やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

山下達郎ツアー「PERFORMANCE2017」新潟公演に行ってきました! 感想(その2)

前回のお話↓
ese.hatenablog.com
大きな会場ではやりたくない、ディナーショーも嫌だ(他人が飲み食いしているところで歌いたくない)、今さら紅白に出ても意味がない、人前で歌う商売が長く続くとは思わなかったのでゆくゆくはレコード会社のA&Rにでもなろうかと思っていたけど、もしなっていても社長と喧嘩して辞めただろうな、とひねくれ者達郎節が次々に飛び出します。
「先日加山雄三さんが80歳のバースデーライブをやりまして、あの人はモンスター中のモンスターですから比較になりませんけど、私の先輩だと小田和正さんがもうすぐ70歳、吉田拓郎さんが71歳、井上陽水さんが68歳、矢沢永吉さんが67歳、細野晴臣さんが70歳と素晴らしい先輩方がいらっしゃるので私も頑張っていきますのでよろしくお願いします」
そうか、達郎さんの上でもまだこんなに先輩がいるのか。日本の音楽界、層が厚い。


お次は『メリー・ゴー・ラウンド』。あら、私この曲知らないわ。
この辺で私も含めてお客さん立ち上がったのかな?常連さんは「この曲で立つ」とか分かっているのかな。この曲はいつもやってるのかな?
ここまで既に2時間以上。お客さんの中には「盛り上がったので立ちたい」よりも「これ以上座っているとエコノミー症候群になりそう」と思って立ってくれた人もいたことでしょう。偏見。


次の『LET'S DANCE BABY』では「心臓に指鉄砲」の部分でお客さんがクラッカーを鳴らす!おー、達郎ファンはこんなことやるのか。びっくり。長渕剛の『勇次』みたいですな。
この曲の後半でも他の曲を織り交ぜる「レキシスタイル」(こっちの方が本家でしょうが)でいろいろ歌ってくれました。曲名は忘れた。


『高気圧ガール』『CIRCUS TOWN』で本編終了。
曲の後半でアカペラでウォウウォウ歌うところがあって、これは岡村靖幸も『イケナイコトカイ』の後半で毎回やっている(私はこれを「ノウホウタイム」と呼んでいる。ノウホウノウホウ叫ぶから)のですが、岡村ちゃんだと「ちょっと笑ってしまう一生懸命さ」(それがいいんだけど)があるのですが、達郎さんの場合は「ハイレベルな声と歌声に聞き入る」になっちゃうのね。キャラの違いかしら。


アンコール待ちはもちろん手拍子をするのですが、達郎ファンの手拍子は早くならない!手拍子ってなぜか勝手に早くなってしまうものですが、早くならない。さすが達郎ファン、手拍子までハイレベル。
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なぜ早くなるかというと、この妖怪の仕業です。


アンコールでは青いシャツの達郎さん。おお、これは山下達郎っぽい。
山下達郎のコンサートは長いのが有名で、自分の年齢を考えるともっと短くした方がいいんじゃないかと思うのですが、3時間を切るとなると何曲かカットしないといけなくて、でもそうするとライブの起承転結がおかしくなるし、『明日声が出なくなるかも』と思えば今やれることを精一杯やろうと思うわけで、そうすると長くなってしまうのです」
ありがたいお言葉。でもMCをカットするという考えはないのね。


他人に提供した曲でどうせなら徹底的に自分のキャラに合わない曲をやろうというフリで始まったのは何とハイティーン・ブギ近藤真彦の曲ですよ。ロックな演奏や「俺・お前・ツッパリ」なんていう歌詞が達郎さんに合わなくてそのギャップがとても良い!


続いてRIDE ON TIME。おお、まだこの曲が残っていたな!
曲のラストで山下達郎のコンサートではおなじみの「マイクを使わず生声で客席に歌声を届ける」をやってくれました。初めて見ましたが、これは素晴らしい。他の人もやって欲しいわ。


『DOWNTOWN』ではコーラスの男性もキーボードを弾いていたのですが、これがとってもノリノリで見ていて楽しい弾き方でした。もっと弾いてもらいたい。


ラストはステージ上に達郎さんひとりになって最後のMC。「音楽は悩みや問題を救うことはできないが、慰めたり癒したりすることはできる」その通りだなー。行動したり解決したりするのは自分であって音楽ではないけど、その助けや背中を押してくれることはできる。
そして『YOUR EYES』をアカペラで。3時間以上たってまだこの声出るのか!


終わってしまいました。ちゃんと時計見ていませんでしたが、3時間半近くやってくれました。サービス満点。セットは豪華で照明の演出もありましたが、それ以外の演出自体はほぼゼロ。お客さんとのコール&レスポンスもほぼゼロ。基本的には「素晴らしい演奏と素晴らしい歌声を聴かせる」に徹したライブでした。エンタテイメントでありながら、もうひとつ上の高尚な芸術に触れた気分。
前回のエントリにも書きましたが、最初はずーっと座って聴いているのが少し退屈で「鑑賞会みたいだな」と思っていたのに、いつの間にかノリノリで惚れ惚れなライブになっていました。構成の妙。そしてもちろん演奏・歌声の素晴らしさ。


その他いくつか。
達郎さんのコンサートは時間が長いせいかお客の年齢層が高いせいか、トイレの途中退席する人がとても多かったです。ライブ中ずっと座っていて汗かかないからトイレ行きたくなっちゃうのかな?
あと、達郎さんは64歳とは思えない瑞々しい歌声なのですが、ステージ上を歩いている姿は猫背でヨボヨボとぼとぼしています。これって昔からですか?64歳はもっと若々しく歩いていい。


ついでに、いくつか文句というか注文を。
先日のエントリでも書きましたが、転売対策をしっかりやってもらうのはいいのですが、その縛りがきつすぎて何も悪くない人に迷惑が掛かるのはやめてほしいな、と思います。これだけ対策を取ることができるのであれば、キャンセルや譲渡についてももっとできることはあると思うのです。思うのですというか技術的にはできるので、それをやるかやらないか。
興行側からすればチケットは売ってしまえば譲渡やキャンセルは儲けになりにくいのでなかなか手が出ないのかもしれませんが、ライブに行く一般人からすれば、当然起こること(仕事で急に行けなくなった等)なのだから対応してもらうのは当然だと思うのです。
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この辺の愚痴はきりがないのでやめましょう。


もうひとつ、当日は免許証等写真付き身分証で本人確認をし、バッグの中身の確認(自分で開けて見てもらうだけの簡易的な検査ですが)もあって、さらに手首に紙のリストバンドまで付けるのです(係員がその場で巻くので、他人に渡すことはできない)。
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まあこの辺は転売防止の一環で別にいいのですが、一旦中に入ってしまうと外に出られないのです。えー、そこまでする必要ある?何のためのリストバンドなの?飲み物買おうと外に出ようとしたら「再入場禁止です。自販機は上の階にあります」と止められてしまいました。
仕方ないので上の階に行くと、既にお目当てのお茶は売り切れでした。あーあ、外の自販機ならまだあるかもしれないのに。しばらく後にまたこの自販機を見に来たらスポーツドリンクも売り切れになっていました。あーあ。
そもそも、何で再入場禁止なの?せっかくリストバンドまで付ける意味は何?車に荷物忘れたとかの場合でもダメなの?


上記のキャンセル・譲渡問題もあったので「何て殿様商売だ」と思ってしまいました。きちんとやるのはとてもいいことですが、お客さんの都合だってあるわけで、その辺はもう少し柔軟にしてもらえないですか。


とはいえ、そんなモヤモヤもライブが始まってしまうとすべて忘れて楽しんでしまうので音楽のちからは素晴らしい。できれば運営の改善は今後も続けてください。


当日のセトリ
山下達郎 @ 新潟県民会館 大ホール (新潟県) (2017.07.13) | ライブ・セットリスト情報サービス【 LiveFans (ライブファンズ) 】
↑私はこれを見ながら記憶を手繰って書いていたのですが、
2017年7月13日(木)山下達郎「PERFORMANCE 2017」新潟県民会館 セットリスト | 日刊セットリスト(セトリ)
↑こっちは曲の途中に歌った他の曲名まで入っている。すげー。メモ取ってるのかな?


COME ALONG 3

COME ALONG 3

OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜(通常盤)

OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜(通常盤)