やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「Switch」 サザンオールスターズ特集 感想

国宝と菩薩


サザン復活です。
早く桑田さんの声が聞きたくて、「Switch」買ってきました。
毎回、桑田さんの話は素晴らしい。大人なので見識も含蓄もありながら、まだモテたい・売れたいという「健全な欲」も持ち合わせている。一度でいいからお酒飲みながらたくさんお話伺いたい!


では、今回のインタビューからパンチラインをいくつかご紹介します。
まずは、なぜ再開を決意したかという部分。もちろん「35周年」という節目があったことがきっかけなのは間違いありませんが、それ以外にもこんな理由が。

還暦を過ぎても休止したまま、ファンの気持ちとか、世の中の流れとかけ離れて、鮮度が落ちたころに出ていくのは、ちょっとカッコ悪いじゃない?(笑)だから決して「ファンのため」だけじゃなくて、どうせなら一番良い時期に出て行ってカッコつけたいぞ!っていういつものスケベな性格が顔を出したんですよ(笑)。

まだカッコつけたい!そのスケベ根性、ステキです。
そして桑田さんがここ数年ずっと言い続けている「CDが売れなくなった時代」「音楽がカルチャーの中心でなくなった時代」に関するお話。

もちろんいい曲はあるし、一生懸命なバンドもいる。村ごとに熱いものはあるんだけど、全体的にどうかっていうとどこか掴みにくい。誰々の新曲というニュースにワクワクするムードもなくなってきたでしょ。

そこで桑田さんはどうするか。

そこで僕は、昔からのファンは本当に大切だけれど、そこだけを相手にしてやっていくつもりにはどうしてもなれない。やっぱり常に何らかの刺激のあるテーマやプランを投げ続けることで、新しいお客さんも呼び込みたいんです。僕が執念深いのかもしれないけど(笑)。

今いるファンだけでも十分すぎる数があるのに、まだ新しいお客を呼び込みたい。この執念深さ、ステキです。
さらにそのライバルは…。

例えばAKB48があそこまで売れるのは、アイドルだし、音楽以外の要素もあるからでしょう。だから彼女たちと僕らが同じ土俵で勝負するのは土台無理がある。でもね、やっぱり負けるのは悔しいんですよ(笑)。

そこと勝負しなくていいですよ!
そしてちょっと真面目な話。

分かりやすい世の中になり過ぎているから、昔のように歌詞を深読みするリスナーなんて期待しちゃいけない気がしてね。

「アイラブユー」という歌詞で話が済んだようなロマンティックな世界観やお祭り騒ぎばっかりではなく、僕らの世代と若い世代を繋げるテーマを考えなければと思います。それは僕自身のモチベーションでもあるし。もしかしたら、世の中の老若男女を刺激する機能や発信力が、音楽自体にもはや乏しいのかもしれない。でもそこは諦めちゃいけないと思う。

新曲について。

その気になれば「夏だ、サザンだ!」みたいな曲も書けたんだと思います。でもそういう常套手段や合い言葉みたいなものではなく、自分たちと現実社会の距離を測った曲で始めたいと思っていた。

なるほど。だからポップでありながら社会のことを歌った「ピースとハイライト」が生まれたのですね。
今回名曲だらけの4曲というシングルは、もはやミニアルバムのボリューム感。それについては

久々だったから怖くなってさ、多めのお中元みたいに盛っちゃったんですよ。

やっぱり過剰なサービス精神!


私は昔から桑田佳祐ビートたけしのようだ、と思っていました。才能ありまくりで、でもシャイ。それでいて律義で仁義を重んじる感じが。
それが、最近は明石家さんまもかぶって見えます。いくつになっても「売れたい・モテたい」という健全な欲。若手がテレビに出ても「俺の方がもっとオモロイ!」と同じ土俵で張り合うところなど。


最後に。
桑田佳祐はこの国の宝だと私は繰り返し言っているのですが、そのパートナーである原坊は、もはや菩薩ですね。

桑田の病気を境に、私にとっては家族やメンバーとしての桑田への想いに、皆さんから「お預かりしている」という想いがプラスされました。ですから、健康管理や音楽活動の上でも全力でサポートしたいと思っています。
私はずっと桑田の音楽の大ファンなんです。


SWITCH Vol.31 No.8 ◆ 完全独占特集 ◆ Southern All Stars 僕らのサザン、みんなのサザン

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SWITCH Vol.30 No.7 特集:桑田佳祐クロニクル

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SWITCH Vol.29 No.3(2011年3月号) 特集 桑田佳祐

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桑田佳祐2007-2008(SWITCH SPECIAL ISSUE)

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どれも素晴らしい内容なので、ぜひ。