やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「いつ出会うか」が大きい。音楽との出会いの話。

「その時」出会ったものがその人にとっての名盤


音楽の好みって、親や兄弟や友達の影響が大きいと思いますが、それも「いつ」出会ったかがとても大きいと思います。
セカオワは「中二病バンド」と揶揄されたりファンキー加藤は「表現が稚拙」と批判されたりしています。実際、私もそう思うので積極的に聴くことはないのですが、もし彼らに出会ったのが中学生の頃だったらドはまりしていたかもしれません。
同じように、今尾崎豊が出てきても、この歳になって校舎の窓を割ったり盗んだバイクで走り出したり支配から卒業したがったりする歌を聴いていいとは思わないと思います。しかし、当時はファンクラブに入ったり死亡記事の新聞を部屋に貼ったりするイタい奴でした。
いつ出会うかは、本当に大きい。
※ただ、セカオワファンキー加藤は歌が下手なので聴けない、という部分もあります。彼らの歌が上手かったら私の印象も違っていたかもしれません。


いつ出会うかは、本当に大きい。
レキシを中学生の頃に聴いたらいいと思ったかな?ドラゴンアッシュの最新作を中学生の頃に聴いたら好きになっていたかな?
今中学生だったらボカロの曲も聴いていたのかな。アイドルのどれかにはまっていたのかな。


同じように、アーティストの自分にとっての「名盤」も、いつ出会ったかが大きいと思います。
例えばプリンスだったら、「サイン・オブ・ザ・タイムズ」や「LOVESEXY」などが世間の評価だと思うのですが、私は「ゴールド・エクスペリエンス」です。
エアロスミスだったら世間は「ロックス」かもしれませんが、私は「ゲット・ア・グリップ」です。ボンジョヴィは「ニュージャージー」より「キープ・ザ・フェイス」です。レッチリは「ブラッドシュガー~」より「母乳」です。
日本のアーティストでも、山下達郎は「アルチザン」だし、佐野元春は「Sweet16」だし、長渕剛は「昭和」だし、浜田省吾は「その永遠の1秒に」だし、真心ブラザーズは「KING OF ROCK」だし、GAKU-MCは「word music」です。岡村靖幸はもちろん「家庭教師」です。
そのアーティストを知った直後に出る新譜にグッとくる傾向があります。


もちろん例外もあります。
サザンオールスターズはリアルタイムでの新譜は「サザンオールスターズ」ですが、それよりも「Young Love」の方が好きでした。そして「キラーストリート」でまた更新しました。最新作が最高傑作なんて最高じゃないか。
同じくRHYMESTERは「ウワサの真相」が出会いでしたが、「ダーティーサイエンス」が一番好き。


ミスチルはずっと高い位置にいるので、一番を決めるのは難しい。「深海」「BOLERO」はもちろん素晴らしいし、「シフクノオト」「SUPERMARKET FANTASY」も好き。「Q」「『[(an imitation) blood orange]」はあまり好きじゃない。
シングルだと「口笛」から「Any」くらいの期間はそんなに好きじゃないのですが、若い子と話をするとこの辺をフェイバリットに挙げる人も多くて、この辺が「出会いの時期の差」なのかな、と思います。


デビューの頃から知っているアーティストだともうちょっとフラットに見れるのですが。
スガシカオはデビュー作「clover」の衝撃が大きく、これと2作目の「FAMILY」がずっと1位だったのですが、「PARADE」で最高位を更新しました。
椎名林檎はやっぱり1stを超えるものはなく。
ドラゴンアッシュは「BUZZ SONGS」が出会いでしたが、「ビバラ~」と「リリイ~」がやっぱり1位。最新作「THE FACES」は評論家視点でいえば1位なのですが、それでも青春の思い出ということでこの2枚が最高位から外れることはありません。
RADWIMPSはメジャーデビューの3枚目からですが、もうずっと素晴らしい。ずっと毎回最高位更新。何だこいつら。


いつ出会うかは、本当に大きい。
私はもうおっさんなので、新しい音楽に熱を持って接することがなかなか難しくなってきました。それでも「新しいものをいいと思える感性を持ち続けよう」と思っています。こんなことをわざわざ思っているのが若くない証拠ですが。
それでも、その音楽に「いつ」出会うのかは本当に重要で、上記のような私からすると「青くて稚拙」に思える音楽が中学生には切実に響くこともたくさんあるでしょう。
うらやましい。
大人になってからでもひどい失恋や大事な人との別れなど、人生において大きな出来事のタイミングで新しい音楽に出会うこともあるでしょうが、私のような音楽とその時の記憶をリンクさせない人間にはなかなか難しいかもしれません。


(脱線)
「この曲を聴くと高校生の頃に戻れる」「あの時代を思い出す」ということを言う人は多いのですが、私はほとんどありません。だって、お気に入りの曲はその時から今までずっと聴いているので、その時の記憶とリンクすることがないのです。


自分の好みではない曲に文句を言うのは簡単ですが、それはたまたま出会った時期がずれていただけ、という可能性もあります。なので、あまり悪口は言わないようにしましょう。音楽だけでなく、何でも。



岡村靖幸「彼氏になって優しくなって(YouTube Version)」 - YouTube
岡村ちゃんは「家庭教師」が最高だけど、でも今現在が最高でもある。ということで、今年出るであろう(希望)新譜は「家庭教師」を超えるかもしれない。楽しみ!