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やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「サブカルで食う」大槻ケンヂ 感想

甘い世界なんてない

本気でサブカルで食って行く気はありませんが、サブカルに興味があるならこの本も気になるはず。
宇多丸さんとの対談もあったので購入してみました。


裏表紙には「サブカルで食っていくための3J」として「15万円」「情熱」「自習」とあり、帯には「早起きできない、勉強・運動できない、モテない、夏にネクタイなんかしてらんない、でも楽しく暮らしたい!! 普通のことができないすべてのボンクラへ」とありましたが、非常に看板偽りありでした。
前者は本文や宇多丸さんとの対談で出てきた単語であり、特にこの言葉をキーワードとして語られているわけではありません。あえてキーワードを挙げるなら「才能、運、継続」です。
後者は更に悪い。こんな表現全く出てきませんでしたよ。
まるで「会社勤めをせずに楽して暮らしてくための書」みたいな煽りですが、内容はそうではありません。


内容は、オーケンの半生、サブカルになるための自習とは、サブカルのお仕事とお金、などです。具体的に「サブカルで食っていくためにはこれをしなさい」ということは語られていません。前書きの部分でもありましたが、オーケンという、ひとつのモデルケースが語られているだけです。
ですので、「モテキ」で「俺もサブカルだ!」と目覚めた(と思った)人にはあまり響かないかもしれません。世代的な部分もありますが、でてくる固有名詞にもあまり引っかからないのでは。


それでは本文より、気になった箇所を抜粋・引用させていただきます。

サブカルの人たちっていうのは結局、「○○になりたい」というのが明確じゃないまま表現欲求だけが全面に出た人なんじゃないか

中二病の「全能感」がまだ残っているのでしょうね。表社会では何も出来ないことがさらにそっちへ逃避させる。

「何かができる」人はそれだけをちゃんと追い求めていればいい
「何かができない」というコンプレックスがあったからこそ「色々やってみる」という選択ができた

必要な条件は「才能・運・継続」
何かを継続してやっていくために大切なのは、やっぱり情熱
自分の携わったシーンやジャンルを底上げしていきたいという気持ちが根底にないと、長く続けていくのも難しい

これが全てですよね。どの世界も甘くない。「好き」を「続ける」しかない。

プロのお客さんになっちゃいけません
受容したものを換骨奪胎し、自分なりの表現としてアウトプットすることが重要
自分の発した表現によって、それを受け取った人に何らかの影響を与え、新しい表現が生まれてくれたらもっと嬉しい

私も含め、「一億総評論家」ですもんね。批評されるものを作れと。

とりあえずバカになって、どんな表現であっても恥をかくことをものともせず発表しなくちゃ始まらない

求められている枠の中で自分のやりたいこと、言いたいことをどういうふうに表現できるだろうかっていうのを考えてみる。
それをひとつのゲームみたいに考えられると自分に折り合いもつく

表現したいものやオリジナリティなんて本当はなくて、自分を表現したいという欲求があるだけなのだ

人気がなくなると、そこに入り込んでくるのが、ギャンブルとかお酒とかソッチの方なんです。女性の場合はお金とか宗教とか。
そんな時は「確かに今は人気が停滞しているかもしれないけど、自分はこれをやっているから」というものをひとつ押さえておくというのが重要

これでクスリやヌードに行ってしまう人がいるんですね。

アニソンには「個より場」、「サブカル」じゃなくて「サブカルチャー」があった
アニソンの世界は、まだ「ウッドストック」「フラワームーブメント」みたいな幸福の時代を生きている
「学校ではヒエラルキーの下層にいる僕たちだけど、もしかしたら世界を変え得るんじゃないか」という夢を見ることができるとてもいい時代

私はアニメ全般全く詳しくないのでアニソンも全く知りませんが、楽しいんだろうな。行かないけど。

大人になって性欲が衰えてくると、ただボケーっとしているだけじゃ1日というのは維持できる短さではない

そろそろ私もこの問題に対峙しないといけなくなってきました。吉田豪が「サブカルは40で欝になる」と言っていましたが、それが怖い。だから「結婚」という制度があるんだなとも思います。この辺の話はまた別で書きたいと思います。

そしてまとめ。

自分が底上げしたいと思えるジャンルやシーンを持っているということ
「俺はこれをどうしても世間に知らしめたい!」と情熱を傾けられるものがあるということ
表現したいという衝動があるだけなのか、それとも本当に表現したい「何か」がるのか

宇多丸さんとの対談から、まずはオーケンの発言。

良さを知りながらディスる

そして宇多丸さん。

自分が上の世代から受けた薫陶感をちゃんとバトンタッチしなくちゃいけないっていう意識
過去の知識の蓄積と継承っていうことを、それなりにリスペクトしているのがサブカルの人
今の即物的な消費をしているオタクの人たちって、結局ズリネタを求めているだけ
自分のチンコが勃たなければそいつが悪いていう発想
違うんだよ、「俺はコレで抜けるオトナになるのだ!」っていう確固たる覚悟を持って望むんだよ
「バカは軽蔑される」っていうことをみんなもっと分かっていた方がいいと思う

さすが宇多さん。パンチラインだらけっす!


というわけで、この本はハウツー本ではなく、どの世界も一緒、甘くないよ。という本でした。

サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法

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