、刺さらないのです。


さて、どうする。
現実的で手っ取り早いのはプロデューサーに入ってもらってサウンドにお化粧してもらうことだと思うのです。誰がいいかという人選は難しいので書きませんが、第三者の目線で彼らの武器を磨き弱点をカバーしてもらうことがいいのかな、と思います。
どこまでがプロデューサーの仕事なのか分かりませんが、キーボードやホーンやストリングスを入れたら引き立つ作品たくさんあるのになーと思うので。ただ、現状の彼らにはサポートメンバーを入れてライブを行う余裕はない…。


あと、彼らの作る曲はどれも名曲ですが、たぶん世間に届くには何かが足りないのです。それはサビ前のコード進行なのかもしれないしサビ終わりの着地のメロディなのかもしれない。Aメロの歌詞の表現かもしれないしサビのキラーフレーズかもしれない。そういう細かい積み重ねが「70点のいい曲」から「90点の名曲」に化けるのだと思っています。すっぴん美人はすっぴんでも美人ですが、化粧したらもっと美人です。


でも、「いい」と「売れる」は別ものだからなあ。「いい」からといって必ず「売れる」わけじゃない。売れるには何かしらのマジックが必要。


解決策も改善策も分からないし何も解決していませんが、何とか彼らをもっと広めたい。だっていい曲なんだもの。皆様のお力も貸してください。
最後にいくつか音源貼って終わりにします。
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ソウルのゆくえ

ソウルのゆくえ

ニューカマー

ニューカマー

僕ナリ

僕ナリ

最近聴いた曲ひとこと感想(2018年5月)

最近聴いた曲を語りたいがブログ1本分になるほど語りたいことがあるわけでもないので、適当に語って適当な文字数になるまで書くエントリ。新譜旧譜問わず。


NakamuraEmi

NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST【CD】

NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST【CD】

NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.4(初回生産限定盤)

NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.4(初回生産限定盤)

彼女のことは以前から何となく知っていましたが、人間交差点フェスに出るということでちゃんと聴いてみました。
やはり声がいい。そしてラップとメロディの両方を行き来する歌い方も好き。さかいゆうは彼女のことを「彼女の歌にはフロウがある」と評していました。確かにその通り!
サウンドはシンプルですが、ドラムもギターもグルーヴがあってとても気持ちいい。ただ、これだけだとアレンジに幅がないので、アルバム通してだともっとメリハリがほしいなーと思うのも正直なところ。
あと、彼女の歌は韻が甘いところが多いので、ラップっぽく歌っているとそこが気になる。歌詞の中身もいいんだけど、もっと韻にこだわってほしいな。
人間交差点フェスでは一見さんにも届く・刺さると思いますよ。楽しみ。


CHAI

ほめごろシリーズ

ほめごろシリーズ

Pink

Pink

最近世間で騒がしいので聴いてみました。なるほど、センスある!既存のメロディやコード進行や曲展開ではないのに、ポップでキャッチー。うわー、新時代の才能だ。
バンドにも打ち込みトラックにも縛られないサウンドもいい。その曲に合った音が鳴っている。
「最近世間で騒がしい」なんて書きましたが、本当の世間にはまだ全然伝わっていません。今週出るMステでどれくらい爪跡残すのかが楽しみです。そもそも、どの曲やるんだろ。どの曲もいいけど、分かりやすいポップスフォーマットの曲はないぞ。


日食なつこ『瞼瞼』

瞼瞼

瞼瞼

『関ジャム』で取り上げられていたので聴いてみました。あー、こういうピアノをリズム楽器として使っているサウンド、好き。
番組で取り上げられていた「水流のロック」はもちろん名曲ですが、それ以外もいい曲多い。声も好き。もっと聴きたいが、近所のTSUTAYAには置いてない。むー。


筋肉少女帯『再結成ベスト』

筋肉少女帯は好きで昔から聴いていましたが、再結成後の活動はまったく追っていないので、最近の曲は全然分かりません。
せっかくベストが出たので聴いてみたら、いいね!オーケン歌が上手くなってる。
あと、曲のクオリティが高い。きちんとポップスとしていい曲(展開やメロディ等)が多い。これは、オーケンがギターを始めてコード進行とかを知ったからなのかな?もちろんそれでいい曲ができているので何も問題はないのですが、それでもあの当時の「構成として明らかにおかしいけど、いい曲」みたいな「狂った名曲」ではなくなっているのは少し寂しい。天才少年が成長とともに常識を知って特殊能力を忘れていくあの感じ。
オーケンの『40代、職業・ミュージシャン』という本でSIONさんと対談している回があるのですが、そこで

(大槻)オレ何も楽器できないから44歳の誕生日にギターを買いまして、やっと始めたんですよ。
SION)でもキミは曲書いているじゃない?あれどうしてんの?
(大槻)あれ、アカペラです。
SION)え、それをみんなが一生懸命コードつけてくの?
(大槻)そうですよ。ラララ~って俺が歌いながら。
SION)な、なんちゅうバンマスだ(笑)!ひどいなあ!
(大槻)それで、最近になって自分の歌のコード譜を書いてもらって「あ、オレの曲ってEマイナーってやつなのか」って分かったり。
SION)奇跡の人間だ!

というくだりがありました。そう、彼は奇跡の人間なのです!


jinmenusagi

はやいEP

はやいEP

ゆるふわギャング
Mars Ice House

Mars Ice House

SIMILAB
Page2:Mind Over Matter【初回限定盤(DVD付き)】

Page2:Mind Over Matter【初回限定盤(DVD付き)】

DJ SOULJAH
THE NINE WORLDS Presents DJ SOULJAH N。1 Japanese Hip Hop Edition

THE NINE WORLDS Presents DJ SOULJAH N。1 Japanese Hip Hop Edition

日本語ラップの新しいものもちょいちょい聴いています。最近の若い子はみんなラップ上手いね。あと、フロウもテーマも自由ね。いいことだ。
でも、ラップ上手すぎて何を言っているのか聞き取れないともったいないなーとも思います。知らない曲をライブで歌われても全然聞き取れないと全然は入れない。その点、ポップスの「メロディ」という武器は強いなー。だからフェスなどの一見さんが多い場所にヒップホップ勢は呼ばれないのかな。


lyrical school『guidebook』

guidebook

guidebook

私はアイドルを全く聴かないので彼女たちのことも名前は知っていましたが聴いたことはありませんでした。で、聴いてみたら結構いい。
もちろんラップもフロウもイマイチですが、聞き取れないラップより聞き取れるラップの方がいい。そして、サビのメロディがいい。何か久々に「ど真ん中のメロディ」を聴いた気がしました。
彼女たちは自分でリリックを書かないので、ラッパーが曲を提供しています。これが、やはりどうしてもそのラッパーの色が出るもんですね。韻の踏み方とかフロウの仕方とか。それが面白い。


今回はこの辺でおしまい。もう私はおっさんなので「音楽界の革命や!」とロキノンばりに吠えることはありませんが、それでもいい音楽は今日も生まれているので、少しでもそれに触れていきたい。いい音楽に触れて「これはいい!」と思える感性でありたい。

スティーヴン・ウィット『誰が音楽をタダにした?』 感想

諸行無常の響きあり


『誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち』を読みました。
私は違法海賊サイトは使わないしそもそもネット経由で音楽を入手しない古い人間なのですが、現在の音楽産業がCDではなくネット経由(ダウンロードにしろストリーミングにしろ)になっていることは知っています。
なぜ音楽業界はこのような形になったのか。ぼんやりと思っていたのは「違法海賊サイト経由で音楽が流通してCD産業が打撃を受け、紆余曲折があった末にSpotifyを始めとした公式サービスが成立した」ということです。この私の推測は、合ってはいますが実情・内情は違います。
そもそも、誰が違法サイトに音源を流出させているのか。その違法サイトはどうやって作られたのか。この辺の知識はまったくありませんでした。そして、これを読んでびっくり。そうだったのかー!


この本は、ノンフィクションです。実際の関係者に取材をして書かれています。読めばわかりますが、よくぞここまで調べ上げた!と驚嘆する正確さと詳細さ。読み始めの頃は翻訳特有の文体や外国人の名前覚えられない病によりなかなか進みませんでしたが、途中からどんどん面白くなってきて、ページをめくる手が止まりませんでした。


この本には、3人の主人公が出てきます。mp3技術を開発した男、違法海賊サイトに音源を流出させ続けた男、音楽業界のボス。彼らは面識も交流もまったくありませんが、それぞれの動きと出来事が互いに影響を与え合い、人生が大きく動いていきます。


そもそも、ネット経由で音楽を聴くということは今では当たり前になっていますが、ちょっと前までは難しかったのです。なぜかというと、データ量が多いから。それが可能になったのは、パソコンやスマホの容量の拡大とネット回線の高速化のおかげもありますが、それ以上に「音源データの圧縮技術」のおかげです。
この技術「mp3」を開発したのがカールハインツ・ブランデンブルクとそのチームです。
この素晴らしい技術は、開発当初はライバル技術のmp2に負け続け、なかなか採用されませんでした。それは技術力の低さではなく、政治力によって。大人の世界はいつでもこんなだぜ。
それが徐々にではありますがその技術力が評価され、広まっていく。そしてmp3が事実上の世界標準規格になったのは、違法サイトにmp3が使われたからです。
負け続けていた頃は資金繰りに苦しんでいたブランデンブルクも、違法サイトの隆盛により富を得ていく。何という皮肉。


あと、音源の圧縮って、私はデータの圧縮と解凍という単純なことだと思っていたのですが、そうではないのですね。音源のこの音域は聞こえないからカットしてもいい、子音と子音の間のデータもカットしてもいい、と本当に細かい手作業の結果データは圧縮されているのです。その結果、CDの12分の1のデータ量になっても聴いてまったく遜色のない圧縮音源データができたのです。


では、違法サイトに音源を流出させているのは誰か。この本のイントロダクションで著者も書いている通り、私も「世界中のみんながネットに上げた結果、海賊版がネット中に流通している」と思っていました。もちろんそれも正解ですが、しかし海賊版のほとんどはごく少数のグループが意図的に流出させていたものだったのです。
知らなかった!
この海賊版流出グループは、CD製造工場からCDを盗み出し、発売前に音源をリークしていました。
考えてみれば当たり前ですが、ネットに音楽がある以上誰かがアップロードしているわけだし、発売前の音源がネットにあるということはそれを入手できる誰かがネットにばらまいているわけです。インターネットだからといって魔法のように音楽が湧いてくるわけではありません。
そのグループ「シーン」の中心メンバーでありCD製造工場の従業員でもあるデル・グローバーが世界中に音源を無料でばらまいた張本人です。しかし彼は確信犯でもなく、多額の報酬を得ていたわけではありません。いくばくかの報酬は得ていましたが、それ以上に好奇心と奇妙な使命感によりCDを流出させ続けていました。


最後の主人公はダグ・モリス。ヒット曲と有能ミュージシャンを多数発掘し、レコード会社のCEOに昇りつめ、多額の給与と報酬を得ていました。
2000年前後のCD全盛の頃はまさにこの世の春。その後海賊版の影響でCDは売れなくなっていきますが、それでも受け取る報酬は破格でした。まあ、他のレコード会社が軒並み大赤字を出す中、彼は予算を削ることできちんと利益を出し続けていたので文句を言われる筋合いはありません。間違いなく彼は有能なビジネスマンでした。


それでも、CDが売れなくなるという流れに歯止めをかけることはできません。レコードからCDになり音楽業界は大繁盛しましたが、インターネットの登場によりCDという物理的なフォーマットは一部のマニアを除いては不要だということが分かってしまったのです。新しい技術により隆盛を迎えた音楽業界は、次の新しい技術により苦境に立たされました。
そこで、モリスはYouTubeを発見します。過去に自分たちが作ったミュージックビデオが無料で見られている。かつてはCDを売るための販促品でしかなかったMVが、ここでは価値を持っている。そこでMVに広告収入を付けるというビジネスモデルを生み出しました。それがVevoです。確かにYouTubeの音楽動画にはこのロゴをよく見ますね。
新しい技術により苦境に立たされた音楽業界は、その次の新しい技術により再び息を吹き返したのです。さらにその後i-Tunes、Spotifyを始めとした公式なネット経由での音楽販売が主流になり、2010年代後半に再び音楽業界は隆盛の兆しを見せ始めました。


音楽に限りませんが、新しい技術をどう使うのか、そこにビジネスの分かれ道がありますね。日本ではCCCDというアホみたいなダメサービスがあったりi-Tunesにいつまでも音源を出さないレコード会社があったり。こういう「もう流れが決まっているのにそれに逆らうやり方」って、商売する側も消費者側もどちらも得しません。その新しい技術をどう使ってビジネスに役立てるか、の方向で考えなきゃダメです。
出版業界の方、読んでますか?


この本は映画化の話もあるそうです。ぜひ実現してもらいたい!mp3が大人の事情で勝てない部分、単なる工場労働者が海賊版の発端であるリアルとネットの接点の部分、ビジネスを勝ち抜いて音楽業界のトップに昇りつめる男。この交わらない3つの世界がmp3という技術と海賊版という流通の破壊により音楽産業を変えていく。JAY-Z他現在も活躍中のミュージシャンも出てくるので、見たいなー。


誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)

「音楽ストリーミング」、私はまだ使っていない。だって

どうなったら使うのかな


今、世界は「音楽を聴く手段=ストリーミング」が一般的です。詳しい数字などはこちらの記事を読んでください。
gendai.ismedia.jp
日本とドイツだけがCDからストリーミングへの転換が遅れており、音楽業界の復活に足を引っ張っている状況だ、という内容です。
これについて思うことを書きます。


まずマクロ的な話から。
世界で、特にアメリカでストリーミングが普及したのは、CDショップが軒並み閉店し、ダウンロードや配信でないと音楽を聴くことが出来ないという外的状況があったからだと思っています。
ではなぜCDショップがなくなっていったかといえば、ナップスターを始めとした違法な海賊ダウンロードサイトが普及し、「ネット経由で音楽を聴くこと」と「CDなんてもう買わない」が当たり前になったからです。
そこでSpotifyは「広告を入れることによる無料プラン」と「違法サイトよりも使いやすいサービス設計」により、違法サイトを駆逐していきました。月額の定額制なので、使い始めればスマホの通信料と同じく「気にならない固定費」になるので、普及してしまえば解約する人は少ないです。
そして、利用者が増えればアーティストへの支払いも多くなり、音楽業界からもこちらを推すようになります。プラスのスパイラルが働き、現在の好調につながっているというのがアメリカの構図。


対して日本は、CDがまだ売れています。これは、上記のような違法サービスが普及しなかったおかげで「ネット経由で音楽を聴くこと」に馴染んでいない人が多いためです。過去の成功が現在の不調を招いている。人生万事塞翁が馬。
また、日本にはアメリカにはないCDレンタルというサービスがあり、TSUTAYAも全国にあります。このおかげで「CDはあまり買わないけど音楽は聴く」という層がストリーミングに頼ることなく多くの音楽に触れることができています。ここでも過去の素晴らしいシステムが現在の新しいサービスの普及を妨げている構図ですね。
タワレコのような大きなお店はなくても、TSUTAYAだったら全国の小規模都市にもまだあるので、CDを買うこともレンタルすることもできる。これが日本の状況。


次にミクロの話。というか、私の話。
私は、ストリーミングサービスを使っていません。日本にはSpotifyの他にAWA、LINE MUSIC、Apple MUSICなどがあり、どれも月額1,000円程度で聴き放題です。これだったら、TSUTAYAの「CD5枚で1,000円」よりもずっとお得です。
しかし、私が音楽を聴くのは家と車で、家で聴くのはこうしてブログを書く際のBGMのような聴き方で、歌詞やサウンドなどをしっかり聴くのは車の中です。そうなると、なかなかネット経由で聴くのは難しい。トンネルとかデータ量とか気になることがあるので、結局TSUTAYAでレンタルしてきて車のHDDに取り込んで、という聴き方をしています。
この辺、皆さんどうされているんですか?


もうひとつ、ビジネスの話。
日本がCDビジネスにこだわるのは、CDの方が利益率が高いからです。しかし、アメリカではCDがもう全然売れていないのにストリーミングの普及により売り上げは増えています。
では、日本もストリーミングに特化すれば業績復活するのでは?と思うかもしれませんが、それはアメリカの市場が大きいからできていることなのです。単純にアメリカは人口が多いのと、英語だからアメリカ以外の国でも受け入れてもらえます。全世界で聴いてもらえれば、利益はもちろん大きくなります。
その点、日本は人口も少ないし日本語の音楽はほぼ日本でしか聴かれません。これではストリーミングに全振りしても日本音楽業界の利益向上につながるのか、私は疑問です。この辺の推計は音楽業界の偉い人はもちろんやっていると思いますが、どうなんですかね?
でも、日本より人口の少ない韓国はこれで伸びているんですよね。BTSのようにアメリカでも売れている人たちなんてほぼいないと思うのですが、韓国のミュージシャンはこれで印税生活できているのかな?


さて、どうするか。
CDが売れる時代は今後も下りながらだらだらと続いていくでしょう。急にゼロになることはありませんが、今後伸びることはもうないでしょう。
なので、本来はストリーミングで利益が取れるようにビジネスモデルを転換するのが音楽業界のやるべきことです。以前のCCCDのようなユーザーの邪魔をすることはしてはいけません。流れはもう決まっているのに、それに歯向かおうとしたって無駄で無意味なのです。
スマホ業界と連携して、スマホ購入時のサービスとして「初月1か月無料」とかやればいいのに。やってるのかな?


で、私ですが、車にスマホつなげて聴けばいいの?データ通信料とか気になるけど、大丈夫?結局ここが解決しないと、マクロな話で「これからはストリーミングだ!」と言っても転換できないんだよなー。
そして、こんなことを言っているのはそもそも音楽ファンだけで、私の周りにストリーミングサービスを使っている人は全くいないどころかストリーミングサービス自体を知らない人の方が多いような気がします。これが田舎の実態だ。
日々電車通勤通学する都会ならスマホで音楽聴くことは当たり前になっていてストリーミングへの転換も容易なのでしょうが、田舎は生活様式が違うのだ。
さて、どうする。さて、どうなる。


福井の旅2018、春

晴れは最高の調味料(喩えが下手だ)


レキシのライブがてら、福井観光をしてきました。ひたすら写真を貼って備忘録代わりにするエントリです。
朝5時出発。今回は車移動です。もうこの季節は5時でも明るい。
ひたすら車を走らせて、途中随時休憩もして、上越ICから高速に乗って9時くらいに福井県突入!
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いいお天気で海も見えたので写真を撮ってみたが、運転しながらなので全然写りませんでした…。


10時前くらいに大野城到着。ここは「天空の城」と言われているお城ですが、それは遠くから見ないと見えないですよね。しかも冬の早朝でないと見えないそうで。そりゃそうだ。
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実際の大野城は観光展示用に新しく建てられたお城ですが、歴史に全然詳しくない私はその辺は気にしません。
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階段がひたすら続く、なかなかの急勾配。休みながら上りましょう。
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いい眺め!ちょうどこの時期芝桜が満開で、田んぼのあぜ道にびっちり芝桜が咲いており、とてもきれいでした。運転しながらだったので写真はない…。
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見えてきた!
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400段くらい階段を上がり、ようやく到着。天守閣からの眺めもいい。とにかく晴れていればいいのだ。
ここは標高249mとのことで、これだけ高いのに私の地元より低い。私の地元はどんだけ山の中なんだ。


1時間くらい滞在し、再び出発。
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福井市に入りました。路面電車があるのね!おかげで走行車線や信号の指示が分かりにくい。田舎者ですみません。
ホテルに車を置き、ここからは電車移動。
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福井、すげー恐竜推しじゃん!この恐竜たち、動くんだぜ。
あと、福井駅って新しいですね。建てたばかりなのですか?
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移動は福井電鉄。先ほど見た路面電車です。周りには袴Tシャツと稲穂を覗かせたカバンを持った人たちばかり。この集団を一般人はどう思うのかな。
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西山公園駅到着。小さい!こんなに乗降客がある日なんてないんだろうなー。駅員さんは皆メガネをかけていたのですが、鯖江だから伊達でもかけるようにしているのかな?たまたま?
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さすが鯖江、標語もメガネに掛かっています。メガネだけに!


そしてレキシのライブへ。
ese.hatenablog.com
帰りはJRにしてみよう。
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駅に向かう道すがら、こんな標識を見つけました。路上駐車は月替わりで停めていい側とダメな側。これ、いい施策ですね。車社会と駅周辺の商店街を両立させる取り組み。これ、我が町でもやってくれないかな。
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近くのお店ではこんな看板を見つけました。気遣いが優しい!
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駅の中にはこんなものがありました。エロ本入れたりするの?今でも入れる人いるの?処分に困った人がここに捨てに来るの?


ホテルに着いてチェックイン。ライブ終わるのが早かったのでご飯食べるのも楽々だなーと思ったのですが、どこも満席で空いてない!さすがレキシ、経済効果もハンパないぜ。
駅周辺をぐるぐる回り、何軒も断られ、何とか辿り着いて美味しいビールを飲みました。写真はない。普段食事を撮影する習慣がないのでこういうときに忘れてしまう。
今回泊まったホテルは大浴場とサウナがあり、最高!朝のバイキングも充実していました。最高!


2日目。恐竜博物館へ向かいます。
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意図したわけではないですが、太陽の写り込みがカッコいい!
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すごく広いのね。運転していたので写真はないのですが、道中の道の側面に発掘途中の骨が露出していたり恐竜がいたりと、到着するまでに既にワクワクですよ。
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鯉のぼりも恐竜!見えるかな?


さて、入場。
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うわ、カッコいい!まずは地下までエスカレーターで下って、そこからぐるぐると上りながら見ていくシステム。
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まずはティラノサウルスがお出迎え。こいつ、動くし鳴くんだぜ。恐怖のあまり泣き叫ぶ子供が何人もいて微笑ましい。
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ちゃんと肛門もある。


ここからしばし写真をひたすら貼っていきます。
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ここは外周がゆるやかなスロープになっていて、全体をぐるりと見ながら上がっていけるのです。お台場の科学未来館のああいう感じ。


この辺からお勉強コーナーです。
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私は地学を選択していたので、こういう世界大好きなのです。
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最近、恐竜はワニの祖先ではなく鳥の祖先だということになったので、進化の過程の想像図も変わりつつあります。もし、最初から恐竜は鳥類の祖先だということが分かっていたら、恐竜の想像復元図は今のような姿ではなかったはずです。
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この2つはここでの写真ではなく拾い画像ですが、この骨からこの姿を想像できますか?なので、いくら専門家が知識を総動員したってなかなか本当の姿にはならないと思うんですよ。昔は爬虫類の祖先だと思われていたからワニをイメージしてああいう恐竜像ができたってだけだと思うのです。
でも、最近の羽毛が生えていたり顔が鳥っぽい姿は好きではないです。やはり恐竜はあの姿がカッコいい。


さて、恐竜絶滅後の世界。
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恐竜絶滅の話も好きなんです。巨大隕石が落ちたのは事実ですが、そこで恐竜はなぜ絶滅(今では鳥類として生き残っているという説ですが)し、哺乳類は生き残ったか。
これは急激な気候変動に対応できなかったから恐竜は滅んだ、という説が一般的ですね。変温動物だしあのでかい体を維持するにはたくさんの食料が必要で、それが気候変動により食料が減り、滅んだ。まさにダーウィンのいう通り「強いものが生き残るのではない、変化に対応したものが生き残るのだ」ですね。まあ、私は動物の進化自体少し疑っているのですが。


「ダイナラボ」では、恐竜に関するいろいろな資料があります。
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恐竜は大きいもんなー。爪は強いよなー。
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これは歯です。隣に写り込んでいる人と大きさを比べてください。でかい!
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化石クリーニングの様子も見れます。男の子が熱心に見ていましたが、見られながら作業するのはストレスじゃないのかなー。私だったら嫌だなー。
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こんなフォトスポットもありましたが、撮らず…。


楽しかった!私、福井で恐竜の化石が出たから福井や日本の恐竜について展示してあるくらいのレベルだと思ったのですが、こんな恐竜全般にわたる展示だったとは!「恐竜博物館」の名に偽りなしやで!
ここはこの他に化石発掘体験などもできる、とても広い敷地です。子供と一緒に来たら一日かかります。いつか平日の空いているときにじっくり見たい!


名残り惜しいが、次へ向かいます。
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東尋坊です!少し曇ってきた。
東尋坊は数年前に一度来たことがあります。日本に絶景はいくつもありますが、ここはそのトップクラス。
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辰っちゃん漬もまだ健在でした。しかしそれ以外のお店は空き店舗が多くてちょっと寂しい。まあ、私もこの辺のお店で何も買わないわけですから潰れるのも仕方ない。
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見えてきたぞ。
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どーん!
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東尋坊の崖がなぜあんな形をしているのかの説明。
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あら、この先行けないのか。数年前来たときはまだ行けて、そこで「格闘ゲームのラストステージ」や「アクション映画のクライマックス戦闘シーン」の気分が味わえたのにな。
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ああ、この絶景感が写らない。私の写真の腕よ!
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見えますか?よくあんなところに行くなあ!大学生みたいな若い男の子たちがひょいひょいと岩場を飛び移っていたのですが、見ているだけで怖い。
こういう場所って、年間たくさん観光客がくるんでしょ。「ついうっかり」で滑って落ちてサヨウナラになる人っていないの?
私は高いところは苦手ではないですが、「物理的にあと10㎝移動すると落ちてしまい、死んでしまう」と思うとめちゃめちゃ怖い。だから東京タワーもスカイツリーも怖くないですが、こういう場所はめちゃ怖い。歩くときも少しでも崖から遠いところを歩いてしまいます。


帰り道のお土産屋。
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誰が買うねん!「東尋坊に来たから安室ちゃんの写真買おう」って思う人いるの?
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せっかくなので海鮮を食べよう。ウニいくら丼。味は普通。ビール飲めないのが残念。車だから仕方ない。


さて、後ろ髪引かれる思いですが、帰ろう。
帰りの道で、ナビに「ワンダーランド」と遊園地のマークが出ていたので寄ったら
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こんなとこだった!廃墟は怖いけど好き。


帰宅。往復で800㎞を超える旅でした。天気もよく、特に初日は最高以上のお天気でした。やはり旅は晴れたら8割成功。観光地はどこも楽しかったしライブはもちろん楽しかったしホテルは満点だしご飯も美味しかった。
ライブで地方に遠征に行くと観光も兼ねて行けるのでいいですね。必要なのは一緒に行ってくれる人ですが。今回付き合ってくれたBさんOさん、ありがとうございました!


まっぷる 福井 恐竜博物館'18 (マップルマガジン 北陸 4)

まっぷる 福井 恐竜博物館'18 (マップルマガジン 北陸 4)