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やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

般若とサイゾー

日本語ヒップホップについて今私が思うこと。2016年5月22日の日記。


最近、日本のHIPHOP周辺がにぎやかです。いろいろトピックがあってとてもよい。盛り上がるのはよいことだ。諸手を上げて賛成という話ばかりではありませんが。
ということで、「『フリースタイルダンジョン』での般若の宣戦布告」と「雑誌『サイゾー』日本のラップ特集」について思うことを書きます。Twitterでいくつかつぶやいたものをただまとめて書くだけです。今日現在の思っていること。来週には変わっているかも。


①「フリースタイルダンジョン」での般若の宣戦布告
番組開始以降2回目の般若の登場。そしてバトル終了後に「KREVA出てこい」と宣戦布告。
この話、番組を見る前にTwitterで知ってしまい、それに関するいろいろな人のつぶやきやブログも読みました。私の意見は「KREVAにとっては出るメリットは何もないので出るべきではない」です。


で、番組見てみたら、「この人、急に何言ってんの?」と思いました。

崇勲 VS 般若 フリースタイルダンジョン#33

フリースタイルダンジョン 般若KREVAに宣戦布告

フリースタイルダンジョン 崇勲VS般若
(すぐに消されそうだからいくつか貼っておきます)
KREVAが出るべきか否か以前に、KREVAの話なんて一切出てないじゃん。番組全体でも、Zeebraもチャレンジャーもモンスターも、そして般若自身もそんな要望も待望論もフリも何もない。もちろんKREVA側からもこの番組やバトルや出演者に対して何も意見していません。
なのに急にどうした。


しかもKREVAは般若から逃げていません。同じ大会に出たことがあるのですが、般若が勝手に負けて対戦まで至っていません。ちなみにKREVAは優勝しています。
なので、これは般若からの一方的な交際申し込みでありプロポーズです。KREVAに憧れ過ぎて好き過ぎて勝手にジェラシー感じている般若。
般若のこういう発言や行動は彼のキャラであり盛り上げるためのサービス精神からのものだとは思うのですが、それにしても唐突過ぎ。文脈も脈絡も歴史もストーリーもないので、これはないわ。単純にKREVAに失礼だし。


KREVAにしてみたら「俺はもうそこにはいないよ」って感じでしょう。
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というわけで、KREVAは出る必要なし。


あとね、単純に般若のフリースタイルよくなかった。崇勲が自滅しただけ。あんなんでKREVAに勝てるわけねーだろ!


サイゾー「ニッポンのラップ」特集について
細かいこといえば、「ラップ」でなく「ヒップホップ」な。ラップは「メロディの少ない歌い方」であり、ヒップホップは「ラップのある音楽ジャンル」なので。
「フリースタイルダンジョン」がヒットしているのでそれを受けての特集で、だいぶボリュームのある内容でした。
しかし、私の読みたい内容とは少しずれていました。アンダーグラウンド側からの記事が多かったです。そうだ、これは「サイゾー」なんだ。


まずは日本語ヒップホップの歴史のおさらい。日本語ヒップホップの特集があると、絶対これやるよね。ということは、まだ世間には歴史として定着していないのです。ロックの特集で毎回はっぴいえんどとかサザンの話しないでしょ。
まあ、今回はこのボリュームだからここから始まるのは仕方ない。しかし、この歴史に異議あり!です。

いとうせいこう近田春夫藤原ヒロシ高木完CRAZY-Aが輸入、開祖
さんぴんCAMP開催
→「DA.YO.NE」「今夜はブギーバック」のヒット
→90年代末の日本語ヒップホップブーム(ここにZeebraが広めた「不良文化を通過したラッパー」が加わる)
→2000年代前半、日本語ヒップホップバブル崩壊
アンダーグラウンド勢雌伏の時代
→フリースタイルバトルブームの勃興

とあるのですが、なぜDragonAshの名前が出ないのだ!本文中には「Grateful Days」での「俺は東京生まれHIPHOP育ち/悪そうなヤツはだいたい友達」の紹介だけ。Kjには一切触れていません。キングギドラによる「公開処刑」の話は出てくるのにそこで取り上げられているのはKICKとRIPだけ。
なぜ歴史を歪めるのだ。日本語ヒップホップの最大の功績者はDragonAshです。彼らがいなければこんなにヒップホップは全国に根付かなかった。その後のバブル崩壊により日本語ヒップホップは「売れる」というところからは外れましたが、ラップを始める若者にとってDragonAshの存在は相当大きかったはずです。
ゲームに例えると、個人的にはいとうせいこうさんや近田春夫さんはぴゅう太MSXで、DragonAshファミコンです。確かに彼らは早かったが、まだ性能がよくなかった。そしてファミコンでようやく全国に広まった、という感じ。ついでにいえば「DA.YO.NE.」「ブギーバック」は曲単体のヒットなので「インベーダーゲーム」「ブロック崩し」みたいな感じで、さんぴんCAMPは「ゲームセンターあらし」みたいな感じ。


漢a.k.aGAMIのインタビューはよかった。漢さんはきちんと考えているし、リーダーだな。
「セルアウト」については私は「やっかみ」「嫉妬」でしかないと思っているので、言わせたい奴には言わせておけ、という気持ちです。
ドラッグ問題やビッチというワードについては、個人的には関心ないのですが、「サイゾー」だから仕方ない。というより、「サイゾー」だからこそ読めた内容ですよね。
早稲田大学の音楽サークル「ギャラクシー」については、書いている人がOBだから書きたかったのかな。あまりシーン全体とは関係ないと思います。あと、この記事でMummy-Dが寄稿していると聞いていたので楽しみにしていたのですが、ほとんどないよ!あんなのは寄稿とは言わない。アンケートの回答だ。
「ラップで町おこし」はほぼ不可能だから止めた方がいいと思います。まだヒップホップに対する理解が若者にすらないのに、年配の方には通じないでしょ。
お笑いとアイドルのラップとの邂逅・融合・親交については、今後もっと広がるはず。ここから日本語ヒップホップが広まっていくかもしれない。期待しています。
ラップと落語の関係性は、こじつけじゃない?直接関係も影響もないと思うのですが。ただ、R-指定がフリースタイルであれだけ強いのは落語を聴いているから、というのはあると思います。よどみなく言葉を発すること、豊富な語彙、サゲ(オチ)に向けての着地方法など。


私は、ヒップホップは単なる音楽ジャンルになってほしいと思っています。「ヒップホップとはラップ、DJ、ブレイクダンス、グラィフティの4大要素でできている」というのももちろん正解ですが、そういう文化やファッションに結び付けるのはもうやめませんか?今ロックを語るときに革ジャンとかジーンズとかゴーゴーダンスとかモンキーダンスとか言わないでしょ?
文化やファッション、特に不良やヤンキーとの結びつきを強調するのは、日本語ヒップホップを広めるにおいて大きな障壁です。「サイゾー」は日本語ヒップホップを広めるためにこの特集を作ったわけではないので仕方ないですが、もっと音楽の話が読みたかったです。ヒップホップの特集なのにサンプリングやDJやトラックについての話は一切なし。「サイゾー」らしい切り口ですが。


日本語ヒップホップ、盛り上がっています。でも、もっと違うスタンスや切り口でのトピックが出てもいいんだぜ。ヒップホップは不良とヤンキーの音楽ではないし、バトルやビーフは魅力の一側面に過ぎない。「ビートに乗って韻を踏みながら『うまいこと言う』、リズムの強い音楽」なんだから、やる側も取り上げる側も、もっといろいろできるはず。
この盛り上がり、絶対に火種を消しちゃダメ。



フリースタイルダンジョン ORIGINAL SOUND TRACK

フリースタイルダンジョン ORIGINAL SOUND TRACK