映画「ダークナイト」 感想

男ですから

先日の「バットマンビギンズ」に続いて、「ダークナイト」を見ました。「ダークナイト」は以前も見たことがあるのですが、「ダークナイト・ライジング」の予習として過去作を振り返るべく、再度鑑賞。

やっぱ最高。

内容については巷で散々語られていますので私が付け足すことはもうありません。
正義だったら法を超えてもよいのか、その強大な力はさらなる強大な敵を生み出す、世間の価値観は簡単に変わる、自分のルールと違う存在には自分のルールで縛れない、などなど。
自分たちの「正義」「自由」を押し付けたためにあのテロが起こり、根拠のない「大量破壊兵器」をお題目に倫理も正当性もない侵略を勝手に開始し、でも「自爆テロ」「殉教」なんていう価値観は自分たちのルールにはないため防ぎようがない。そしてその欺瞞と正義の押し売りは、いつしか自分たちを後押ししてくれた国民から猛烈な吊し上げを喰らう。
まさに9.11以降のアメリカの縮図ですよね。

また、これも誰もが語るヒース・レジャーの怪演。
私は常々「変な役っていってもだってそれは脚本にそう書いてあるから演じているだけでしょ」と思っているのですが、今作のヒースはそんな私のひねくれ心を軽く上回る存在感でした！ちょい猫背なところや舌をペロペロと見せる仕草や金（勝利）や留置所（敗北）に全く囚われない価値観など。
見ている私たちも善悪の判断に悩んでしまうほど（そこには「正義の国アメリカ」が透けて見えるからというのもありますが）。

やっぱ最高。

アクション映画でもアメコミ映画でもない、ジャンルを超えた「名作」として語り継がれてゆくことは間違いありません。
普段アメコミ映画なんて全く見ない私がなぜこんなにのめり込んでいるのか。それは自分ではよく分かりませんが、東村アキコ先生の「主に泣いてます」というマンガでこんなセリフが…。

男はみんなみんなダークナイト大好きなんだから見てるどころかDVD絶対持ってるんだ。ブルーレイ持ってるんだ。男は隙あらばダークナイトの話してやろうって狙ってんだ。男ってのはみんないっつもいっつもダークナイトのことばっか考えてんだ。バカだ　あいつら。

うう、図星です…。

キャストは前作から引き継がれているのですが、ヒロインのレイチェル役がケイティ・ホームズからマギー・ギレンホールに代わっています。ここが唯一の残念なところ。だって私の好みじゃないもの。

さて、いよいよ「ダークナイト・ライジング」です！
物欲のない私は映画を「所有」することには興味がないのですが、これはトリロジーのブルーレイBOX買っちゃったもんね。
うーむ、まさに東村先生の仰る通り。

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