やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「誰も知らない」 感想

子どもができたらまた見よう


是枝裕和監督作品としては、私が見たのは「奇跡」「空気人形」に次ぐ3作目です。
実際の事件がモチーフになっていますが、事実と映画は異なります。
その事件の映画化ではなく、あくまでモチーフです。


「奇跡」でも感じましたが、子どもたちのナチュナルな演技が素晴らしい。セリフを言わせている部分と、そのまま自然なままを撮影している部分があるようです。どうやって撮影しているのかな?


物語は本当に悲惨です。子どもたちを見捨てて母は出てゆくのですが、最初は母の言うことを守り、子どもたちは秩序よく暮らしていきます。
しかし金銭的な困窮と共にその秩序は崩壊していきます。そりゃそうですよね。
もう見ていて辛くなっちゃう。そんな状況でも長男である明は万引きもせず、友人の女子中学生が援交で稼いだお金の受け取りも拒否する。
なぜ彼はそこまで「きちんと」生きられるのでしょうか。幼い兄弟を守るために自分がきちんとしなければという責任感でしょうか。
しかし、だからこそ警察や児童相談所などへ逃げ込むこともなく、子どもたちだけで生きていくことを選びます。
そしてラストで悲しい出来事が起きるのですが、それでも彼らの日常はまだ続いていきます。せめてラストで市の職員など、「大人」が登場してくれることを願っていたのですが。


私はまだ結婚もせず子どももいないのですが、子どもを持つ親が見たらどのような感想を持つでしょうか。単なる「映画のおはなし」と切り離して見れないのでは?


この作品で柳楽優弥君は各種映画賞を受賞しますが、これは彼の演技力というより、監督の撮影方法が上手いためではないでしょうか。なので一発屋になってもしょうがないと思いますよ。
でもまだ若いんだから頑張れ。あんな可愛い奥さんもらいやがって。落合福嗣君みたいに太っちゃダメだぞ。


映画『誰も知らない』予告編 - Nobody Knows Trailer

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