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舞台「ベター・ハーフ」 感想

舞台は素晴らしい


鴻上尚史さん作の舞台「ベター・ハーフ」を見てきました。 
公式HP↓
http://betterhalf.thirdstage.com/


鴻上さんの舞台は数年前に「僕たちの好きだった革命」を見た以来です。あの時は会場ロビーに鴻上さんが普通にぶらぶら歩いていて握手してもらった思い出があります。
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会場はよみうり大手町ホール。
入り口に向かうと、何とまた鴻上さんがいた!ヘタレな私は声かけられないので会釈だけして入場。
今回、私のチケットは2列目という神番!ちょっと端っこ寄りだけどこの近さは神の領域。先日の「いやおうなしに」でも2列目だったので、私は舞台に愛されるおっさんなんだな。


内容はねえ、素晴らしかったのです。細かい分析や批評はできませんが、素晴らしかったのです。
舞台は素晴らしい。役者が演技するという点では映画やドラマと同じですが、舞台ならではの表現方法や演出など、別ものとして素晴らしい点がたくさんあります。
今回の舞台は、ジグソーパズルの背景と、イスや机に見立てたブロックだけ。これで喫茶店にもレストランにもビルの屋上にも部屋のリビングにも空港にもなるのです。落語のよう。
また、同時に別のシーン・別の時間も表現できます。編集もCGも使えないのに、何でもできるのです。


今回の舞台は4人の役者だけ。そして上記のようにセットはシンプル。セリフと演技しか武器はないんですよ。
風間俊介
「歌も踊りもできないジャニーズ」として有名ですが、私はテレビドラマを見ないので役者としての彼を知りません。サブカル好き男子としての認識です。
素晴らしかった。仕事熱心なイケメン役ですが、嫌味のあるほどのイケメンでなく、ちょうどいいイケメン。暗がりでセリフのないときでもきちんと顔は演技をしていました。ふふふ、2列目の特権だぜ。
片桐仁さん
ラーメンズのモジャモジャの人」です。もちろん素晴らしく、面白かったです。コメディができる人は素晴らしい。間が分かっているから。
モテないおじさん役ということで私とかぶりますが、あれだけ明るくて積極的だったら彼女いてもおかしくないけどな。
真野絵里菜さん
ハロプロの人ですが、私アイドル疎いので名前以外は知りません。アイドルなので、もちろんかわいい。そして、細い!細すぎる!
デリヘル嬢ということで下ネタワードをいくつも言います。フェラチオとか咥えるとか素股とか。これ、稽古中はどんなんだったんだろう。「もっとフェラチオに情感込めて!」とか指導があったのかな。鴻上さん、セクハラです(決めつけ)。
中村中さん
中村中さんのことは、名前は知っていますが曲は聴いたことがありません。
この舞台は、中村さんがいなかったら成立しませんでした。トランスジェンダーでピアノが弾けて歌も歌える。これは中村さんしかいません。
演技も素晴らしかったです。控えめで臆病なスタートから、女に「戻る」葛藤、愛に飲み込まれる様まで。コメディ演技もできるので、今後役者業もどんどんやってほしいです。


この舞台は音楽も重要です。
森田童子「たとえばぼくが死んだら」、中島みゆき「誕生」、中村中「愛されたい」、橘いずみ「愛してる」、「サントワマミー」など。どれも歌詞・メロディが沁みます。
たとえば僕が死んだら - YouTube

誕生 中島 みゆき - YouTube

愛してる 橘いずみ - YouTube
(中村さんの曲を見つけることができなかった!)
特に橘いずみさんの曲が沁みた!私は女性ボーカルはほとんど聴かないのですが、彼女は好き。「サルのうた」なども好き。
これも、中村さんの歌唱力が説得力を生み出しています。曲を聴いて涙ぐむなんて、私のキャラじゃない!じんわり。


カーテンコールは4回も出てきてくれました。こんなに万雷の拍手と笑顔で迎えられたら、役者冥利に尽きますよね。「役者と乞食は3日やったらやめられない」は真理だと思います!


帰り際、ロビーにまた鴻上さんがいらっしゃいました!
「とてもよかったです」とだけ伝え、握手してもらいました。私のアホ、もっと言うことあっただろ!SPA!読んでいますとか「ドンキホーテのピアス」「空気と世間」買いましたとか、いろいろあるだろ!土壇場に弱い私。


ベター・ハーフ

ベター・ハーフ

「空気」と「世間」 (講談社現代新書)

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