バカ少年マンガ
映画『アクアマン』を見てきました。公式サイト↓
wwws.warnerbros.co.jp
私、アメコミものはほとんど見ていなくて、特にDCは全然見ていません。なので、アクアマンが『ジャスティス・リーグ』に既に登場していることも知りませんでした。見てないから。
全体的な感想。「アクションの撮り方新しい!面白い!」「CGすげー」「CGっぽーい」「お話はしょぼーい」です。
オープニングのアトランティス王女アトランナと彼女を追うアトランティスの兵士との戦いで、カメラがぐるんぐるん回ります。私はカメラぐるんぐるんは好きではないのですが、これはアトランナを中心に撮っているのでとても見やすい。そしてカメラが縦横無尽に動き回るので、とても立体的にアクションが展開されていて楽しい!
ただ、若干CGのぎこちなさは感じました。あと、敵の兵士のコスチュームが仮面ライダーや戦隊ものっぽい(洗練されていない。もっといえば若干ダサい)のも気になりました。
本作は海の中がメインなので、ほぼCGです。普通の会話シーンも髪の毛は水でゆらゆら。うわー、撮影も加工も大変だー。それに加えて上に書いたような自由自在なカメラアングルでのアクションがあるわけです。どうやって撮ったんだろ。
「CGのぎこちなさ」と書きましたが、それはほんの些細な引っかかりで、全体としてはCG満漢全席のような圧倒的な映像でした。どうやって撮ったんだろ。
映像はすごいしアクションはすごいしアーサー(アクアマン)は魅力的ですが、お話はしょぼい。王位の争いとか対外的な戦いをさせないための内戦とか、物語のアウトラインは『ブラックパンサー』に似ていますが、現代アメコミが描く「ヒーローとしての苦悩」はほぼゼロ。単純明快、王道な筋運びです。
これでいい。最近のアメコミは辛気くさい。悩みすぎ。現代のポリコレや政治情勢を入れ込みすぎ。強くて魅力的なヒーローが悪を倒す!でいいのだ。『ダークナイト』は傑作だけど、2018年にこういうことをやろうとするともう一つ二つ苦悩要素を乗っけたりメタ的な表現になったりとより面倒くさい感じになるので、これでいいのだ。
これは少年マンガなのだ。イメージは『聖闘士星矢』ポセイドン編?
とはいえ、トライデント(三叉槍)を取りに行く際「危ないからやめな」から「行ってらっしゃい」までほんの数十秒で変わったりメラとキスするとってつけの場面とかは「テキトーだな!簡単だな!」とツッコミながら見ていましたが。
ラストの戦いも「結局武器の差?」と思ってしまいました。
ヒーロー映画は、敵役も大事。本作のオーム王とブラックマンタは、ちょっと魅力が弱かったなあ。オーム王の大義が私には納得できるものではなかったし、強さも悪さも十分に描かれていなかった。
ブラックマンタは単なる逆恨みですが、それは十分動機になる。アトランティスから武器の提供を受けて、それを自分なりにカスタマイズ。『アイアンマン』のトニー・スタークか!
そして完成したブラックマンタですが、土偶みたいなデザイン、カッコ悪い…。本人は作りながら「これはマンタだな。黒く塗ってブラックマンタという名前にしよう」と考えながらスプレーしていたのかな。中二か。
アクアマンを演じたジェイソン・モモアを始めとしてキャストは皆さんよかったですが、個人的にはニコール・キッドマン。美魔女でキュートな人間離れした(人間ではないわけですが)キャラがはまっていました。奥様は魔女ならぬ人魚。
そして、ネレウス王がドルフ・ラングレンだったのですが、私全然気がつかなかった。エンドロールでびっくりしちゃった。役者としては特に何も感じなかったな。
もうひとつ関係ない話ですが、シチリアパートはメラが地上界の楽しさを知るパートで、ここ、どう見ても『ローマの休日』ですよね。世間知らずのお嬢様が俗世間の楽しさを知り、男性との距離が近づいていく。ベタだけどそれでいいのだ。
というわけで、映画館の大画面でわっはっはと笑いながら見る分には楽しい映画でした。テーマや脚本も含めた作品トータルで見ると「大傑作!」とは言えませんが、男の子なら楽しめると思います。聖闘士星矢だし仮面ライダーだし戦隊ヒーローだし。
- 出版社/メーカー: 松竹 ワーナー
- メディア:
- この商品を含むブログを見る
DIAMOND SELECT TOYS DC Movie Gallery: Aquaman PVC Diorama Figure
- 出版社/メーカー: DC Comics
- 発売日: 2019/02/27
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る