やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

鶴「我がまま」 感想

過渡期と信じたい


最近、歳をとってきたので、新しい音楽に手が出ない。
なのであまりCDを買わなくなってきたのですが、それでもポツポツと買っています。m‐flo、真心、そして鶴。正直、どれもイマイチで困っています。


鶴はポップでファンキーなバンドで、非常に私の好みでした。
メロディーもキャッチーで見た目もアフロ3人だし、いつブレイクしてもおかしくないと思っていたのですが、なかなか芽が出ず、ついにアフロも卒業してしまいました。


最近ミニアルバムが2枚続いており、フルアルバムとしては久しぶり。
ここ最近の特徴として、曲のポップさ・キャッチーさが足らん。ここで見放すのは簡単ですが、鶴ファンとしては何とか擁護したい。


デビュー直後の「ポップでキャッチー」というのは、言うならば「ベタな王道コード進行」なわけで、同じような曲ばかり作っていると手癖にやられて作り手も受けても飽きちゃう。そこでいろいろ試行錯誤しているのが今なんじゃないかと。
いろんなコード展開やリズムパターンにトライしているが、なかなかそういう「変化球だけどいい曲」というのは難しい。
ここを抜けると、もうひとつ上の段階でのキャッチーさが身につくのではないか。ちょうどミスチルが「DISCOVERY」「Q」「It's A Wonderful World」の時期を経て「シフクノオト」以降の現在のミスチルがあるように。


ただ、現在の鶴の立ち位置でそんなことをしている余裕はあまりない。
一発ヒット出して、もう少し余裕のあるところでないと試行錯誤紆余曲折すらさせてもらえなくなるよ。
せっかく映画「アフロ田中」の主題歌タイアップとってきてもあの程度の出来では困る。外に向けたアピールの機会なんだから最大限のサービス精神で世間に届く曲を書くべき。


最近ゆずやミスチルのベストが出て、さらにこの2組は同時期に新曲も発表しています。それが、ベストに肩を並べる出来。さすがです。
個人的な意見ですが、こういう人たちは「売れるから売れる曲が書ける」のだと思っています。今更「売れ線を書くぞ」とは思っていないと思うのですが、自分の立ち位置や求められていることを思うと、あまり突き放した曲は出てこないのでは。
(シングルとして世に出るものは)
だからこそメロディの細部やコード進行や歌詞の隅々まで手が行き届いて、結果ポップになるのではないでしょうか。


というわけでそろそろ締め。
鶴はいい曲書けるバンドだから、まだやれるはず。でも、残された時間はあまり多くないぞ。早く突き抜けてくれ。
あとは、歌詞のレベルがもっと上がるといいな。



鶴 - 夜を越えて

我がまま(初回限定盤)

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我がまま(通常盤)

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