やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「12人の優しい日本人」 感想

先日「12人の怒れる男」を見たので、続いて「12人の優しい日本人」をレンタルしてきました。
これも三谷幸喜作品とくくられますが、脚本だけで監督は別人です(「櫻の園」などの中原俊監督)。「12人の怒れる男」と同じく、陪審員として集められた12名がある事件について議論を交わしてゆく。元ネタではありますが、パロディーな感じはせず、同じ設定を借りた独立した作品に感じました。


「怒れる」では当初一人を除いて全員有罪から徐々に逆転していきますが、こちらは全員無罪から始まります。その後有罪が増えたりまた無罪に戻ったりと、意見がどんどん変わっていく。その議論の仕方や意見の変遷の根拠が、非常に感情的。周りを気にして自分の意見を決めたり変えたり。「インスピレーションで無罪」と言ったり「論理的に」と言いつつ自分の意見は言わなかったり「あたしよく分かんない」と思考停止したり。実際自分もこういう中にいたらそうなっちゃいそう。流されずに自分の意見を貫いたり、きちんと理性的に説明できたりする自信はありません。後半には議論を終えるために意見を変えたり、周りと譲歩したり、とこの辺も日本人的。


後半トヨエツが議論を引っ張る展開から盛り上がってくるのですが、そこまでがちょっとだるい。ワンシチュエーションの設定なのでしょうがないですが、飽きそうでした。もう少し場面場面で決定的に「有罪」「無罪」に振り切るアクセントが欲しかったです。


作品としては「怒れる」の方が好きだなあ。

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