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好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「39 刑法第三十九条」 感想

鈴木京香の地味子は逆にそそる

刑法第三十九条。心神喪失者は罰せず。心神耗弱者は減刑す。
これを題材にした映画です。
見る前は「罪を犯したのにこの条文を盾に罰せられないなんておかしい」という内容かと思いましたが、見始めたら「多重人格者のサイコスリラー」で、実はそれを利用して犯罪を行うという「トリック映画」でした。


主演の鈴木京香堤真一を始めとして江守徹、樹木希林岸部一徳杉浦直樹吉田日出子山本未来など、芸達者な役者ぞろい。なので非常に見ごたえのある映画でしたが、それにしてもみんな何言っているのか聞き取れない。ぼそぼそ話しすぎ。DVDだったので戻りながらボリューム上げながら見ましたが、劇場だったらどうだったのかしら。


この「三十九条」に焦点を当てるのであれば、ここだけに絞って描いた方がよいと感じました。他人に成りすますというトリックを使って動機を分からなくするとか、妹を殺した犯人が15歳ということで少年法にも関わってくるところとか。犯人は成人だったけどこの条文により不起訴になり、それを逆上して殺した堤真一心神喪失を演じる、くらいでよいのでは。焦点がぼやけちゃう感じがします。
そもそも、もしこの演技が功を奏して不起訴になったとしても、その後堤真一山本未来と一緒になれるのでしょうか?他人になってしまったらそれを一生続けなければならないのでは?


個人的には、この条文は不必要だと思っています。実際心神喪失・心神耗弱の人もいますが、犯罪を犯したという事実は健常者であれ心神喪失者であれ同じ。なので、その人の事情ではなく犯した犯罪の事実のみで裁くべきだと考えます。

39-刑法第三十九条- [DVD]

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