考えるな、感じろ
六本木ヒルズの森美術館で開催されている「会田誠展:天才でごめんなさい」に行ってきました。
公式HP→会田誠展:天才でごめんなさい | 森美術館
私は動物園や博物館は好きなのですが、美術館は苦手です。絵画の良し悪しが分からないのです。それでもこのイベントに行こうと思ったのは、女子高生のモチーフが多いらしいことと、18禁コーナーがあるということという、非常に低俗な動機でした。
内容は、絵画やイラストにとどまらず、ダンボールでお城を作ったり、「一人デモマシーン」があったり、「安全自殺装置」があったりと、とてもバラエティに富んだ内容でした。
とはいえ、メインは絵画です。「あぜ道」「切腹女子高生」「滝の絵」などの女子高生モチーフの他にも「ジューサーミキサー」「灰色の山」などのブラックなテイストの作品、そして戦争を題材にしたコーナーもあるのですが、思想的にどちらかに固まっているわけではなく、とっちらかった思想がそのまま才能によって作品化されているものでした。
新作のバイオハザードの敵が女子高生になっている作品も良かった(タイトル忘れた)し、小学生が描かされる「善」に対する皮肉たっぷりのポスターも良かった(小1や小6など、その年代そのものの絵や文字までが上手い)です。
しかし、ここで私が一つ一つの作品についての感想を書いても意味がない。それを批評する目や言葉は持ち合わせていないし、それは見る人によって違って当然だと思うからです。
ただ、これらあらゆる方向に爆発している「才能」を「作品」にしているのは、デッサン力などの基本的な「技術」です。
世の中にも頭の中に溢れんばかりのイマジネーションやリビドーを抱えている人は多いと思いますが、それをアウトプットするにはやはり技術が必要です。酒の席で大言壮語を語っても、じゃあ何を生み出しているんだいと言われて何もなければその人は何もしていないのです。
そんな、天才の頭の中の一部とそこから生み出された作品を見て頭がぐるぐるしながら会場を歩いていると、何やらダンボールで創作している人たちがいます。ほうほう、ここはワークショップなのかな?創作体験ができる場所なのかな?と思って見ていると、何やら一人のおじさんがいました。何と、会田誠本人でした!会期中、ずっとここにいて作品を作っているのでしょうか?声をかけてよいものか分からなかったのでそのまま通り過ぎましたが、こんな人目の中で創作するなんて、その過程も含めて芸術や作品なのですね。
と、全く消化できないまま、天才の才能に当てられて会場を後にしました。これは私みたいな人間では言葉で表現できません。ぜひ会場へ行って、この熱を受けてきてほしいです。そして私に何か言葉を与えていただきたいです。
↑会場内で唯一撮影可能だった「考えない人」。こいつは「オニギリ仮面」だそうです。ロダンのような、弥勒菩薩のようなオニギリ仮面。
会場を出るとそのまま展望台へ行けるので行ってみると、ちょうど夕方で建物は見えながらもライトアップされていて、とてもきれいな時間でした。マジックアワーっていうの?
スカイツリーも見えたのですが、やはり東京タワーの方が美しいですよね。
そしてさらに歩くと、ラウンジの方へ。ここはカップルがたくさんいて、周りのカップルよりも自分たちの方がラブラブだというアピール合戦が繰り広げられていました。ここ、ハプニングバー?(さすがに写真は撮れなかった)