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山下達郎ツアー「PERFORMANCE2017」新潟公演に行ってきました! 感想(その1)

あの歌声、あのしゃべりが現実に


(セトリ等ネタバレあります)


山下達郎のコンサートに行ってきました。初たつろー。
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山下達郎はアルバムは何枚か持っていますし好きですが、ライブに行くほどの熱はなくこれまでスルーしてきました。しかし「達郎のライブはすごいぞ」と各所で聞き及び、また達郎さんも私もなかなかいい年齢になってきていつ何があるか分からないので行けるときに行っておこう!と思い、チケットを取りました。
しかし、チケットが取れない。去年のツアーから何度も申し込んでいるのにことごとく落選。何度目かのチャレンジでようやくチケットを手にすることができました。
それにしても、平日2デイズが売り切れる達郎パワー、改めてすごいわ。


客層は、私が行くライブではやはり一番年齢層高い。岡村靖幸真心ブラザーズより、さらにサザンよりも年齢層は高いです。皆さん有給で来ているのかしら。
今回の私の席は20列目の端っこ。まあ、達郎さんのライブはお顔を拝見するのが目的ではないので場所はどこでもいいのだ。


開演時間ちょうどにブザーが鳴り、今日の公演の注意事項のアナウンス、そして5分後にスタート。きっちりしている!
達郎さんは黄色のシャツにジーンズ姿。猫背な歩き方でステージ中央まで進み、ギターを背負います。
そして達郎さんのテレキャスのカッティングから始まった曲は『SPARKLE』
いい音!達郎さんのライブは音がいいと聞いていましたが、本当だ。ギターはクリーントーン主体なせいもあり、カッティングのシャキシャキとした切れ味のよい音までしっかり聞こえます。
また、ドラムもいい音なのです!スネア、タム、フロアタム、ハイハット、ライドまで、ドラム1音1音の音が全部いい。そして、演奏も上手すぎるので、逆に演奏全体を聴いているとドラムに注意がいかない。上手すぎて曲に馴染み過ぎて気にならないのです。何この仙人とか達人みたいな域。ドラマーの方、まだ若そうなのにすごいなー。
ベースはブリブリしつつ耳に痛くない音なので、これも私好み。
ギターは佐橋佳幸さんですが、このライブではいちメンバーであまり出しゃばらない「アンサンブルの一部」でした。そう、佐橋さんに限らず、どのメンバーの演奏も、上手すぎて突出して聞こえないのです。全部が曲の伴奏のために奉仕しており、無駄な主張がない。
その他キーボード2人、サックス等ホーン1人、コーラス3人(女性2人男性1人)の合計10人の大所帯。あー、でもホーンは1人なのね。岡村靖幸は2人、真心ブラザーズは3人います。しかしそもそも山下達郎の音楽はホーンで過剰に煽る曲調ではないもんな。
fine-day.org
こんなサイトを見つけた。熱いファンはありがたいなー。


それにしても、「あの声」なのです。CDのあの声なのです。あの声が目の前で実際に鳴っているのです。これ、本当に64歳の声?
2曲目『いつか(SOMEDAY)』、3曲目『ドーナツ・ソング』と続きます。『ドーナツ・ソング』では客席に手拍子を求めていましたが、ここ以外は基本的に「素晴らしい演奏を聴かせる」というライブ構成で、コール&レスポンスやサビを歌わせる等の演出はありません。そもそも客席も全員座っています。事前に調べたところ、達郎コンサートではいきなり立つのはご法度らしい。客層の年齢もあるし達郎さんのこだわりもあるんだろうな。調べておいてよかった。


しかし、正直ずっと座っているのはもどかしく、また演奏・歌声も素晴らしいので逆に前半は眠くなる瞬間もありました。


MC。「ツアーを始めて35年になりますが、最初は地方はなかなか埋まらなかったけど、新潟は最初から満員になったので好きな場所です」「2008年からツアーを再開して、そのときは55歳だったので60歳まで頑張るかと思っていたら60歳を過ぎて今はもう64歳なので65歳までってわけにはいかないから、そうなると70歳か。どうなるか分かりませんが、今のところ体も動くし声も出るのでできるところまで頑張ります」
MCも「あの声」です。ラジオのあの声あのしゃべり方で立て板に水でトークしてくれます。


ステージのセットは、アメリカの街並みなのかな?左右にレンガ造りのビルがあり、その間を電車の高架橋が掛かっています。なかなか豪華なセット。これを全国運んでいるのか。
背景のスクリーンは曲によって変わり、青空や夜景や大きな満月になったりする。さらにセット全体がプロジェクションマッピングでビルに雪が降ったり東京タワーが映写されたり高架橋を電車が走ったりします。すげー。お金かかっている。岡村ちゃんの「毎回同じピーチマークだけ」、真心ブラザーズの「毎回同じMB'sロゴだけ」とは違うぜ。


「2008年にツアーを再開してからこれまでに延べ80曲ほどをライブで演奏してきました。これは自分の作った曲の3分の1くらいで、まだまだやっていない曲も多いのですが、これにはいくつか理由があって、まずレコーディングのときにキーを高く設定しがち。例えば『ヘロン』とか。これ1曲だけだったら何とかなるけど、3時間のライブの中に置くとなるとそうはいかない。じゃあキーを下げればいいじゃないかというかもしれませんが、そんなことすると『あー、あいつも声出なくなっちゃったな』って言われるから。あと、私の曲は音が厚くてライブで再現するのが難しいっていうのもあります」


それぞれの曲の感想を書くのが難しい。基本的にCDと同じアレンジで同じ再現度で歌声まで一緒で「すげー」しかないし、達郎さんもギターを抱えて歌っているので動いてくれない。


途中ターナーの汽罐車』では達郎さんギター、ベース、キーボードだけというアコースティック編成での演奏がありましたが、この曲はオリジナルのギターのアルペジオから徐々に演奏が重なっていくところが好きなので、オリジナルで聴きたかったなー。でも他の曲でやられても同じこと思うんだろうな。


洋楽カバーでトム・ジョーンズ『よくあることサ』
www.youtube.com
この曲知っていますが、こんなタイトルだったのね。
この曲で達郎さんはハンドマイクで会場を右へ左へ動き回ります。そして何と客席の通路に下りてきたのです!私は通路側に座っていたので「神に触れる!」と思ったのですがあまり後ろまで来てくれず、すぐにステージに戻ってしまいました。それでも何人かは達郎さんに触ったりハイタッチしてたなー。羨ましい。


『THE WAR SONG』は私は知らない曲だったのですが、とてもよかった。達郎さんは作詞においてあまり意味を重視しないスタンスだと思っていて実際インタビューでもそういう趣旨のことも言っていたので、こんなプロテストソングがあったとは。
メロディもアレンジもその演奏も、素晴らしい。ラストのテナーサックスのソロも素晴らしかった!


バンドメンバーが一旦退場してここからひとりアカペラコーナー。達郎さんこの日のMCで「僕はテープは使わない。ライブは実際にこのメンバーが演奏して音を出しているのだ」と言っていましたが、これはテープですよね…。まあ、この多重録音ひとりアカペラをライブで完全に生で再現なんて無理なので仕方ないですが。
アカペラって、少しでもリズムや音程が違っていると気持ち悪いものですが、当たり前ですがさすが山下達郎。完璧です。あーもう、この人を褒めてもそれが「当たり前」なんだもんな。褒めづらいよ!


バンドメンバーが戻ってきて『クリスマス・イブ』、そして『蒼氓』『ゲット・バック・イン・ラブ』と名曲の連打!すげーすげー。名曲を多く持っている人は強い。最初眠いなんて言ってすみません!大興奮です。
『蒼氓』の後半で他の曲を織り交ぜるというレキシみたいなことをやっていました。もちろんこっちが先なんですよね?ボブ・ディランの『風に吹かれて』、岡林信康『私たちの望むものは』などをやっていました。


中途半端なところですが、このまま書くと長くなりすぎなのでここで一旦切ります。後半のラストスパートとアンコール、そして全体感想を次回に書きます。


POCKET MUSIC

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↑『THE WAR SONG』はこのアルバムに入っています。