「右肩上がりの人生なんてそう続きゃしないさ」by Mummy-D
ミスチルの新曲「足音~Be Strong」と、プリンスの新譜「ART OFFICIAL AGE」を聴きました。どちらも素晴らしい。でも、いろいろ考えてしまったので、書く。
ミスチル「足音~Be Strong」はもちろん名曲なんですが、あまりに「ザ・ミスチル」な感じがしました。ミスチルがミスチルの曲をやっている感じ。イントロは「終わりなき旅」っぽいな。
この曲は小林武史さんが参加していないんです。そして歌詞を読むと小林さんからの呪縛から解き放たれたい気持ちも歌っているように聞こえます。桜井さんはそんなことは公には言っていませんが。
私個人としてはこの歌詞がどういう意味なのかは分からないし、気にしていません。小林さんがいないから曲のクオリティが下がっているとも思いません。そこまで気づけません。
ただ、この曲は「ミスチルの歴史を更新する名曲!」だとは思いません。いい曲なのは認めますが。
何これ。いい曲なのに、「うん、まあまあいいね」という私の評価。どんだけ偉そうなんだ。でも、そう思ったんだからしょうがない。
雑誌MUSICAのインタビューを読んだら、スタッフからも「新鮮味がない」と言われたそうです。そう言われた桜井さん「新人のバンドがこの完成度で出したらすごいことだと思うんです。でも、ここまで大きくなったMr.Childrenだとインパクトがないっていう」。
大御所は、スターは、4番打者は大変だ。
いくらミスチルとはいえ、毎回ホームランは打てないですよ。今作だってヒットどころか2塁打は打っているでしょう。表題曲以外の2曲も名曲でした。
なのに。
毎回ホームランは無理です。でも、強打者なんだから、何回か打たせたらそのうちホームラン打ちます。その辺の「たまたま振ったらホームラン」の人たちとは違います。こんな人たちはなかなか次のホームランは打てません。才能があって、知識や理解力があって、さらに努力もする。そんな人たちだけがホームランを量産することができるのです。
そしてプリンス。こちらも名盤でした。
でも、プリンスは毎回当たり前のように名盤なので、驚きが少ないんです。「90点くらいかな」と事前に予想をして、90点。
何だか申し訳ない。だって、90点ですよ!名盤じゃないですか!なのに、「うん、予想通りだな」なんて思ってしまう。ホームラン打って、「うん、予想通り」と思うようなもんですよ。
60点予想のアーティストが80点だと驚くのに。90点の方が素晴らしいに決まっているのに。
人間は慣れる生きもの。
慣れは怖い。プリンスは90点を出して当然だと思っているんだもの。
(まあ、確かに最近のアルバムはイマイチが多かったけど)
特にプリンスは空白期がないから、「飢え」がない。どんどん新曲が届けられて、「うん、今回もいいね」「今回はイマイチだな」なんて言えちゃう。なんて贅沢。
(まあ、確かに「カオスアンド~」「レイヴ~」「3121」「プラネットアース」あたりはイマイチだったけど)
これだけ多作なんだもの。たまには凡打することもありますよ。
でも、アベレージは高いし、打つときは特大ホームラン。これでいいじゃない。白鵬が強すぎてつまんないだって。贅沢な意見!
(まあ、確かに日本人力士を始めとして周りにはもっと頑張ってほしいけど)
というわけで、才能ある人、実績のある人には更なる期待をしてしまうのです。90点の予想が80点でも「イマイチ」なんて言われちゃうのです。
でも私たちは知っている。またすぐにホームランを打ってくれることを。
「足音 〜 Be Strong」 Music Video - YouTube
Prince - FUNKNROLL [Official Audio] - YouTube
こんな名曲に対して満足しない私。貪欲も度が過ぎる。
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