やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「インターステラー」 感想

2014年、SF映画更新


クリストファー・ノーラン監督、好きなんです。なので、彼の最新作が出来たと聞けば見に行かないわけにはいかないでしょう。
公式HP↓

映画『インターステラー』オフィシャルサイト


しかし、テレビなどで流れる予告を見ると、何だか親子の愛を全面に押しています。あれ、SFじゃないの?ノーラン監督だから哲学的に語ったりするんじゃないの?と思っていましたが、SFであり家族愛でもある作品でした!


以下、ネタバレあります。
細かいストーリーやネタバレなどはこちらを読んでください。↓

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町山智浩 クリストファー・ノーラン『インターステラー』を語る

本作は、ある程度のSFや宇宙の知識があった方がより楽しめます。特に相対性理論で「光の速度に近づくほど時間の進み方は遅くなる」「強い重力の場所は時間の進み方が遅くなる」ということを知っていないと、物語の内容がちんぷんかんぷんになってしまうと思います。
私はそんなに詳しくないですがこういうの好きなので、「そうそう!」などと思いながら見ていました。


物語は、なかなか宇宙の話になりません。前半の本の落ち方や砂の積もり方に法則があり、それをもとにNASAにたどり着く部分は、何でこんなオカルトっぽい筋運びするんだと思いながら見ていたのですが、これは全て後半につながっていたのです!さすがノーラン、疑ってごめん!


最初の星で時間を使ってしまったため、地球時間で23年も経ってしまいました。そこで23年分のビデオレターを見るところは、子を持つ親だったらみんな号泣のシーンですよね。私は子どもいないけど。


後半、ブラックホールの外観からその内部、そして五次元の世界などを表現した映像に感動しました!五次元を視覚化すると、確かにこんな感じかも!
本作はキップ・ソーンという人が制作に関わっているのですが、彼は宇宙物理学者なのです。なので、宇宙やSFについての描写がリアルだし説得力があります。
SF映画って、私たちの理解を超えた部分を描く(他の惑星や宇宙人など)ものなので、途中から「君がそう思うんならそうなんだろうな」とちょっと醒めてしまうことがあるのですが、本作は理論的な裏付けがあるので、荒唐無稽に見える部分でも納得しながら見ることが出来ました。


ラスト、年老いた娘に再会するも「親より先に死ぬのを看取られたくない」「あなたは行くところがある」と娘に言われ、新たな旅に出ていくクーパー。
これ、見たときは感動のシーンだと思っていたのですが、後から思い出すと「娘のためにここまでしたのに最期までいさせてもらえないの?パパかわいそう!」とも思ってしまいました。
あと、娘が父の力も借りつつ大発見をするのですが、そんな天才である描写がなかったのが残念でした。小さなころから天才という評判(先生に言わせればいい)だったり息子のビデオレターで「妹は首席で卒業したよ」などの一言があればよかったのに。


と少々の小言はありますが、トータルではめちゃめちゃいい映画でした!
SF映画という超マクロな部分と親子愛という超ミクロな部分が両方描かれており、ラストではそれが交わるという着地。
荒唐無稽になりがちなSF描写を徹底的にリアルに描くことで説得力を持たせる脚本と映像。
前半のオカルトっぽい、ご都合主義に見える部分が後半で全て理由づけされていく伏線回収の巧さ。
3時間近いというのは確かに長いですが、ノーラン監督でなければこれだけのボリュームとハードSF作品をこの時間でエンタメとしてまとめることはできなかったでしょう。
いやー、さすがノーランやで。


他の人の感想にもあるように、本作は「2001年宇宙の旅」「コンタクト」「フィールドオブドリームス」などを思い出します。
オススメです!宇多丸さんの批評も聴きたい!


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インセプション」も見たのに何で書かなかったのかな。



映画『インターステラー』最新予告編 - YouTube

映画『インターステラー』スペシャル映像【HD】2014年11月22日公開 - YouTube
↑これでノーラン監督の「リアルへのこだわり」の一端が見れます。