先日、「FNS歌謡祭」での玉置浩二の大活躍ぶりを見て、ちょっと彼について思いを巡らせてみました。
子どもの頃は安全地帯は好きでしたが、最近の音楽活動は追いかけていませんでした。
最近は青田典子とのいろいろやコンサートで客に悪態をついて途中で帰ってしまうなど、奇行ばかりが目立つ玉置さんですが(去年はこの「FNS歌謡祭」をドタキャンしてましたしね)、吉田豪などから「彼はすごい」という話を漏れ聞くうちに興味が出てきて、ちょっと追いかけるようになりました。
「堂本兄弟」では即興でギターで作曲をしてたかみなが涙を流したり、「僕らの音楽」でもカトパンをメロメロにしていました。
今回の「FNS歌謡祭」でも歌の上手さ・声量・場の空気をかっさらうカリスマ性など、ダントツで他の歌手を圧倒していました。
玉置さんは、人間としても音楽家としても、「過剰」なんだと思います。
メロディーは溢れ出てくるし、ボーカルは圧倒的。場の空気を掴むのも、その圧倒的な実力と周りを一切気にしないから周りが合わせざるをえなくなるからだと思うのです。
「奇行」と称されるのも、本人が「世間」「世論」なんてものを全く考えていないから、世間から見ると奇行に見えるのでしょう。
マキタスポーツの唱える「ベタ志向」の最たるもの。周りの空気を伺うことなく、自分のやりたいことをやりたいようにやる。
「FNS歌謡祭」でも共演した歌手の肩をがしっと掴み、くしゃくしゃの笑顔を見せられてあの声で歌われたら、男女を問わずみんなメロメロになっちゃうのも頷けます。
普段囁くようなヴォーカルが魅力の徳永英明でさえ、デュエットでは声を張っていましたからね。
タイプは違いますが、アントニオ猪木や勝新太郎のようなイメージです。
めちゃくちゃなんだけど嫌いになれない。全く論理的でないけど納得しちゃう。なんだかんだ言って実力はピカイチ。
「空気を読む」というのは、以前ほどのがんじがらめな雰囲気は薄れましたが、その分「標準装備」になっている気がします。「空気」に過剰に怯えることはなくても、周りに雰囲気に応じて行動・発言するのは社会人としては至極当然のことです。
それが、玉置浩二はすっぽり抜け落ちている。これでいいんです、アーチストなんだから。
アーチストは0から1を生み出す仕事です。その出来た作品を世間に広まるようにするのは私たち一般人の仕事です。そこには世間に伝わるようにいろいろ空気も雰囲気も読む必要がありますが、作る時点でそのことを考えすぎても私たち一般人から近い作品にしかなりません。アーチストは全く自由な立ち位置から作品を作ってくれればいいのです。
マスコミも、彼の奇行やキャラを追うのではなく、「作品」を評価・紹介してもらいたいです。
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