やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「フィッシュストーリー」感想

多部ちゃんがかわいくて


原作を読んだ上で、観ました。
大筋は一緒ですが、細かい点がいろいろ違っています。映画の方が「より映画らしく」、映像的で見栄えのする話になっていました。


「フィシュストーリー=ホラ話」なので、この物語に「ありえない話」などはつっこみになりません。よくできた「おとぎ話」として見るべきです。
私は原作を読んでから映画を見たのでラストは知っていましたが、何も知らずに見た方が絶対に楽しめると思います。
よくできたお話でした。


では、ネタバレしつつ、細かなつっこみを。


まず1975年。パンクバンド「逆鱗」の話。
ストリップ劇場で演奏しているのですが、パンクバンドがそんなとこで演奏するか!それ以前に劇場側が出さないよ。とはいえ、この時代に演芸場以外で演奏する場所なんてなかったのかな。
また、伊藤淳史がやっぱり優しすぎる。パンクバンドのリーダーがあんなに柔くていいのか。怖いツッパリが迷い、悩んだ方が説得力あるのでは?


1982年。気弱な大学生の話。
気の弱い大学生が勇気を振り絞って女性を助ける、というエピソードはとても分かりやすくてよいのですが、これがその後の「正義の味方」につながっていくためには、この大学生は変わりすぎ。
女性を助けた達成感が、正義感の塊になったのかな?ちょっと無理があるような。人間そんなに変われません。原作のように、もともと正義感を持っていて、それを実践する人間の方が良かったのでは。それだと分かりやすいカタルシスが無いか。


2009年。「正義の味方」の話。
多部ちゃんがかわいかった!いわゆる「美人顔」ではありませんが、泣いている顔も笑った顔も、かわいくてかわいくて。
正義の味方として森山未来が出ていますが、こんなに細くていいの?子どもの頃から筋トレさせられていたなら、もっとごつくなっているべきでしょう。照英はよくないけど、佐藤隆太あたりはどうでしょう。
でも、子どもの頃のトレーニングで「ベストキッド」のトレーニングを再現しているシーンはよかった。
また、正義の味方の力を披露→ピンチに陥る→しかし再度活躍、という流れですが、ここは一発で決めて欲しかった。あんな無計画に銃を撃ちまくる集団なら、ぐるぐる巻きにされる前に撃たれているでしょう。ここはスカッと一発で決めましょう。


そしてラスト2012年。地球滅亡の話。
オープニングから「太陽がにじんでるな」と思っていたら、これ彗星なのですね。地球滅亡まであと5時間!
そんなときに営業しているレコード屋の店主やそこでレコード聴いている客は、諦めているのでしょうか。それならもっとこの地球滅亡の危機にもKYな感じでレコード談義をしていればいいのに、途中で入ってきたオヤジと「いや、助かるかも」と議論しないで欲しい。するなら「多分正義の味方が助けてくれますよ」ぐらいの、何の根拠もない期待だけをしていればよかった。もちろんそこには本当の期待なんかは無い、という裏返しで。
なのにオヤジと現実的な「何とかなるかも」話をしてたら、こいつらも助かりたいんじゃん、と思ってしまう。ならなぜここにいる。


細かなツッコミばっかり書きましたが、とても良かったです。オチで伏線が回収されていくところとか、多部ちゃんとか。
中村監督は伊坂幸太郎に愛がある感じがいい。



映画『フィッシュストーリー』予告


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