やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「ブレイクアウト」 感想

予告編は面白そうだぞ


ニコラス・ケイジニコール・キッドマンの共演というのがこの映画のウリですが、私は俳優・女優にはあまり興味がないので、それよりも予告で見た「なぜ夫は金庫を開けないのか」「なぜ強盗が妻を庇うのか」「妻は強盗とグルなのか」に惹かれて見ました。


駄作でした。
まず、強盗が怖くない。ナイフも銃も持っているのにあまり夫婦には危害を加えない。妻へ手出しをしないというのは強盗間での取り決めでしたが、それでもニコラス・ケイジにはもっと手を出してもいいのに。見ていながら「何もしないのかよ、この腰抜けめ」と思ってしまいました。
あと、この強盗たちは紳士でエロいことは一切しません。私だったら母娘どんぶりしていることでしょう。
そして、強盗がアホすぎ。計画もずさんだし、上記のように迫力もない。強盗の側にも事情があることは後々明かされていきますが、それを知るまでは「言うだけ番長」にイライラしてしまいました。知ったところで「知らんがな」と思いましたが。


そして肝心の「なぜ夫は金庫を開けないのか」ですが、これは予告編を見た限りでは夫が家族に何か隠し事をしているように感じたのですが、実際は開けない理由に秘密があったわけではなく、強盗に対する交渉の切り札として開けなかっただけでした。
そしていよいよ開けると、中身は空っぽ。これにも意味があるのかと思いましたが、単に「一文無しだから」だって。


「なぜ強盗が妻を庇うのか」は、強盗が妻に惚れているからというありきたりな理由で、別に妻と強盗はグルではありません。
というわけで、期待された秘密がそれぞれ拍子抜けで、しかも「シチュエーション・サスペンス」と銘打っているので場面が動かない。だから余計に話が進まないのでイライラしちゃうのです。まあ、金を渡すにしても夫婦を殺すにしても、それをしちゃうと映画終わっちゃうからね。


ラストもクライマックスの終わりで終了。いや、この騒動が終わった後の家族の関係が見たいのですよ。夫は妻の不倫を疑ったままでしょうし、妻は夫が一文無し&秘密のへそくりという秘密を知ってしまった。さて、この家族はどうなるのでしょうか。そこを描いてよ。


というわけでがっかり映画でした。
それにしても、こんな2大スターが出ているのに劇場公開の時に全く情報を聞かなかったなと思って調べてみると、アメリカではDVDスルーだそうで。日本でもだいぶ限定された劇場公開でした。やぱりみんな「これは駄作だからあまり宣伝できない」と思ったのだろうな。
ちなみに、公式HPにあるキャッチコピーには「臨界に達する緊迫感にあなたの忍耐力が試される」とあります。なるほど、このイライラに耐えられるか!ということですね。うん、虚偽広告ではありません。



映画『ブレイクアウト』予告編
この予告編だと面白そうなのに。