やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

2018年、私の映画ベスト10

順位は「この辺」くらいの感覚です


年末なので振り返りの季節。ベスト10を挙げるにはまだ早い時期ですが、今年は多分もう映画館に行くことはないので、今のうちに書いておく。
映画はアクションとシリアスドラマ、SFとラブストーリー等、ジャンルが違えば見る視点も違うし面白さの基準も違います。なので「このアクション映画とこのサスペンス映画のどっちが面白いか」というのは決められないなあと思っていて、あと「年末に振り返ってももうだいぶ忘れているのでランキングなどつけられない」ということもあり、これまで「今年のベスト10」みたいなことは考えなかったのですが、今年は映画を見るたびに一応ランキングをつけるようにして、記録しておきました。


今年映画館で見た映画は34本、DVDが32本。去年は映画館25本・DVD61本なので、映画館での鑑賞はちょっと増えてDVDはだいぶ減ったという結果です。これは、今年になって仕事が忙しくなり、家で2時間の映画を見る余裕がなくなったためです。
映画館での鑑賞は、6月末の時点で22本見ていたので今年は50本くらい見れるのかなーと思ったのですが、秋以降見たい作品が減ってこの本数に着地しました。
見た作品はそれぞれこのブログに感想を書いているのですが、唯一『パンク侍、切られて候』だけ書いていません。どうにも感想が言葉にまとまらず、書けませんでした。後半の猿の忍術とか、何なの?


では、ランキングを発表します。細かい感想はそれぞれのエントリを読んでください。ざっくり感想です。


第1位 スリー・ビルボード
ese.hatenablog.com
脚本、演出、演技、どれも満点でしょ。アカデミー賞受賞も納得です。
見る前に予想していたストーリーからだんだん外れていって、最後は全然違う場所にいる。「思てたのんと違う!」けど、それは裏切られたのではなく、遙か高い次元に連れてこられたのです。
反発し合っていたベクトルがラストで同じ向きになるのもいい。しかもそれは倒す・殺す・やっつけるという「攻撃」のベクトルではなく「赦し」のベクトルになっているのが素晴らしい。


第2位 ちはやふる-結び-
ese.hatenablog.com
1位でもいいのですが、それはこの3部作トータルでの印象なので、これ単体では2位に。
勝ち負けのロジック、フリと回収、描く部分の選択と集中。これらが上手い。ただ何となく勝った負けたではなく、そこに根拠がある。そしてそこに出てくる読み札にも意味がある。フリも「フリのためのフリ(伏線)」ではなく、その場面では映画として機能していて、さらに後半でそのフリが効いてくるという上手さ。また、原作はまだ続いているし描きたいエピソードはたくさんある中で、どれを描いてどれを落とすか。その判断が素晴らしい。ラストの「タッチ方式」に感動した!
何より、青春映画に必須な「その世界でその役者たちは生きていて、成長している」ができているから、それだけでこの作品は成功です。その上で上記のような上手さがあるので、より完璧。


第3位 彼女がその名を知らない鳥たち
ese.hatenablog.com
公開は2017年ですが、私の地方で公開したのは今年なので今年の作品とします。
正直そこまで期待していなかったのですが、Twitterで絶賛が多かったので見に行ったら、大絶賛!素晴らしい原作を素晴らしい監督が素晴らしい役者を使って作るとこんな素晴らしい作品になるのですね。登場人物は全員最低なのに映画としては最高ってどういうことだよ。
この作品で白石和彌監督への信頼は盤石になりました。この後の『孤狼の血』でもさらに惚れることになるのですが、その間の『サニー/32』のダメっぷりはどういうわけだ、と思っています。秋元康への嫌がらせなの?
あと、感情の機微や悪意の移ろいとかは女性の方が上手いなあとこういう作品を見るたびに思います。『紙の月』の角田光代さんとか湊かなえさんの作品とか。


第4位 カメラを止めるな!
ese.hatenablog.com
言うまでもなく、今年いちばんの話題作。面白かった。上手かった。
ネタバレ厳禁の本作、もうレンタル開始していますのでまだの方はぜひ見てください。絶対に面白いから。
この作品は順位をつけるのが難しい。面白かったのは間違いないのですが、低予算・無名キャスト・この設定だから、という部分も大きい。あと、当初2館のみの上映だったのが口コミでどんどん広まっていったというストーリーの底上げ感もあります。
なので、順位はあってないようなものですが、面白さは保証するので(これ、見て面白くないという人いるのかな?)皆さん見てね。


第5位 ゲットアウト
ese.hatenablog.com
これも2017年の作品ですが、私が劇場で見たのは今年なので今年の作品なのだ。
昨今のポリコレの流れを逆手にとったような上手い価値観の転換。この作品もネタバレになるのであまり書けないのですが、面白い。ホラーというほどの恐怖描写があるわけではありませんが、怖い。こいつら、怖い。
たぶんこういう作品はこれまでだったら私の住んでいる地方のシネコンでは上映してくれなかったと思いますが、SNSで盛り上がれば遅れてでも公開してくれる。いい流れだ。だから皆さん、面白い作品があったら積極的につぶやきましょう、拡散しましょう。その「好きの伝播」はいろいろなものを動かす力があります。


第6位 ミッション・インポッシブル/フォールアウト
ese.hatenablog.com
この辺から順位はあいまいです。
正直、この作品は映画として優れているかどうかは分かりません。脚本も分かりにくいし『ミッション・インポッシブル』シリーズとしての良さ(最新ガジェットの活躍とか)は薄いです。
でも、トムひとりで全部持って行きます。脚本とは関係なく、映画とは関係なく、まずどんなアクションをするかを考え、それを脚本に当てはめていった作り方。間違っていますが、トム映画としては大正解です。
トムが無茶をする。危ない!と見ている私たちは思うわけです。しかし、たぶん現場とトム本人はそれ以上に危ない!!!と思っていると思います。だってこの映画はトム・ドキュメント。それでいい。この作品に映画の物差しは不要だ。


第7位 リメンバー・ミー
ese.hatenablog.com
こちらは、トム映画とは真逆の満点の脚本です。本当にディズニー・ピクサーはスキがない。物語の整合性からポリコレ・ジェンダーに至るまでどの観点から見てもダメな部分がない。そしてそれを「正しい映画」ではなく「面白い映画」として作り上げているのが本当にすごい。しかも大人も子供も楽しむことができる上で大人には深い問題が描かれていることも分かる作りになっているのです。参りました。


第8位 孤狼の血
ese.hatenablog.com
これも白石和彌監督作品。いやほんと、上手い。これぞ「映画」!見たい人がお金払って見に来ているんだから、描くべきことは遠慮も躊躇もせず描くべき。フィクションの中はポリコレや倫理は及ばないのだ。
この作品は、役所広司はもちろん素晴らしかったですが、松坂桃李が素晴らしかった!あの黒目。
続編もあるそうですが、どういうお話になるんだろ。登場人物だいぶ死んじゃったよ。


第9位 万引き家族
ese.hatenablog.com
是枝監督の集大成。是枝監督は毎回善悪や白黒をはっきりさせないので分かりにくいとかすっきりしないとか思う人がいますが、これは面白かったでしょ、分かりやすかったでしょ。
是枝監督は毎回子役の演技指導が上手すぎて毎回ドキュメンタリーかな?と思うレベルで、今作も相変わらず上手かった。そしてその他のキャストも芸達者揃いなので皆さん優勝なのですが、その中でも安藤サクラが優勝でしたね。
正しいって、何だろうね。


第10位 search
ese.hatenablog.com
これは私の住んでいる地域では上映していなかったので、東京に行ったついでに見てきました。予想以上に面白かったです!
これもネタバレできないお話なので、まずは見に行ってくれ。面白いから。
あと、これも上記エントリで書きましたが、「全編PC画面だけ」という縛りは面白さを制限しちゃうとか無理矢理感が出ちゃうと思っていましたが、実際見たらそんなことないし、逆にこの縛りが新しい表現方法を生んでいるので、この方法は完全に正解でした。
これも小規模上映から始まって口コミで拡大していった作品です。最近上映が始まったばかりとかこれから上映会する地域もたくさんあるので、もし自分の近くで上映してたらぜひ見に行ってください。


以上、10位まで。こうして見ると『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』が高すぎるかなあと思いますが、見たときの衝撃と興奮はここだったのだ。トムにやられた。
その他面白かったのは『レディ・プレイヤー1』『羊の木』『勝手にふるえてろ』など。
逆に世間では評価高かったのに私にはあまりはまらなかったのは『ブラックパンサー』『ボヘミアン・ラプソディ』『グレイテスト・ショーマン』など。世間の熱狂ほど自分は熱狂しなかったというだけで、面白かったのですが、熱の差。


これを読んでどれかひとつでも引っかかったら、ぜひ見てください。どれも面白いから。