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やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

サザンとミスチルの名盤で考える「現代のアルバムの意味」

アルバムとは「いい曲がたくさん詰まった箱」であって欲しい


Mr.ChildrenのNEWアルバム「REFLECTION」が出ました。既にあちこちで語られているように、素晴らしいアルバムでした。
先日出たサザンオールスターズの新作「葡萄」も素晴らしい内容でした。今年はいい年だ。
サザンについてはこちらで書きました。↓
ese.hatenablog.com
この2枚の名盤を聴いて、今の時代に「アルバム」ってどういう意味を持つんだろう、アルバムの意義とか必要性って何だろう、ということを考えました。


私は古い世代の人間なので、音楽はCDが基本です。買うか借りるか。ダウンロードはしません。別にこだわりがあるわけではなく、面倒で踏み出していないだけなので、慣れちゃえばダウンロード派になるかもしれません。
これをiTunesに落として、i-Podに入れます。家のステレオはi-Pod対応なので、i-Pod内の楽曲をステレオで聴く、というリスニング環境です。同じく車のHDDにも入れて、運転中はHDDの音楽を聴いています。
Youtubeはたまに見ますが、多分若い世代に比べれば圧倒的に少ないです。
外で音楽を聴くことはあまりありませんが、聴くときはi-Podです。スマホでは聴きません。容量とか速度制限とかが怖いので。
なので、最近始まったAWAやLINE MUSICなどは「いいな」とは思いますが、自分のリスニング環境にはないので使っていません。


世間はアルバム単位で曲を聴くという割合は年々減っています。ダウンロードでも、アルバムの中から好きな楽曲だけを落とす、という聴き方をしている人が多いようです。
そうなると、「アルバム」という意味はなくなっていきます。1曲目から最終曲までの流れが大切なんだ、アルバム内のこれが隠れた名曲なんだ、という人もいるとは思いますが、多分少数派。多くの人は「好きな曲だけ聴きたい。こっちの方がコスパいいし」というのが正直な意見だと思います。


私は古い世代ですが、この意見はもっともだと思います。マニアックな曲を好む人もいるでしょうが、それはやはりマニアのためのもので、やはり世間はシングル曲のような「キャッチーな曲」「有名な曲」を望むものです。


こうしてアルバム不要論が広まり、作り手側・売り手側はそれに対する策を考えます。
①曲数を増やす
②シングル・タイアップ曲を増やす
③特典を付ける
などなど。どれも効果はあるのでしょうが、どれも水増しか特典メインということで、「アルバム」の意味消失には歯止めはかかりません。
以前サザン桑田さんも「今の時代、アルバムの意味ってあるのかな。シングルだけでいいんじゃないか」とインタビューで語っていたこともあります。


音楽を聴く環境、アクセスする手段は増え、音楽は水のように聴くことができるようになりました。そのため「アルバム」というフォーマットはその役割が曖昧になっているようです。
近い将来「アルバム」は役割を終えるかもしれませんが、今はまだ存在しています。なので、現在のミュージシャンはここに向き合わなければならない。
売れる・売れないはもちろん大事。どうやって売るかを考えるのは大事。しかしそれは売る側の話。作る側はアルバムをどういう内容にするか、ということが問われています。


そこで、サザンとミスチルは「いい曲を多く作る」という選択をしました。
ただ曲数を増やす水増し方式ではなく、「シングル・タイアップとその他」という抱き合わせ商法でもなく、もちろん特典がメインではない。
シングル以外の曲も、いい曲ばかり。この、真っ当で真理だけど難しいやり方を彼らは選択し、見事やり遂げてくれました。


これって、すごいことです。
「いい曲を増やす」というのは、シングル曲を並べてオリジナルアルバムなのにベスト盤みたい、ということとは違います。アルバム曲らしい(シングルには不向き)楽曲が、ちゃんといい曲。マニアックにはならず、ちゃんといい曲。
同じ時期に2つの大御所バンドが同じような方向性を示す。面白い。桑田さんと桜井さんはお互いのアルバムをどう聴いたかな。


大きく振りかぶったわりに、小さく着地してしまった。
でも、いい結論じゃないですか?いい曲がたくさん聴けて、嬉しくないですか?
今の若手バンドたちの「フェスで勝つための楽曲」「CDは売れないのでライブと物販が大事」という闘いや問題も重要(若手バンドはそこが生命線の部分あるし)ですが、そこにいない人たちが考える問題点と対抗策。
ミュージシャンの思想や戦略の話も好きですが、やはりいい曲をたくさん聴けること以上の喜びはないのです。

REFLECTION{Drip}初回盤

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