やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

死体遺棄って大変

ごめんよ、ネコ


先日の話。実家の母から「車庫が臭う」と言われたので、見てきました。私の実家は1階が車庫でその奥は物置になっています。そこが臭うのだと。
現場に着くと、確かに臭う。「最近ネコが入ってくることがあるので、おしっことかウンチとかしているのかも」という母の予想。うわー、面倒くさいなーと思いながら物置を捜索。
確かに臭うのですが、中にいると鼻がバカになってどこから臭っているのか分からない。なので適当且つしらみつぶしに探す。棚の後ろ、荷物の裏、段ボールの中、向かいのホーム、路地裏の窓。こんなとこにいるはずもないのに。


そしたら、いた!段ボールの中に何かがいた!!し、死んでる…!!ネコっぽいけど怖くて直視できない!


いたのは、ファンヒーターの段ボールの中です。空の段ボール箱に乗って落ちてしまい、出られなくなって死んでしまったのだと思います。段ボール箱は高さが60センチくらいあり、落ちたらフタがネズミ返しの役割を果たしてしまい、出られなかったのでは。


さて、どうする。このままにしておけないが、どうすればいいのだ。
親と相談し、庭に埋めることにしました。ちなみに我が家は以前犬を飼っていまして、亡くなった際は斎場で焼いてもらい、骨は庭に埋めています。
なので、犬の近くに埋めてあげることにしました。


シャベルを持ち、庭を掘る。ある程度の広さと深さが必要なので、頑張って掘る。
穴を掘るって、大変ですね。特に深く掘るのが大変。数年前友達を落とし穴に落とすドッキリでその人死んでしまったなんていう事故がありましたが、どれだけ掘ったんだ!
死体遺棄事件はたまにニュースで目にしますが、人ひとりを埋めるほどの穴掘りって、めちゃめちゃ大変ですよ。1m×2m×1mくらい掘らなきゃいけないんでしょ?シャベルやスコップで一人の人力でやろうと思ったらものすごい重労働ですよ。しかも傍らには死体があるわけでしょ。よくできるなー。


と熱い日差しを浴びながらなんとか穴掘り完了。さて、問題はここからです。どうやって段ボールから出すのか。一休さんのとんちがほしいところですが、それではまずあなたが段ボールから出してくださいというムカつく返しをされそうなので一人でなんとかしよう。
できることは、段ボールを逆さにして振ることだけだ。ガタ、ガタ。箱の中の何かが動いているよー。怖いよー。どさっ。出た!やはりネコでした!首輪はないので野良猫かな。死後硬直でカッチカチのネコが出てきました。
うわー、怖いよー。あまり直視しないように土を被せます。ごめんよー、怖かっただろうに、苦しかっただろうに。
殺人をして死体遺棄をする人は、この「死んでいる人間を何とかする」をしなければならないのです。物理的に大変だし、頭もおかしくなっちゃうよ。私はネコでもこんなにパニックになりながら作業したのに。


何とか埋め終わり、仏壇からロウソクと線香一束を持ってきて埋めた場所に線香を挿し、成仏を祈りました。


とりあえずの仕事は終わり。しかし、もうひとつ問題が残っています。段ボールです。このままにしておけません。
そこで、箱をつぶし、臭いが漏れないように大きなビニール袋に入れて、親戚の家に向かいました。親戚は農家で、小さなドラム缶の焼却炉があるのです。そこで段ボールを燃やし、終了。
燃やしている最中、映画『ファーゴ』のあの処分のやり方は狂っているなーとか『冷たい熱帯魚』の夫婦は楽しそうに何やってるんだよ!とかを思いながらドラム缶を眺めていました。


ネコちゃん、ごめんよ、苦しかっただろう。あれ以来、庭に行くとその前で手を合わせる私です。