やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

ライブ中の撮影について思うこと

今は過渡期なのかもしれない


ライブ中にスマホなどでお客がステージを撮影する。現在の日本では、たまの例外を除いて原則禁止です。
私も、撮影している人を見ると「チッ」と思ってしまいます。なぜそう思うのでしょうか?

①「禁止」となっているから
②邪魔だから
③今までにない行為だから

これらが主な理由です。しかし、本当にこれらの理由には正当な根拠があるのでしょうか。


■理由①「禁止」となっているから
主催者が「禁止」としているんだから、禁止なのです。ルールに従わない人は帰れ、と。
欧米では、禁止しているコンサート・ミュージシャンの方が少ないです。確かに海外のライブ映像を見るとみんなスマホを掲げています。
禁止しているから不快に思う。禁止でなければそうは思わないのかな?


■理由②邪魔だから
スマホを掲げられると、視界が遮られるので見えにくくなります。私はお前の腕を見に来たんじゃねえよ。
しかし、ライブ中に腕を上げることは当たり前の行為です。ということは、視界を遮られることよりも、そこにスマホが付随していることに対して不快に思っているのでしょうか。


■理由③今までにない行為だから
今まで、ライブ中にスマホを掲げるなんてことは誰もしていなかった。今はやる人が少し出てきたけど、まだまれな行為です。
単に、今までなかった行為だから不快なのか?
ちょっと前まで飲食店で出された料理を撮影することに対して是非の声がありましたが、今はそういう声を聞かなくなりました。
これは、今まで撮っていなかった人も自分が撮ったら楽しいので言わなくなった、慣れて気にならなくなったの二つが理由としてあると思っています。
慣れと、自分がその側に行くかどうか。
ということは、今後この行為が一般化していくにつれ、慣れていくし自分もやるかもしれない。そうなれば、違和感や不快感もなくなっていくのかもしれません。


主催者側が撮影禁止にしているのは、ミュージシャン側の各種権利を守るためです。しかし、Youtubeやi-Tunesの一般化を見れば分かるように、現代は権利をガチガチに守るよりシェアして広げることが本流です。フリーで広げてその後収益を確保するというフリーミアムの考え方です。
音源はフリー、その後ライブに来てもらうための餌。ライブに来てもらったお客さんにはグッズも買ってもらう。握手会などの直接的な交流により、複製不可能な体験にお金を払ってもらう。


であれば、撮影自体も解禁になっていくのが避けられない流れだと思っています。素人のスマホ撮影でお金を取れるほどのクオリティはなかなか作れないでしょうから、Youtubeなどでの宣伝にはなってもDVD等の映像作品の脅威にはなりにくいのではないでしょうか。宣伝効果と売上減少の天秤は各自が考える必要がありますが。


今は過渡期なんじゃないでしょうか。電車の中でスマホを見ることもいろいろなものを撮影することも当たり前になってきていて、撮影に関してはまだそれが当たり前と思われていないだけ。
上に書いたYoutubeなどへのアップロードやヘアヌードと同じように「建前NG、実質OK」になっていくのかな。黙認しているだけで、やりすぎると取り締まるぞ、というスタンス。そのうち「個人として撮影・SNS等へのアップロードはOKですが、過度の改変等は禁止します」くらいのルールになるのかな。
ただし、現状主催者側が「撮影禁止」としているのであれば、「みんながやっているから」は理由になりません。
Twitterなどで本屋の雑誌等を撮影している投稿も見ますが、これだって書店の許可は得ていないでしょうから、もやもやしちゃう。
ライブ中の撮影については、私個人としては「あの人、撮影している。いいのかな」ともやもやしながらその人を見ることになりライブに集中できなくなるのでやめてくれ、というスタンスです。


社会は変わっていく。そうなればルールや慣習やマナーも変わっていく。技術の進歩が変えていく社会に対して、慣習やマナーはそう簡単に変えられない。それは「違和感」と「慣れ」の問題が大きいから。5年後、「あのときはあんなこと言っていたな」と思うかもしれませんが、現状思うことはこういうことです。