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やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「里山資本主義」 藻谷浩介 感想

書籍

私は現在の世の中である「金融資本主義」が嫌いです。株で儲けること自体は否定しませんが、その影響(儲けるにしろ損するにしろ)がその内部だけであれば何も問題ないのに、マイナスの影響だけは私たちにすぐ降りかかってくる。儲かったときの影響はほとんどないのに。
アメリカで株が大暴落したって日本の地方のサラリーマンは関係ないのに、巻き込まれてしまう。何でだよ、お前らだけでやってろよ。
企業の決算報告では「円高・円安の影響」により赤字になったり黒字になったりします。商品をどれだけ売っても、為替相場で全てが決まっちゃう経済って何?それはもう真っ当な経済活動ではなく、ギャンブルの範疇では。


と文句ばかり言っていても、政治家でもない私がこの社会体制を覆すことなどできないので、じゃあこの社会の中でいかに生きるか、を考えて行動するしかありません。その考えの一助になるのが本書です。
本書は、「里山資本主義」というだけあって、資本主義を否定しているわけではありません。現在の資本主義の「バックアップ」として、この里山資本主義という考え方を導入しましょう、というのが本書の趣旨です。
全てがカネで買える、もしくは全てがカネでなくては買えない現在の社会では、何か一つ社会のシステムが狂ってしまうとすぐに機能不全に陥ってしまいます。その最たるものが東日本大震災です。


具体例としてバイオマス発電、ペレットストーブなどが紹介されています。これはあくまで一例であり、地産池消を進めることにより、見た目のGDPは少なくなるかもしれませんが、地域内でお金が回ることにより地域経済が活性化する、ということが肝です。
確かに大企業から調達した方が安いかもしれませんが、それでは地域から外へお金が出て行ってしまいます。そして大企業へ流れたお金はその従業員よりも株主へ還流されてしまうのです。
であれば、価格は高いけれど地域内でお金を回した方が、地域内での経済は潤うのです。自分が払うお金だけで考えない。そのお金がどこへ行き、どう回るのか。トータルで考えよう。
本書では支援金ならぬ「志援金」という言葉が使われています。ちょっと高い分は「志援金」が含まれていると考えればいいでしょう。


本書では「マネー資本主義」に対するバックアップとして自分でエネルギーを作り出したり地域で物々交換が行われたり地産池消が進められたりしていますが、都会に住んでいる人はもちろん、地方に住んでいる人でさえこういう生活を送ることは難しいでしょう。
私もマネー資本主義は嫌いですが、アウトドアは苦手だしや土にまみれた生活を送りたいわけではありません。
それでも、地元のお店で買い物をする、家の修理も地元の工務店に頼むなど、なるたけ地元にお金が落ちるように生活をしていくだけで里山資本主義の一端を担うことができるのではないでしょうか。


安いところでしかモノを買わなくなると、自分が作った商品も安くなければ買ってもらえない。
ほとんどの人が消費者であり、同時に生産者なのです。最安値やコスパばかり気にしているのは、回りまわって自分の首を絞めるチキンレースに参加していることと同じです。
安く買い叩いたり地域の生産者を無視したりすると、その地域の生産者が消費者となったときにあなたの商品を買ってくれなくなります。


エネルギー政策や経済システムの転換は、国にしかできませんし、すぐにはできません。だからこそ、地域が小さい規模で始めるしかないのです。地域なら、小さい規模ならできます。
そして、冒頭で「政治家でもない私がこの社会体制を覆すことなどできない」と書きましたが、現在の社会体制は政治家でも動かすことができないでしょう。経済は世界中を繋いでいて、一国だけでどうこうできません。そして帝国化した多国籍企業(今は「無国籍企業」の方が実態を表しているかも)は、首相や大統領よりも大きな力を持っているのからです。
もう一度書きます。だからこそ、地域の私たちひとりひとりが小さい規模からバックアップや地産池消を進めましょう。


里山資本主義  日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

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