やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

書店・出版業界は自らゆでガエルになろうとしてる

今、2015年だよ?


本が売れないと言われて久しいです。原因はいろいろあってどれも頷くものがありますが、書店業界はそれぞれの問題点に対して何かアクションをしているのでしょうか。私には何もしていないように感じます。


現在私が住んでいる地域では、本は首都圏に比べて一日遅れて入荷します。
今、2015年ですよ?
10日発売の月刊誌は11日入荷、木曜発売の雑誌は金曜日に入荷します。東京は日曜日が本の入荷お休みですが、私の地元は月曜日が休配日なので、そのまま一日ずれるイメージです。
※週刊誌は変則的で、ジャンプ・ヤンマガ・スピリッツは日曜日入荷(一日早い!)、プレイボーイ・ポスト・現代は火曜日(遅い)、フラッシュは水曜日(遅い)、女性自身・週刊女性は火曜日(そのまま)、サンデー・マガジンは水曜日(そのまま)、モーニング・ヤンジャン・チャンピオンは木曜日(そのまま)、週刊文春・新潮は金曜日(遅い)、女性セブンは金曜日(そのまま)、フライデーは土曜日(遅い)です。めちゃめちゃ。


地方が遅くなる理由はいろいろあるのでしょうが、本当にどうしようもないのでしょうか。今、2015年ですよ?
Amazonが即日配達やっている現代において、地方だから一日遅れますなんていう殿様商売が許されるのでしょうか。全国一律に発売日通りに発売しようと努力はしているのでしょうか。
東京で印刷して、そこから全国に配達するから遅れるのかな?製本データを全国の印刷所に送ってそれぞれで印刷することはできないのかな?そしたらすぐに地方の書店にも配送できそうだけど。だって今、2015年だから。
比べるのは間違っているかもしれませんが、新聞は毎日全国同時発売ができているのに、本や雑誌は何でできないのかな。


本屋に目的の本がない場合も、注文したら時間がかかります。Amazonは即日配達だけど。
確かに一冊だけで発送したらコストがかかってしまうというのも理解できますが、Amazonは(以下略)。そして出版社→取次(日版など)→書店と手間がかかるので時間がかかるのも理解できますが、さらなる改革や努力はしているのでしょうか。今、2015年なのに。
出版社というと集英社小学館をイメージしますが、出版社の数でいうと、社員5人以下の零細出版社の方が圧倒的に多いです。そんな少数でやっていたら全国の書店からの注文をいちいち発送するのは大変。だから日版などの取次という存在が必要になるのです。
と擁護の気持ちで書きましたが、そんなのは書店以外の業界でも一緒ですよね。何自分だけ大変ぶっているんだ。


じゃあAmazonでいいや、と消費者が思ってしまうのも当然です。現代社会において競争相手と闘う努力をしていないんだもの。利便性の高いサービスにお客が流れるのは当然です。
なのに書店業界は「ネットがー」「スマホがー」とか外部に理由を求めてばかり。人のせいにするんじゃない。


書店は「再販制度」に守られています。値引きの必要がないので価格競争が起きない。売れなかったら返品すればいい。その分原価率は高くて儲けは少ないですが、リスクも少ないです。
このぬくぬくとした制度の下にいたため自己改革を怠り、今の危機的状況を迎えています。なのに危機感がない。


個人的には再販制度は必要だと思っています。買取のみ、価格も自由となったら売れる本しか仕入れないし作らなくなります。それはやっぱり「文化」を狭め、壊してしまうものだと思うので、ある程度の規制は必要だと思っています。
レンタル業界のように価格破壊が起きてしまうと価値が生まれなくなります。儲けがないと次の仕入れはできません。低価格に慣れてしまうと適正価格が適正でなくなります。映画館の1,800円は高いと思いますが、でもこの横並びのおかげで映画館の価値も文化も守られています。
しかし、流通面においても旧態依然のままでは他のサービスに負けるのは当たり前。だって中身と価格は一緒なんだもん。ラーメン屋だったら「うちの方が高いけど旨い」、服屋さんだったら「うちの方が高いけどデザインがいい」と商品で差別化できますが、本にはそれがない。じゃあ早い方を選ぶよね。当たり前だよね。
特に地方は、本が入荷しないのです。東京に行くと山積みの本も、地方では入荷しないのです。してもほんの僅かなのです。なので買えない。買いたくても注文すると時間がかかる。じゃあAma(以下ry)。


再販制度は文化のため、粗利が低いのは再販制度のせい、注文や発送の遅れは粗利が低いせい(発送費を負担できない)、と3すくみです。これでいいのか。誰か改革しようとする人はいないのか。
書店で見つけた本のバーコードをスマホのアプリでスキャンすると翌日には家に届いている、店頭在庫にない商品も検索・タップで同様に買える。こんなシステムにはできないのか。だってAma()。


何とかしてください、出版者様・書店様。まずは発売日通りの入荷を何とか叶えてください。
と書きながら、何でこんな低レベルのお願いをしなくちゃいけないんだ!と怒りが湧いてきた。「発売日通りに入荷して欲しい」だって。いつの時代だ!2015年だぜ、今。
書店・出版業界は自らゆでガエルになっている。さようなら。 


書籍文化の未来――電子本か印刷本か (岩波ブックレット)

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