やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「マグニフィセント・セブン」 感想

真の主役は谷間


映画『マグニフィセント・セブン』を見てきました。公式サイト↓
www.magnificent7.jp
公開してまだそんな経っていないのに私の近所の(といっても車で1時間半かかる)映画館では朝イチと深夜の2回しか上映していなかったので、早起きして見に行きました。ちょうど『相棒』公開初日だったので映画館は混んでいましたが、本作は私を含めて8人しかお客はいませんでした。そりゃこんな上映時間・回数にされちゃうわ。


本作は、言うまでもなく『七人の侍』『荒野の七人』のリメイクです。一応本作を見る前にどちらも予習してきました。
で、本作を見終わっての感想は
七人の侍>荒野の七人>マグニフィセント・セブン
です。


お話は古典中の古典。悪い奴がいて、苦しめられる人がいて、それを助ける人がいる。勧善懲悪でありチームものであり活劇である。
その王道を分かりやすく見せるために、オープニングでの悪徳実業家ボーグの悪行三昧。何と分かりやすい「こいつが悪者!」表現。清々しい。


そしてお次はこの悪者を倒してくれる勇者探し。ここが私の残念ポイント。
まず、村の総意で勇者を探すことになったというくだりがない。中盤で村に7人が来たときの対応も「勇者様待っていました歓迎です感」がない。
また、集まる勇者たちの動機が不明瞭。特にリーダーであるチザムは過去2作にあった「義を見てせざるは勇無きなり」の部分が見えなかったです。まあ、見えなかったというか実際の動機は違うものでしたから仕方ないのか。その他のメンバーも、義でもお金でもいいのですが、もう少し動機が明確だとよかったなー。


仲間になる7人は、人種が様々ということもあり、過去2作に比べてキャラ立ちしていましたね。
①チザム(デンゼル・ワシントン):リーダー
②ファラデー(クリス・プラット):明るい、モテ男、手品上手い
③グッドナイト・ロビショー(イーサン・ホーク):南北戦争PTSD負っています
④ジャック・ホーン(ヴィンセント・ドノフリオ):熊のような大男
⑤ビリー・ロックス(イ・ビョンホン):ナイフの達人
⑥ヴァスケス(マヌエル・ルルシア=ルルフォ):メキシコ人
⑦レッド・ハーベスト(マーティン・センズメアー):ネイティブ・アメリカン


村に着いて村人と仲良くなったり防御法を練ったりするのも何だかあっさりしていましたね。まあ、『七人の侍』がこの辺をしっかり描けたのは207分という反則な上映時間があったからですが。


そしていよいよ戦闘開始!
村は、爆薬も弾薬もいっぱい持っているのか。結構豊かな村なのね。本作は困窮の村ではなく金の採掘所のある村ですからね。
と、序盤は物量作戦で戦いを優位に進めた村人勢ですが、途中でガトリング砲炸裂!おお、これは見た目にも分かりやすい強力な武器。これでロビショーもビリーも命を落とします。最期はかっこつけさせてやりたかったなあ。
ジャックは、矢が何本刺さってもなかなか死なない大男っぷりを見せてくれました。まるで『北斗の拳』の山のフドウです。
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そしてファラデーは銃撃を何発も撃たれてもなかなか死なない準主役っぷりを見せてくれました。『太陽にほえろ』のジーパンです。
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どちらも素晴らしい死にざまでしたが、メインキャラは何回かやられないと死なないというのはずるいな。こういうお話なのでいいけど。


そしていよいよラスボスボーグに対するのはもちろんリーダーチザム。何とここでチザムはボーグに対する私怨があったことを告白。えー、義ではなく、個人的な復讐なのかよー!この物語の根本がぐらつく動機でした。
いや、私怨も十分な動機なのでいいのですが、それなら最初に言ってよ。もしくは義を全面に出さず、私怨を少し匂わすとかさ。
ボーグ一味を倒したら即撤収。あっさりしているな!
ラストの『荒野の七人』のテーマソングは熱くなったけど、それは本作の手柄じゃない。


というわけで、動機の部分が弱くてそこがイマイチでした。もっと村が困らないと、もっと村の窮乏に発奮しないと、もっと村は勇者を待ち焦がれていないと、せっかく悪役を分かりやすく仕立てたのにそれに対抗するベクトルが弱くなっちゃう。
とはいえ、そんなけなすような出来でもないです。まあまあ面白くて少しケチつけたいところもあって、という感想なのでなかなか書きにくい。


銃撃戦も素晴らしかったですが、本作のMVPはヘイリー・ベネットです!
オープニングから怯えながらもおっぱいはしっかり主張。その後も常に谷間とふくらみの存在感は健在で、「戦うならスカートではなくズボンを履きな」とは言われても「谷間を隠せ」とは言われない。だってみんなが望んでいるから。
ついでに、本作はどの町でも娼婦がいて、セクシーな女性が多くいたのですが、ここは今回の監督アントワーン・フークアのこだわりなのかな?


絶賛でも酷評でもなく、リメイクの意義もよく分からず、書きにくいなーと思っていたけど2,000字超えたのでこの辺でおしまいにします。



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三船敏郎の菊千代役の存在が欲しかったな。愛されキャラで勇者も村人も結び付ける存在。