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やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

サザンオールスターズ ライブツアー2015「おいしい葡萄の旅」東京ドーム 感想(その2)

ライブ 桑田佳祐/サザンオールスターズ 音楽

実るほど、頭(こうべ)を垂れる桑田かな


前回、ライブの流れを書きましたので、今回は全体の感想などを書きます。
思いが溢れてしまい、4,000字を超えるボリュームとなっておりますのでご了承ください。
前回のお話↓ese.hatenablog.com


前提
いい曲がたくさんあるとか新曲もいい曲揃いとか、その辺は前提過ぎるので省きます。
セトリは攻めていて個人的には楽しかったのですが、「Tarako」「おいしいね~傑作物語」とか、知っている人はどれだけいるんだろう。ファンは熱いから知っているのかな。


ライブ全体について
上記にも書きましたが、セトリは攻めていました。本当にレアな曲をやって、「勝手にシンドバッド」「いとしのエリー」「希望の轍」などはやらない。まあ、サザンのセトリは名曲だけに絞っても100曲以上あるから、こういう話は意味がないのですが。
あと感じたのが、演出がシンプルになっていました。前回私が見た2013年のツアーのときは「屋号返還の儀」や「マンピー」の際の男女の御神体が出てくる演出は、つまんなかったです。「マンピー」他エロスがどぎつい(直接的過ぎる)と感じる場面もいくつかありました。
それが今回すっきりとしていてとても良かったです。その分曲数も増えたしね。
NEWアルバム「葡萄」からはほとんどの曲を演奏してくれたのですが、「天国オンザビーチ」だけは漏れていました。年末のライブではやっていまして、今回のアルバムの特典DVDにライブ映像が入っていたのですが、やはりちょいお下品。その辺も考えて切ったのかな。英断ありがとうございます。


アリーナやスタジアムでライブをやるということ
ライブは、客席の数によってライブの形が違います。ライブハウス、ホール、そしてアリーナ・スタジアム。
これらは、客数の違いだけでなく、ライブのあり方・見せ方も変わってきます。
ライブハウスや中規模のホールであれば、演者の動きや表情なども客席から見えます。また、ステージと客席の距離も近いしステージの幅も狭いので、演者とお客で直接的なコミュニケーションを取ることができます。
だから演者から客席に向かって指を指したりウインクしたり投げキッスしたりすることが有効に作用します。
しかし、アリーナクラスになるとこういうことはなかなか難しい。数千人~数万人の規模になると、目の前の10人に向かってパフォーマンスをしている場合ではないし、細かな動きや表情は後ろからは見えません。当然カメラとスクリーンありきのパフォーマンスになります。
また、音響のレベルも変わります。広い会場は、当然音のタイムラグがあります。イヤモニなしでは手拍子のタイムずれなどは耐えられない状況だと思います。ということは、コール&レスポンスもなかなか成立しないのです。
というように、アリーナ以上の規模になるとライブのやり方が変わってきます。お客との距離感(物理的にも心理的にも)が変わるので、ライブのやり方も変えざるを得ないのです。


と長い前フリの後でサザンの話。
私は普段ドームのような大バコに行くことがないので、余計こういうことを考えてしまいました。
桑田さんは目の前のお客よりもカメラに向かってポーズ・アクション・変顔をしてくれます。そのおかげで、ステージ上の実物は米粒にしか見えない私にも、モニターを通して楽しく・面白く・カッコよく桑田さんを見ることができるのです。
桑田さんはコール&レスポンスをほとんどやりません。お客に歌わせることもほとんどしません。これも、アリーナクラスの会場だとタイムラグの問題でやりにくいはずです。(あくまで私の想像)
これがドームでのライブのやり方なんですね。


お客のために(モニターに歌詞)
サザンと桑田ソロのライブは、しばらく前から歌詞がモニターに出るようになりました。このおかげで一緒に歌うことができます。いや、実際には周りの迷惑になるので声に出して歌うことはしませんが、歌詞のおかげで曲が分かりやすくなります。
知っている曲でも「ああ、こういう歌詞・意味だったか」と気づかされるし、知らない曲でも歌詞があるおかげで曲の世界に入りやすくなります。
お客さんのことを考えているなあ。


お客のために(CDどおり)
サザンも桑田ソロも、ライブならではのアレンジをすることはほとんどありません。また、1コーラスだけとかメドレーとかもほとんどやりません。きちんとCD通りのアレンジのまま、フルコーラスを歌ってくれます。
歌唱やメロディも、CD通りです。ライブならではの歌い方や、時代を経るごとにねちっこくなったりもしません。
これらは、全てお客がそれを望んでいるからそうしているのだと私は思っています。
CDと違う歌い方は、そっちの方がカッコいい場合もありますが、歌う本人の飽きだったり声が出ないからそうやってごまかす場合もあります。でも、私たちは「CDのあのメロディ、あの歌唱」が聴きたいのです。特にサザンのファンは年齢層が高いので、保守的な考え方をしている人が多いはず。
なので、頑なに「あの時のまま」を演奏し、歌っているのではないでしょうか。
繰り返しますが、アップデートしたアレンジももちろんカッコいい場合が多くあります。私の大好きな岡村靖幸だって、常にアップデートしていて、歌が始まるまで何の曲が始まったのか分からない場合が多々あります。そして、「おお、この曲だったのか!」というカタルシスにつながるのです。
どっちもいいのですが、サザンの場合は「あの時のまま」が正解なので、これを貫いているのでしょう。
(あくまで私の勝手な推測です)


お客のために(過剰なボリューム)
サザンも桑田ソロも、ライブの時間が長いのです。今回の東京ドーム公演も、3時間半で36曲も演奏してくれました。
長い!多い!ありがたい!
もちろん、長く多くやっていただけるのはありがたいわけですが、やる側としては短い方が楽ちんなわけです。
サザンクラスになれば、2時間20曲でみんな満足して帰るでしょう。短いな、と思っても「でも歌も演奏も良かったな」「桑田さんもいい歳だしな」で納得してくれると思うのです。なのに、何なのこのボリューム。
しかも、ライブ中は桑田さんは出ずっぱりなのです。ギターを弾いたりお客を煽りながら歌うだけでも大変です。それだけで十分です。それだけだって大変なので、途中休んでほしいものです。たまにバンド演奏だけで間を持たせてちょっと袖で休んでもいいんですよ。ダンサーの演劇やダンスで時間使ってもいいんですよ。
なのに、ずっと出ずっぱりで弾いて歌って煽ってしゃべる。原坊がメインで歌う時ですら指揮者役で舞台上に残り、コーラスもやる。
前回のエントリにも書きましたが、クライマックスの怒涛のノンストップは見ているこちらが興奮して死にそう(比喩表現)なのに、59歳のあの人は何なんだ。
そして大手を振って休めるアンコール待ちの時間ですらすぐに出てきちゃう。もっと休んでいていいんですよ!
やり過ぎ、元気過ぎ、頑張り過ぎ、ありがた過ぎ。
今これ書いていて思い出したんですけど、桑田さんって、数年前にふとした病を患っているんですよ。本当にライブ中はそんなこと忘れてた!
桑田さん、あなたはナニモノなんですか。超人か。


お客のために(エゴゼロ)
このように、桑田さんは「お客のために」で全てのことをやっているように思うのです。自分のエゴややりたいことややりたくないことは一切なし。どうやったらお客さんが喜んでくれるかな、楽しんでくれるかな、ということだけでライブが作られている感じがしました。
また、MCや曲終わりで、何度も「ありがとう」と言ってくれるのですが、それはこっちのセリフですよ。こんないい曲をこんなに多くこんなに素晴らしい演奏と歌唱力で歌ってくれるのに、何でありがとうなんだ。5万人からお返しのありがとうを送りたいです。
やっぱり、偉い人ほど謙虚なんですよね。先日雑誌「SPA!」で千原ジュニア桂文枝さんと西川きよしさんについて同じようなことを書いていました。売れている人ほど謙虚で、貪欲。
貪欲だからこそもっと楽しませたい、と思ってより過剰になる。その結果自分が辛くなっても、お客さんにとってプラスになることを選択してしまう。


これらは、桑田さんがすごいのはもちろんですが、原さん、松田さん、関口さん、毛ガニさんのバンドメンバーの他サポートメンバーやダンサーの皆さんも同じく、プロとしてこの素晴らしいエンタテイメントを作り上げているのです。本当に頭が下がります。本当にありがとうございます。


桑田ソロは
サザンはもちろん素晴らしいのですが、サザンの活動をしている間は桑田佳祐のソロの曲は聴けないわけで、それは痛し痒しですな。贅沢な悩み。
何とか現代の科学を結集してクローンを作ってくれないものか。


結論
桑田さんは、マザー・テレサとかマハトマ・ガンジーとかダライラマに近い存在だな。


最後に、こんな長い私の想いを140字に凝縮した名文をご紹介します。


このツイート、大げさで過剰な文言に見えますが、マジなんですよ!無敵で、現役で、伝説!