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好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「有名人になるということ」勝間和代 感想

何かいけ好かない

正直、私は勝間和代に興味はありません。本も読んだことありません。カツマーVS香山リカでは香山側の人間です。テレビで喋っているのも見たことないし、最近はロングブレスダイエットをテレビでチャレンジしているそうですがそれも見たことありません。
それでもこの本を手にとったのは、西原理恵子が帯にイラスト書いているから、か。

全体を通して感じるのは、「私有能」「私有名になりたい」「一度有名になったらその位置をキープしたい」ということでした。
帯に「私のこの数年間の『有名人になる』という不思議な体験について、当事者の視点からまとめたものです」とありますが、中を読むと「『有名人になる』というビジネス」と書いてありました。つまり、有名人になろうと自ら望んで有名人になったのです。
帯の裏側には「実は私は人前に出るのは苦手です」とありますが、中を読むと若手芸人さながらに自ら前へ前へ出ています。
自分で書いている文章でこれだけギャップを感じるのだから、周りから見た勝間和代とご本人の自己認識とはだいぶ差がありそうです。

2009年の紅白歌合戦の審査員に選ばれ、その後「金スマ」でも特集され、勝間さんが当初目的としてたことは達成されました。その後ワークライフバランスを取るために少しお休みをしたら世間から「終わった」と言われたと。そして2012年はもう一度「有名人になる」ビジネスを再開すると。
当初の目的が達成されたのでもうビジネスの世界に戻ればいいのでは?「有名人になるビジネス」なんて聞こえのいいこと言っても結局は「あの名声をもう一度」なのでは?

私がもし、「有名人になる」ということをビジネスではなく、「自己実現」のために行なっていたとしたら、いても立ってもいられない気分になったでしょう。そして、多くの「売れなくなったタレント」がヌードになったりするのはそういうことなのか、と妙な納得をしてしまいました

とありますが、あなたこそその当事者なのでは?当然ヌードなんて需要がないので誰も求めませんが。

本文中、何度も「上から目線」「私有能」が鼻につく。
「有名人になるビジネス」なんてカッコいい言い訳していますが、人脈の広がりやちやほやされることも含めて、「有名でいたい」んでしょ。

本を読んで感想を書くというのは、読んでいる時になんとなく感じていたぼんやりとしたものを言葉に変換することであり、全体の感想をいくつかの言葉に凝縮することだと思うのですが、そしたらこんなに「何かいけ好かない」という結論に落ち着きました。

「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)

「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)