やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「ドラゴンタトゥーの女」 感想

長いけど早い、難解のようで分かりやすい、ミステリーのようでラブストーリー


劇場公開時に時間が取れず、ようやくDVDで鑑賞。
158分と結構長めですが、これでもだいぶカットしてテンポアップして作っている感じ。
ちなみに原作もスウェーデン版も未読未見です。


まずみんなが語る「移民の歌」のオープニング。他の映画を見に行った時に予告編を見て、これはかっこいい、このバージョンは誰?と思ったらトレント・レズナーカレン・Oだって。カレン・Oって誰?オリジナルよりソリッドな感じで、この映画に合っていました。
ちなみに今作の音楽監督もトレント。途中登場人物がNINのTシャツを着ていたのは監督のサービス精神?
オープニング映像は、独立したミュージックビデオのよう。これだけで超クール。


さて本編ですが、ダニエル・クレイヴ演じるミカエルと、ルーニー・マーラ演じるリスベットの二つの話が並行して進み、途中で合流します。それまでのミカエル部分で事件の概要を、リスベット部分で彼女の紹介をしています。
事件の方は、一族の話なので出てくる名前が多い。そしてスウェーデンなので馴染みのない名前が多く、覚えにくい。それでも壁に一族の名前と顔写真を貼り、いちいち映しながらつぶやいたりしてくれる親切演出で、何とかついていけました。
こういう犯人探しは「フリ(こいつだけは違うんだぞ)」があるので逆に分かってしまいがちですが、実はそれはこのお話の本筋ではありません。事件解明を通じて心を開いていく、リスベットのラブストーリーなのです。
事件後、わざわざ彼に会いに来て、「今日の予定は?」「もうすぐクリスマスね」なんてさりげなく言うところも良い。そしてラストで彼にプレゼントを渡せず帰っていく姿にみんなやられましたね。
でも、もともと「今日は娘と会う」って聞いていたでしょ。別の日にしなよ。


グロ演出は、そんなに気になりませんでした。それよりも彼女の脱ぎっぷりがよく、そこに感心しました。
途中のベッドシーンでモザイクがかかるのですが、あそこは無粋ですね。映像的にまずいのであれば、あんなAVみたいな「ザ・モザイク」じゃなく、もう少しソフトなボカシにならなかったかな。見ている方がモザイクに気がいっちゃうよ。


ミカエルは、あんまり何もしていないですよね。彼女に助けられてばかり。
なぜ彼女はセックスさせてくれたのでしょう。うらやましい。でも彼は本気ではないので、編集長ともやるし、事件が終わればよそよそしい。だって助手だもの。若くてセックスさせてくれる、助手だもの。ああ、うらやましい。
あと、この事件は聖書に紐づいて行われていますが、「ミカエル」という名前はそれに何か意図があるのでしょうか。私は聖書やキリスト教には詳しくないので分かりませんが。


映画としてはとても良かったです。続編もあるんだよね?スウェーデン版も見てみよう。


<追記>
スウェーデン版も見ました。感想はこちら↓ese.hatenablog.com
ese.hatenablog.com




映画『ドラゴン・タトゥーの女』予告編