やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

テレビで本音を言っちゃダメ

2月5日放送の「ロンハー3時間スペシャル」を見ました。
有吉先生の進路相談では元SDNの野呂佳代にスポットが当たりましたが、私は後半の若手芸人についてちょっと思ったことを。


ここでははんにゃ・しずる・フルーツポンチが「コンビ間の格差」について悩みを相談していましたが、それぞれ「課題と対策」は持っていて、そんなに悩んでいない感じがしました。その対策が正解かはともかく。
なので、テレビ的に盛り上がらない。ここで「相方への不満爆発」でも「相方への愛情炸裂」でもどっちでもいいので振り切れていれば面白いのに、「マジな話、格差はあるけど悲観はしていない」なんて正論を出されても、そんな中途半端な着地点はテレビとしては正解ではありません。それは飲み屋か楽屋でやって。
フルポン村上は「勉強しなかった奴はテストに受からない」「悩むのは誰だってできる」「答えが出るまで頑張るしかない」「今やらないでいつやるんだ」「俺らが伸びるまで時代は待ってくれない」と名言連発。しかしこれが名言に聞こえないのは、村上のキャラもありますが、「このコーナーで求められているのはそれじゃないよ」という場の空気です。
なので有吉先生はその名言には取り合わず、「次、酒の席で生意気なこと言ったらぶっ殺すからな」と急に毒を吐くのです。番組が求めているのはこのやり取りだと。


バラエティーは本音や素顔が出ていると思いがちですが、そうではありません。本音っぽく聞こえるようにしゃべるプロレスです。
その中でも「ロンハー」は本音の部分をえぐり出しますが、それですら「テレビバラエティー」の範疇。隠し撮りでドッキリを仕掛けても、最終的にはその芸人さんがおいしくなるようにオチをつけてくれます。芸人愛があるから。
なので、今回のこのコーナーでも「悩んでいる」というお題でどれだけ面白いことを言うかというゲームなのに、本当の悩みや解決策を言ってもしょうがない。本当に悩んでいても、それをネタに笑いにしゃなきゃ。「仲が悪い」方が面白くなるんだったら、その場ではそっちに行かないと。「でも相方愛してる」が面白くなるなら、そっちに行かないと。
本音と正論と正解を言ってるんじゃないよ。


ラストはノブコブ吉村の「悩み相談→即解決」のエンディング。
これは、もしそれまでの収録が険悪になっても落とせるというスタッフの読みなのかな?
吉村はその前の若手芸人より一段上の立場でこの役目を仰せつかりましたが、オチの一言「クソみてぇな人生だな」が全然面白くない。
ダウンタウン、ナイナイ、ウンナン、ロンブーなど、今第一線で活躍している人たちはこういう「勝たなければいけない場面」では必ず結果を出してきました。最近では有吉、ブラマヨフット後藤など。
ここでこんなコメントしか出せない吉村は今後厳しいんじゃないかなあ。