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やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

ポイントカードの本末転倒

雑感

シンプルでいいんだぜ


ポイントカードについて。
ese.hatenablog.com
↑過去、ポイントについてはこういうエントリを書いたことがあります。思っている根本は変わりませんが、その後また考えたことを書きます。


①みんなが出したら意味がない
共通ポイントの先駆けはTポイントです。TSUTAYAを運営しているCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の社長が「いろんなお店のポイントカードが増えて財布が膨らんで嫌だなあ」と思ったのがきっかけ。いろんなお店のポイントが1枚のカードで貯められたら財布はスッキリするという消費者目線と、これは消費者の囲い込みに使えるという経営者目線。
そして始まったTポイントカードは、目論見通り大ヒットしました。加盟店としても、100円で1ポイント、つまり売り上げの1%を拠出することで売り上げが1%以上増えれば導入効果はあるのだから、加盟店もどんどん増えていきました。
※正確にいえばポイント付与分以上に導入コスト・運営コストはかかっていると思いますが、それでも導入効果はあったでしょう。


この成功を他社が指をくわえて見ているだけのはずがありません。もともとTポイントは同業他社がつぶし合わないように「1業種1社」を原則としていました。なのでガソリンスタンドはENEOS、ドラッグストアはウェルシア、コンビニはファミリーマート、ファミレスはガスト、紳士服は洋服の青山、カー用品はオートバックスしか使えません(導入時)。これでは同業他社は悔しいわけです。


そこで、Pontaカードが登場。ガソリンスタンドは昭和シェル石油、コンビニはローソン、紳士服はAOKI、といった具合に競合店でも共通ポイントが使えるようになってきました。
さらにWAONnanacoなど、コンビニ&スーパーで使えるカードも登場し、結局今では大手の全国チェーンのお店は何かしらの共通ポイントに加盟している状態です。実際私の財布にもTポイント、Pontananacoカードが入っています。


これじゃ以前と一緒じゃん。店側も他社との差別化だった共通ポイントカードが横並びになってしまい、集客効果にも陰りが出ているのではないでしょうか。
さらに企業の合併や提携によりひとつの店で共通カードがダブってしまうという事態も起きています。


せっかくのいい思い付きが他社の追随により陳腐化してしまう。ビジネスの世界では何度となく繰り返されてきた話ですが、トータルでプラスになったのだろうか。


②サービスを広げるがゆえにサービスが低下する
Tポイントのポイント付与のレートは、当初は「100円=1ポイント」でしたが、現在は基本「200円=1ポイント」です。加盟業種によってレートは違いますし使用頻度などによってもレートは変わるので一律にいうことはできませんが、それでも昔に比べれば価値が半減しているのです。
なぜだ。
私は、「サービスを強化したから」だと思っています。


TSUTAYAで買い物をすると、ENEOSオートバックススポーツデポなど、加盟店のサービスクーポンを受け取ることがあります。これは、Tポイント加盟店に足を運んでもらうための施策です。
また、入会したらポイントプレゼントやポイント使うと景品が当たるなど、キャンペーンも頻繁に起きています。加盟店を増やすために営業活動も熱心に行っているでしょう。
これら、当たり前ですが全てコストがかかっています。レシートクーポンを発行するためのシステム構築、キャンペーンの原資、営業活動の費用。これらのコストは、Tポイントだけだったらこんなにいらないわけです。競合他社がいるから、そこに勝つためにコストをかけていろいろなことをするわけです。
で、その結果ポイントの価値半減。サービスを広めるためにサービスを強化した結果、価値半減。何たる本末転倒。何もコストをかけずに100円=1ポイントのままでいいのにー。


ビジネスだからライバルがいたらそれに勝つための施策をするのは当然ですが、消費者の私たちは別に嬉しくないのですよ。だって財布にはPontananacoも既に入っているのだから。


こういう「頑張り過ぎた結果利益が出なくなる」ということはビジネスではよくあります。設備投資や人材採用をし過ぎた結果固定費が増え、売り上げを大きく増やさなければ以前の利益が出ない(今までと同じ会社規模だったらもっと少ない売り上げでも利益はもっと出ていた)とか、店舗を増やし過ぎた結果自社競合を起こすとか。
ビジネスの世界は飛行機と同じで止まったら落ちてしまう世界(であることが多い)なので、果てしない無着陸飛行と自転車操業になってしまうものですが、右肩上がりなんてずっと続くわけないのに、なぜ「売り上げを増やす」ことを目標にしてしまうのか。


ちょっと話がずれた。共通ポイントカードは既に飽和状態なので、あまり広告や営業にお金を使わず、レートの改善で消費者に還元してくださいよ、というお話でした。