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やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』 感想

確信、吉田大八


映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』を見ました。公式サイト↓
www.phantom-film.jp
(何か変なサイト。古いから?)
原作となった舞台は見ていません。小説も読んでいません。吉田大八監督作品なのでレンタルしてきました。
2007年の作品なのでもう10年前ですが、出ている役者の皆さんは変わらないなあ。


面白かったです。姉妹の話、家族の話、夢と自意識の話、自信と不安と実力の話、自分の実力と魅力の話。
舞台が原作なのでちょっとリアリティに欠ける部分はありますが、だからこそサトエリの強烈なキャラクターが輝いていました。物語の世界があまりに現実味があるとサトエリのキャラクターや行動がうそっぽく見えてしまうので。


原作は本谷有希子さん。舞台も小説も何も触れたことはないのですが、姉妹や家族の話はやはり女性の方が描くのが上手い。感情のぶつかり合いや行き違いや秘めたる思いなどなど。男性はなかなかこういう繊細な感情のひだを描くのは上手くない。私の印象ですが。


役者について
佐藤江梨子(スタイルの良さ異常!)
背が高くて手足が長くて細くておっぱいどーん。素晴らしい。
田舎でこれだけのポテンシャルを持っていたらそりゃ夢見るよな。うぬぼれるよな。
自己中で客観性のない(つまりはアホ)感じがとてもよい。途中で小池栄子だったらどうかなと思いながら見ていたのですが、小池栄子だとこのアホっぽさが出ないのでやはりサトエリが適任。
彼女の他の役者仕事は見たことありませんが、こういうエキセントリックな役は似合うな。


佐津川愛美(最強!)
姉が親に刃物を向けたとか上京資金を貯めるためにエンコーやったとかをマンガに描いてしまい、そのために姉に逆らえない妹。おぼこい無造作黒髪メガネがとてもよい。
姉に悪いことをしたと思ってマンガを描くことを断念していましたが、姉が戻ってきたことでまた情熱再燃。両親の死亡事故ですらネタにしたいと思ってしまうクリエイター気質の彼女は、姉の強烈なキャラクターを描かずにおれません。
クライマックスでの大逆転劇は痛快!姉の行動を読み、それも「お姉ちゃんは面白い」と言えちゃう妹、最強です。


永瀬正敏(最弱!)
後妻の息子なので姉妹とは血がつながっていません。荒れる澄伽(サトエリ)を止めようとして、その色香に負けてしまいます。澄伽の呪いに囚われ、澄伽に強く意見もできず、嫁ともセックスできない。ついには妹にも現場を見られてしまい、自殺。


永作博美(優勝!)
コインロッカー生まれ施設育ちの彼女は、結婚相談所で出会って宍道永瀬正敏)と結婚するのですが、セックスもないし理不尽な扱いを受けるし、かわいそうすぎるのです。でも、家族ができたことをうれしく思い、夫にひどい扱いを受けても日々楽しそうに暮らしています。
強いとか我慢しているとかではなく、天然で気づかないだけなのでしょうが、強いなあ。彼女の明るさ・強さがなければこの家族はとっくに崩壊していました。
後半でついに夫を襲い、夫婦の契りを結ぶシーンはよかったよ!


あと、劇中に映画監督が出てくるのですが、これが明和電機の社長でした!この「なんか胡散臭い感じ」、上手いなあ。ナイスキャスティング!


映画は2007年ですが、物語は何年の設定なのかしら。村ではケータイがつながらないとかインターネットは文房具屋で30分1000円とか、さすがに今ではありえない設定です。
でも、「みんなが自分を知っている」「何か話題があると一斉に広まる」「何も楽しいことがない」など、これら「田舎あるある」はとても同感しながら見ていました。そうそう。脱出したい。


面白かったです。やはり吉田大八監督は有能だな。残りの作品も見てみよう。
過去の吉田監督エントリ↓
ese.hatenablog.com
ese.hatenablog.com

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

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