やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画『ジオストーム』 感想

なんて映画だ!そういう映画だ(小峠と西村)


映画『ジオストーム』を見てきました。公式サイト↓
wwws.warnerbros.co.jp
まあ、こういう映画なので期待はしていないわけです。デザスタームービーは地球がいかにめちゃめちゃになるかが評価ポイントなので、物理的にありえない!などのツッコミは意味をなさないのです。まるでDisが効かない崇勲のような作品です。
ジャンクフードですよと分かっているのに「このハンバーガーはあのレストランより美味しくない」なんて言ってはいけないのです。激安風俗に行って嬢のレベルが低いとか文句言ってはいけないのです。


まあ、それでもやっぱりひどかったですけどね。


こういう映画がひどい脚本でも許されるか否かは、地球破壊描写の凄まじさによる。そういう意味では、物足りなかったです。砂漠地帯である一区画だけ凍りついているなんてとか、卵が焼ける暑さなら靴が焼けているよとか、波も凍る速度で寒波が襲ってくるのかとか、ドバイの津波はどこから来ているんだよとか、最後は衛星から直接熱線ビーム出しているじゃねーかとかのツッコミは野暮です。そこはいいんです。ただ、破壊が足りない。唯一は香港のビルドミノくらいかなー。あとは「異常気象」の枠を出ないパニック描写でした。
関係ないけど、ドバイの砂漠で津波に飲まれるラクダに乗っていた男は、邦画だったら松尾スズキだなーと思いながら見ていました。


主人公ジェイク(ジェラルド・バトラー)は全然科学者っぽくないなとか、弟マックスは特に何もやってないなとか、宇宙ステーションの主任の女性はまったく何もやってないなとか、宇宙ステーションのチームのみんなは何もやってないな(得意分野で活躍するのだと思っていた)とかは、よくない。ここはカミナリたくみくんのツッコミで読んでください。登場人物は雰囲気だけで動いているのでキャラが生きていない。
マックスの彼女サラはよかったです。スーツの女性に弱いという私の好みの問題かもしれないが。最初の「仕事中は公私混同禁止」と言いながら顔は嬉しそうとか、ベッドでいちゃいちゃしているときの胸の谷間とか、カーアクションしながら銃も撃つ姿とか、とてもよい。車の運転くらいマックスがすればよかったのに。本当に彼は「何となく忙しそうに必死そうにしている」けど、何もしていない。


手動で再起動すればウイルスも消えるなんて簡単だな!と思いましたが、ツッコミしてはいけません。それよりも、「異常気象が連続して起きると嵐が連鎖して『ジオストーム』という壊滅的な被害をもたらす」というプロットです。それ自体はいいのですが、それは時限爆弾のように秒単位で発生するのか?衛星を止めたら異常気象もその瞬間止まるのか?「天気」というアナログな事象を秒単位の危機感で煽ることに違和感を感じました。


いろいろな要素を入れようとして失敗している気がします。『アルマゲドン『2012』『デイアフタートゥモロー』『ディープインパクト』などのデザスター要素、『インターステラー』『ゼログラビティ』のSF要素、犯人は誰だのミステリ要素、トランプ政治にチクリと風刺をかましてやるぜ要素等々。もっと絞れよ。もしくはオリジナル要素で勝負しなよ。


ひどい映画です。でも、元々そういうつもりで見に行ったのでダメージはない。でも、その低い想定よりもさらに低かったですけど。
ハンバーガーも激安風俗も、とりあえず腹は膨れるし抜いてくれる。
ひどい締めでおしまい。


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