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岡村靖幸『少年サタデー』 感想

打率10割の人なんていない


岡村靖幸NEWシングル『少年サタデー』が発売になりました!そこで感想を書くのですが、実はそんな大層なことを書くほどの熱量や内容はありません。しかしTwitter140字では収まらない熱量はあるので、長い独り言としてこっちに書く。


『少年サタデー』
表題曲である『少年サタデー』、初めて聴いたときは「音、ちっちゃ!」と思いました。最近の岡村靖幸といえば強いキックとぶっといベースが代名詞というか名刺のようなサウンドだったのに。
このさわやかで軽やかなビート(EDMとは違う四つ打ち)からAメロが始まるのですが、弱い。サビで盛り返しますが、全体としてはちょっと弱いなー。
もちろん佳曲ではありますが、シングルという「世の中に問う!」曲としては、弱い。
まあ仕方ない。打率10割の人なんていないのだ。ポール・マッカートニーだってスティービー・ワンダーだって桑田佳祐だってヒットを打たないときはある。


ただ、この曲はライブで映えますね。サビの「言わば少年さ」の後のホーンの部分なんてリズムと照明と岡村ちゃんのアクションが一体化している様子が既に目に浮かぶぜ。


『セクシースナイパー』
なんつータイトルだ!優勝!
こちらは最近の「ザ・岡村靖幸サウンドですな。そのまま聴いてもファンキーなリズムとグルーヴ感のあるメロディですが、歌詞カードを見ながら聴くとよりグルーヴ感が増す。この言葉でこの譜割りか!
この曲は、出だしもいいしBメロもいいのに、サビがない!Bメロに思えたあそこがサビなんだろうけど、いや、あそこはBメロだろ。これから盛り上がるぞーってとこで下ろされる寸止め感。あーん、もっとちょうだい!


『少年サタデー』も『セクシースナイパー』も、岡村ちゃんにしては珍しくAメロからコーラスが入ります。どっちも本人の声かな?


『スーパーガール』(エチケット2019ver.)
本家はアルファベット表記なのに、今回はカタカナ。理由あるのかな?なさそうだな。
こちらはセルフカバーアルバム『エチケット』に収録されたアレンジを少し修正&歌い直ししたバージョンです。
『エチケット』は素晴らしいセルフカバーアルバムですが、ボーカル部分で一部「歌えないから変えた」と感じる箇所がいくつかあったのですが、2011年の岡村ちゃんはあれが精一杯でした。それから8年が経ち、年齢だけでいえば衰えているはずなのに岡村靖幸という男は年々フレッシュさを取り戻し(だから『少年サタデー』のような曲・歌詞が書けるのだ!)、ついにボーカルもかつての輝きを取り戻しました。
歌えている。細かいメロディの節回しも高音部分も、歌えている。まあ、自分が作詞作曲してるんだけどね。


アウトロのサウンドエフェクトの感じ、初めて聴く感触。今回からマニピュレーターに盟友白石さんとともに米田浩徳さんが参加しているので、もしかしてこの部分は米田さんのお仕事?


『スーパーガール』(BTFver.)
このシングルの収録曲が発表されたときから「BTFって何よ?」とベイベの間で話題になりましたが、もちろん岡村ちゃんは答えてくれやしないのです。
聴いたら分かった。「バックトゥフューチャー」だわ。映画のあれは「バックトゥ『ザ』フューチャー」で「BTTF」と略されます。あの映画は未来のパパとママが出会わなくなる(=未来の自分が存在しなくなる)危機を回避せよ、ということで「『あの』未来へ戻れ!」と明確な「あの(THE)未来」があるわけです。この曲は「これからの未来へ」なので「THE」がないのです。私の勝手な解釈。
オリジナルのアレンジに立ち返って、この名曲を未来に残すべく磨き直す。そんな思いで作ったのかなー。
さて、本作はオリジナルに忠実ではありますが、リズムが強化されています。強いキックが入っていますね。あと、サビ裏でエレピが弾いているフレーズがとてもいい。これはゴンドウトモヒコさんのお仕事かなー。勝手に想像しちゃう。


今回はアルバム『幸福』後、初のシングルなのに、岡村ちゃん本人の稼働はまったくなし。MVもなし。なんなんだ、売る気あるのか。ファンは何もしなくても買うと思っているのか。そりゃ買うけどさ、もっと外側に広げたいのよ。
あ、分かった。もしかして次に出す曲がめちゃめちゃ強力で、そこにプロモーションのお金つぎ込むのかな?勝手な想像はタダなのでいくらでもしよう。
熱量も内容もないといいつつ結局2,000字近く書いちゃった。

少年サタデー

少年サタデー