やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

またテレビがつまらなくなってゆく「<テレビ朝日>スギちゃん事故で飛び込み企画を一切中止」

あなたの怪我はテレビのせい?


テレ朝が、スギちゃんの骨折事故を受けて、今後高飛び込みの企画は一切行わないことを発表しました。
<テレビ朝日>スギちゃん事故で飛び込み企画を一切中止 (まんたんウェブ) - Yahoo!ニュース


この記事を見て私は「またひとつテレビが衰退した」と思いました。
なのに記事のコメントでは「その通り」「対応が遅いくらいだ」「落とし穴もやめろ」なんて声が上位に。
そして、そう言いながら「VTR見ながらテキトーにしゃべっておしまいのバラエティが多い」「インテリぶって知識をひけらかす番組ばかりになるよ。飽きた、アレ」なんてコメントも。
どっちやねーーん。


スギちゃんの骨折は確かに飛び込みの企画のせいですが、「飛び込み=骨折」というほど短絡的な話ではありません。たまたま骨折という重大な事故になってしまったことは残念ですが、飛び込み自体が悪だとは思いません。
そして、「飛び込みの何が面白いのか」という意見も短絡的な考えだと思うのです。
飛び込み自体が面白いのではなくて、それを怖がったり逆に躊躇なく飛び込んだり、飛び込んだ後のコメントやリアクションが面白いのです。
そして、怖がったり躊躇しなかったりコメントを言ったりリアクションをしたりするのが面白いのではなく、「面白く怖がったり」「面白いコメントを言ったり」「面白いリアクションをしたり」するのが面白いのです。
つまり、そこに芸人としての力量が発揮されるのです。
飛び込みという行為自体が面白いのであれば素人でも面白いはずですが、そうではありません。そこに芸人としてのプラスアルファがあるからこそ面白くなるのです。
ダチョウ倶楽部が言った(多分)言葉に「ぬるいお湯で火傷するのが芸人なんだよ」という名言がありますが、まさにその通り。


ずんのやすの怪我も「不運な事故」でしたが、どれだけ対策をしていても「事故」は起きます。毎日交通事故は起きるし寒い日に転んで骨折する人はいるしタンスの角に小指をぶつける人はいます。
事故を減らす努力は必要ですが、ゼロにはできません。毎年怪我人は当たり前、死人が出ることもあるような地方のお祭りはよくて、日々お祭りを作っているテレビではちょっとした事故も許されないのはなぜでしょうか。


バラエティー番組で食べ物を食べること以外に使うと批判されるのに、ドラマや映画では何も言われない。スポーツの優勝チームのビールかけやシャンパンファイトは何も言われない。なぜバラエティー番組ばかり批判されるのでしょうか。


昔「ごっつええ感じ」で東野の頭がかた焼きそばに似ているということであんかけをかけるというドッキリがありましたが、あれなんて今はダメなんでしょ?
ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」なんて番組自体NGでしょ?


コント55号ドリフターズひょうきん族の時代から比べると、今のバラエティ番組はあらゆることをやっちゃダメで、がんじがらめです。そんな制約だらけの中でテレビマンは日々面白いことを考えているのに、すぐ「危険だ」「子供が真似する」「いじめを助長する」なんて言われちゃう。
今の親御さんたちもドリフやひょうきん族ごっつええ感じやみなさんのおかげですを見てきたでしょ。クレヨンしんちゃんを見てきたでしょ。大人になった自分を見てどうですか?そんな悪い大人になっていないでしょ。テレビの影響なんてそんなもんです。


何でもかんでも規制して、テレビをつけても自分たちの日常と同じものが流れていたらテレビなんて見たくなくなるでしょ。テレビは「非日常」だから面白いのです。だから変な人が出てくるのです。変なことをするのです。だからテレビは面白いのです。
まだまだ面白いテレビを見たい私は、テレビに「日常」や「常識」といったものさしで規制をしてほしくないのです。