やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

祭りはフェスだった

3月3日、南魚沼市で行われた「裸押合大祭」に行ってきました。もうだいぶ前の出来事ですが、記憶の備忘録として、写真だけ置かせてください。
裸押合い祭り
裸押合い祭り実行委員会
裸押合大祭
お祭りの歴史や詳しい内容はよく分かりませんが、熱は感じた!


裸押合い祭は、日本の3大奇祭のひとつということですが、調べたら3大奇祭ってたくさんあるのね。
日本三大奇祭


昼過ぎに会場に着くと、ちょうどこれから青年団の練り歩きが始まるところでした。みこしなどを担いで歩くのは普通の祭りと同じですが、この祭りは、青年団がみな褌一丁で巨大なロウソクを担いで歩くのです。寒くないの?雪国の3月だよ!
さらに、そのロウソクはもちろん火が点いているので、団員の方はロウまみれ。熱くないの?そして、集団が去った後は道路にロウが点々と残っています。これ、この後掃除するのかな?
これが奇祭か!
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途中、祭りの会場から少し外れたところを歩いていたら何人かが集まっていたので覗いてみると、男の人が寝ていました。どうもお酒を飲み過ぎて寝てしまったようです。急性アルコール中毒か?周りの人に聞いたら既に救急車は手配済みとのこと。
救急車を待っていたら、目の前に家からおじさんが出てきました。「あら、飲み過ぎか?こんな昼間っから」と言いながら男性に近づいてきたら「おい、これ、うちの息子だ!」
何ということでしょう(ビフォーアフターの声で)。男性は我が家の直前で力尽きていたのです。おじさんは慌てて救急車をキャンセルし、男性を家の中まで運んでいきました。
これぞ祭り!という感じですな。一歩間違えれば危ないけど。


本堂の方では時間ごとにお餅撒きを行っているというので、行ってみました。
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既にすごい人出。しかし地元の人に聞くと、今年は祭りが平日なのでこれでも半分近い賑わいだとのこと。えー、これで少ないの?去年はどんな混雑ぶりだったのか!
屋根の上には青年団の副団長がいて、拡声器でこの祭りを迎えることができた苦労と感謝を語り、同じく屋根の上にいる団体の紹介をします。この団体というのはよく分からないのですが、全国にいるこの祭りのファンの集まり?県人会みたいなものなのかな?副団長に紹介され、大きく叫んだりして盛り上げてくれました。
さて、いよいよ餅撒きスタート。副団長の「撒っくぞー!撒っくぞー!」という掛け声に対し、私たちも「撒っけよー!撒っけよー!」と応えます。「撒っくぞー!撒っくぞー!」「撒っけよー!撒っけよー!」の応酬を何度か繰り返した後、屋根の上の団体から餅が振る舞われました。楽しく拾おうと思っていたのですが、みんなマジだな!餅くらいでこんなに必死になるのかよ!後で聞いたら撒いている中には「木札」も交じっていて、それを拾うと盃などの記念品と交換できるそうです。みんなはそれが目当てだったのか。私はそんなこと全然知らなかったので、餅しか拾えませんでした。


ああ、もみくちゃになってしまった。団員の持つプラカードの指示に従い、場外へ。ロープを持つ団員もいて、整然と人を流すようにルールが出来ているのですね。
あれ、これって、何かに似てないか?


音楽フェスに似ているのです。
思い返せば、屋根の上の人たちは舞台に上がるミュージシャン。それを見ている私たちはオーディエンス。ボーカルの副団長がMCで煽り、それに応える私たちとコール&レスポンスを繰り返し、いよいよ演奏(餅撒き)開始。オーディエンスはモッシュでさらなる熱狂の渦に身を投じる。
帰りは混乱が起きないようにロープやプラカードで人の流れを作る。
これって、フェスじゃないか。


そもそも「フェス=祭り」なので、イコールで間違いないのですが、それを身をもって体験しました。
以前書いたこのエントリを思い出した。→そして夏フェスは祭りになった - やりやすいことから少しずつ]
これと逆のことなのか、円環構造でつながっているのか。


さて、夜になり、この祭りのメインイベント「水行」と「押合」です。
この真冬に冷たい水に入り、その後押し合うのです。奇祭だな!
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再びロウソクを持って本堂へ向かう男たち。


本堂は昼よりさらに混雑しています。寒さをこらえながら待っていると、褌の男どもが来たー!そして水に飛び込んだー!何やら呪文を唱え、数秒間水の中で頑張る!そして水から出るとお堂の中で押しくらまんじゅうが始まります。
「サンヨー!サンヨー!」という掛け声とともに男どもはもみくちゃに押し合います。寒いどころか、会場内は男どもの熱で湯気が上がっていました。地元の人に聞くと、この押合いは激しいので、きちんと水に入って濡らせておかないと擦れてケガをすることがあるそうです。なので、ちゃんと水には入れとのこと。
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私ももみくちゃだったので、ろくな写真が撮れませんでした。


私は全く体育会系ではないのですが、でもやはりこういうのに憧れる部分はありますね。でも実際この押合いの中に入るかと問われればためらっちゃう。もみくちゃで潰されそう。
これもモッシュだと思えばできないことはないのかもとも思いますが、私はモッシュも怖いので近寄りたくないんだった。


改めて、祭りはフェスなんだな。音楽は目的ではなく盛り上がるためのツールということもあるんだな。だってフェスは祭りなんだから。ということを思ったお祭りでした。