やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

アメトーーク『RHYMESTER芸人』

RHYMESTERの記事、100回記念妄想放送


先日アメトーークで「日本語ラップ芸人」が放送されまして、面白かったのですが、日本語ラップ30年の歴史を1時間で語るにはさすがに無理がありました。せめて「日本語ラップ(曲)」と「MCバトル」は別でやってほしい。
そもそも、何でHIPHOPだけ毎回歴史の話をするのでしょう。ロックの話をするときにいちいちプレスリーが、とか言わないでしょ。もうその辺は前提・常識として、今語るべき日本語ラップの話をしてほしい。
また、Perfumeミスチルはアーティスト単体で1時間やるんだから、HIPHOPだってそれをしてもいい。というか、それくらいの時間がなければそれぞれの魅力は語り尽くせません。


というわけで、「RHYMESTER芸人」をやりましょう。
RHYMESTERとゆかりのある芸人は思いつかないので、先日の放送にはいなかった日本語ラップ好き芸人を勝手にキャスティングしよう。くりぃむ有田オードリー若林ザキヤマRHYMESTERファンかどうかは知りません。本文中の曲にまつわる発言はすべて私の捏造です。
ラップよく知らない芸人として先日と同じ狩野英孝フット後藤
本当はラップ解説者としてCreepy NutsのR-指定を入れたかったのですが、きりがないのでカット。本当の放送の際はぜひ入れてください。


それではスタート。


(オープニング)
蛍原「さあ、前回『日本語ラップ芸人』が大好評で、このラッパー取り上げてくれとかこのグループもやってくれとか、番組にメールがぎょうさん来まして、その中で今回やることになったのは『RHYMESTER芸人』です!」
(会場拍手)
蛍原「これは、ザキヤマが強くプッシュしたのよね?」
ザキヤマ「そうなんですよ、蛍原さん。僕はね、RHYMESTERに憧れてこの世界入りましたからね」
後藤「ウソつけ!ゴリゴリの有田チルドレンやないか」
ザキヤマ「いやでもね、僕は本当にRHYMESTERさんとお仕事もさせてもらっていて」
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蛍原「ほんまや。有田は昔ラップの番組やってたもんな」
有田「もちろんですよ。僕はアントニオ猪木RHYMESTERでできているようなもんですから」
蛍原「お笑いは?」
有田「お笑いはコント山口君と竹田君ですね」
後藤「有田さんそれは…、マジのやつじゃないですか」
蛍原「若林はどうなの?」
若林「僕は完全につい最近はまったばかりのニワカです」
後藤「でも結構できるって聞いてるで」
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狩野「上手いじゃないですか!ちゃんと面白いし」
若林「やっぱり春日をディスるとリリックがいくらでも出てくるんですよね」


ナレーションRHYMESTERとは」
有田「RHYMESTERは、ラッパーの宇多丸さんとMummy-Dさん、そしてDJ JINさんの3人でやってるHIPHOPグループです。テレビで日本語ラップの特集やると、ラップの歴史みたいなのやるじゃないですか。そこで黎明期の伝説的なグループとして、キングギドラブッダブランドと一緒に必ず名前があがります」
狩野「お笑いのビッグ3みたいなもんですか」
有田「全然違うけどまあそれでいいです。でも、たけしさんもさんまさんもタモリさんも、今も現役バリバリじゃないですか。で、やっぱりラップは若者の音楽なんで、年齢を重ねていくと続けるのは難しい部分もあるわけですよ。ブッダは活動してないし、キングギドラZeebraさんは今はオーガナイザー的な立場だし、Kダブさんは家事ラップとかしてますから」
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後藤「ディスってますやん」
有田「違いますよ。ただ寂しいなって」
ザキヤマ「ホコリだけにヨゴレってね」
蛍原「おい!」
有田「そんな中でRHYMESTERは今もバリバリに活動していて、ちょうど今年は結成30周年ということで全国47都道府県全部回るツアーやってます。そんなRHYMESTERの歴史を簡単にまとめたVTRがあるのでどうぞ」
(VTR流れる。ラストは『待ってろ今から本気出す』の「奇跡の齢50」の部分)
有田「ね、本当に奇跡の50歳なんですよ。単純に芸能界、お笑いでも音楽でも、30年続けるって大したもんですよ。それが未だに全盛期!ですから」
有田「メンバーを紹介します。まず、マイクロフォンNo.1宇多丸さんです。スキンヘッドにグラサン。世間はラジオの人、と思っている人も多いと思いますが、本業はラッパーです。この宇多丸さんがね、まー頭が切れる。博識で理論派。だからラップも不良の人のオラオラとは違うわけです。もっとこう、理詰めで相手を追い詰める感じ」

(『スタイル・ウォーズ』が流れる)
有田「もうひとりのラッパーがMummy-Dさん。こちらは、ラップが上手い。リリックや韻とかももちろんすごいんですけど、音楽として耳に気持ちがいいラップをするんです。あと、スガシカオさんとか椎名林檎さんとかとコラボするほど、引っ張りだこな方です」
椎名林檎『流行』が流れる)
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有田「JINさんは、DJの人です」
後藤「いや雑すぎるでしょ!」
有田「いや、DJはDJでいろいろあるんですけど、マニアックになりすぎるのもアレなんで、今回は(笑)」


ナレーションRHYMESTERのここがすごい」
若林のフリップ「不良でなくてもラップやっていい」
若林「僕も昔はラップって不良がやる音楽だと思っていたんですけど、RHYMESTERを聴いて『これ、俺じゃん』って思ったんです。いろいろ好きな曲はあるんですけど、『ザ・グレート・アマチュアリズム』のDさんのヴァースを聴いてください」
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若林「ね、『ネコ踏んじゃったすら弾けないが韻踏んじゃったらお前もライマー』なんですよ。あー、それでいいんだって。あと、宇多丸さんのルサンチマン溢れる中二病的な恨みつらみも『俺じゃん』って思わせてくれましたね」
ザキヤマ「蛍原さんも踏んじゃうんじゃない?」
蛍原「俺の名前は蛍原、やってやるぜここから」
有田「ラッパー!」
ザキヤマ「後藤さんも踏んじゃうんでしょ?」
後藤「俺の名前は後藤、長渕大好き後藤」
有田「ラッパー!」
蛍原「今のでええの?」
若林「マジカルバナナみたいになってますけど」
ザキヤマ「英孝ちゃんも踏んじゃう?」
狩野「俺の名前は狩野英孝、栄光で英語しゃべるぜ僕イケメン」
後藤「イケメンは英語ちゃうやろ!」
有田「ラッパー!」


有田のフリップ「誰からもディスられない」
有田「HIPHOPって、今のフリースタイルバトルとかもそうですけど、誰かをラップで攻撃するのもHIPHOP文化の一部なんですよ。いわゆるディスるってやつ。ラッパー同士であの発言が気に入らねえとかあの曲がダセえとか、そういうことをラップに乗せて攻撃することをビーフっていうんですけど、RHYMESTERはまーされない。どのグループとも仲いいし、どのラッパーにも尊敬されている。そんなグループいないですよ」
ザキヤマHIPHOP界のウッチャンだもんね。宇多丸さん色白だし
蛍原「その喩え、合うてんの?まあ、いい人なんやね」
有田「実際お会いしても、皆さんすげー低姿勢なんですよ。憧れのレジェンドなのに、宇多丸さんはお辞儀が誰よりも深い」
若林「宇多丸さん、昔伊集院光さんに『君は謙虚すぎて逆に攻撃的だ』って言われてましたよ」
有田「でも一度だけ、一度だけビーフを仕掛けられたことがあって、相手はあの般若さん」
蛍原「あー、あのラスボスやってはった人や」
有田「宇多丸さんはラジオで映画批評やっているんですけど、そこで般若さんが出た映画を番組でなぜ取り上げない、無視しやがったってビーフを仕掛けたんです」
後藤「ディスってきたんや」
有田「宇多丸さんはそれを受けて『だってガチャが当たらないんだもん』って。あの番組って取り上げる映画をガチャで決めるんですけど、ただそれに当たらなかったから取り上げなかっただけだったんです」
蛍原「なんやそれ、そらしゃーないやん」
ザキヤマ「英孝ちゃんが『番組でしゃべったのにカットされてる!』って怒ったらただウケなかったからカットされただけっていうやつね」
狩野「やめてくださいよ!ウケるときもありますよ!」
後藤「ここはオンエアされるの?」
有田「それは加地さんのガチャ次第です」


若林のフリップ「コラボの幅がすごい」
若林「さっきMummy-Dさんが椎名林檎さんとコラボしたって話ありましたけど、RHYMESTER本体も、めちゃくちゃいろんな人たちとコラボしてますから」
(主なコラボ一覧が出る)
若林「これでもほんの一部ですからね」
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後藤「清志郎さんともやってんねや!」
若林「そうなんです。これは清志郎さんの活動35周年記念の企画で、清志郎さんサイドからRHYMESTERにお声がかかったんです」
狩野「ゴスペラーズとかスキマスイッチとかもあるんですね」
若林「ラップグループが他のラッパーと一緒にやるのはよくあるじゃないですか。RHYMESTERもそういうのはちろんたくさんやっているんですけど、他と決定的に違うのは、ジャンル問わずってことなんです。ロックでもポップスでも、どんなジャンルでもRHYMESTERが加われば曲がよくなるっていう信頼があるからこうして引く手あまたなんですね」
ザキヤマ「英孝ちゃんもネタ番組から食レポまで幅広いもんね」
狩野「どっちも今は全然呼ばれてないですけど…」


有田のフリップ「曲の幅がすごい」
有田「カッコいい曲はもちろんたくさんありますが、RHYMESTERは政治的なシリアスな曲から下ネタのくだらない曲から落語的に笑える曲まで、振り幅がすごいの。ラップって元々何でも歌える音楽ですけど、こんなに全方位で上手いラップの人っていないですよ」
●カッコいい曲『B-BOYイズム』『ONCE AGAIN』『ラスト・ヴァース』『ゆめのしま』
●シリアスな曲『911エブリディ』『The Choice Is Yours』『Hands』『The X-Day』
●下ネタ曲『BED ZONE』『隣の芝生にホールインワン』『10Balls+2』
●笑える曲『けしからん』『前略』『余計なお世話だバカヤロウ』『梯子酒』
などがボードに書いてある。この辺もそれぞれ語りたいのですが、長くなりすぎるのでカット。
ザキヤマ「お笑いで言ったら竹山さんみたいなもんですか。俳優もやるしコメンテーターもやるし」
有田「竹山さんはお笑いの部分が足りないですけどね」


ナレーション「このリリックがすごい」
有田「まあ、紹介したい曲なんて山ほどあるわけですが、その中からほんの一部を。まず僕からですが、『B-BOYイズム』」
若林「日本語ラップのクラシックだもんね」
有田「日本語ラップで歴史に残る曲っていうのを100年後に作ったとしても必ず入ります。それくらい、RHYMESTERのみならず、日本語ラップ全体の代表曲です。そんな『B-BOYイズム』から紹介したいリリックは宇多丸さんのこのヴァース」
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数はともかく心は少数派 俺たちだけに聴こえる特殊な電波
よく見ときな最後はどちらの勝ちか アマノジャクたちの価値観

有田「この曲のリリースは1998年で、まだRHYMESTERもインディーズで、日本語ラップ自体も世間ではほとんど知られていない時代。そこでこの強気なリリックを書いて、実際それが現実になっているんですよ。すごくない?」


蛍原「じゃあ、若林は」
若林「今も若干ありますけど、昔はもっと『日本人がラップするなんて無理』みたいに言う人いたじゃないですか。で、そういう空気の中RHYMESTERの3人は戦ってきたわけですけど、この『ウワサの真相』という曲でDさんはこう反論しています」
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「日本にはHIPHOPは根付かねえ!日本人がラップするとはイケスねえ!
何の意味がある?この尻軽!所詮無理がある!」と不気味がるが
オレにゃ意地がある めざすオリジナル シェリルみたいにI Got To Be Real
投げ出したらギャルも寂しがる オレは罪なるスムースクリミナル

若林「日本人がラップ、できてるじゃん!しかもこんなカッコよく!でしょ?で、この曲は2001年なんですが、その13年後、2014年に陸上の為末大さんが『日本人がラップするのは違和感がある』ってツイートしたんですよ。それでライムスの皆さんは『またそこからですか…』って感じで2015年に『ガラパゴス』という曲を出すんですね。この曲で宇多丸さんは宇多丸さんらしく理詰めで説明してくるんですけど、Dさんは『ああ?何も知らないよそ者が何言ってんだ?』って感じですげー怒ってるんですよ。で、リリックももちろんすごいんですけど、『聴いたら分かるだろ!』ってスキルでねじ伏せてくるのがめちゃくちゃカッコいいので、聴いてください」
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(前半省略)
またピーチク パーチク うっせー小鳥のさえずり
にまたピーチク パーチク うっせー小鳥のさえずり返し
(略)
そうさ未だにオレらはマイノリティーだが今や弱者とは言えないぜ?
若手はどいつもハイクオリティーさ レジェンドだって負けらんないぜ?
君は違う(何か違う)何が違う?(何かが違う)
その違いを誇れ異端児たち 黙らせろあのアンチたち Blahhhh!!!!!

後藤「あー、小鳥ってのがTwitterのことなんやね」
蛍原「めちゃ怒ってるやん」
若林「この前半のぶつ切りみたいなラップの仕方あったじゃないですか。あれ、今のラップの最新型の歌い方なんです。きちんと世界水準の最新のトレンドも乗りこなしているぞ、っていうアピールもあるんですよ」
狩野「ちゃんと進化してるってことですね」


有田「蛍原さん、そういうのでいいなら僕もありますよ」
蛍原「有田、何何?」
有田「さっきの『B-BOYイズム』であの暗黒の時代にこの強い宣言して今に至るって話したじゃないですか。それを実証して今の時代に改めて『俺は伝説だけどまだまだやるぜ』っていう曲があるので聴いてください」
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何かっていや「らしくない」「正しくない」と決めつけられてきた 君と同じくらい
だが 結果どっちが正解? 今眺めてる景色を見せてあげたい
(略)
伸びるとこまで一度伸びると 毎度ぶっ壊して先んじとくと
迷えばフツー先人に問うが こちとらとうに前人未踏さ
ってな調子で四半世紀 だっていうのにいまだに全盛期
世界はそれを「奇跡」と呼ぶんだぜ 「懐かしい~w」はたぶん余分だぜ
ハートにいつも成長痛 感じてまだ全力疾走中
相も変わらず変わってく そのイズムは伝わってくさ いつだって

有田「これはRHYMESTER結成25周年のときに出た『Still Changing』っていう曲なんですが、彼らは日本語ラップの最初の人だからお手本もないし先輩もいないわけですよ。そしてレジェンドなんだから偉そうにしていてもいいのに、『変わらないために変わっていく』ってことを選んで、その結果レジェンドであり現役でありっていう今のポジションにいるわけです」
若林「実際、アルバムも毎回ガラッとカラーが違いますもんね」
有田「そう。毎回違うから、『うわー、今回はこう来たか!』って毎回新鮮な驚きがあるんです」


蛍原「ザキヤマはどうですか?」
ザキヤマ「まあ、ラップってのは言っちゃいけないことを言うってのも魅力のひとつでもありまして。この番組で言ったらM迫さんとかね」
蛍原「それは言うてええよ、全然」
ザキヤマ「いいんですか?コンプラかかんない?」
蛍原「大丈夫やって!宮迫ー!宮迫ー!ほらな」
ザキヤマ「安心したー。で、そういうヤバいことを歌うとCDになるときにピーが入ることがあるんですけど、この曲はピーだらけで何が何だか分からない、でもよく聴くと分かっちゃうっていう曲です。『BIG MOUTH2』」
(長いのでリリック掲載は省略。動画を貼りますが、オンエアではゴメンネ入りの音源が流れていると思ってください)
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後藤「ゴメンネラップやん」
若林「でも、流れで聴くと、結構分かりません?」
(リリックが書かれたボードを見ながら)
狩野「ここは確実に『寅さん』ですよね」
有田「ゴメンネ!」
後藤「これはホリエモン?」
有田「ゴメンネ!」
蛍原「もう、今さらええんちゃう?」
ザキヤマ「これは『BIG MOUTH2』って曲なんですけど、この前のアルバムに『BIG MOUTH』の1がありまして、こっちも人名いっぱい出てるんですけど、そっちはピーが入ってないんですよ。基準が分からない」
(同じく長いので歌詞省略。上の動画の前半部分です)
後藤「スリムクラブはええけど宮迫さんはアカンみたいなこと?」
蛍原「どっちもええって言うてるやろ!宮迫もロンブー亮も大丈夫や!」


(あと何曲も紹介したいのですが、永遠に終わらないのでこの辺で終わりにします)


蛍原「さ、終わりですけど、英孝ちゃん、どうでしたか?」
狩野「ラップはどうしてもとっつきにくいイメージがありましたけど、RHYMESTERさんは怖い感じもないし、ラップも聴き取れるので、ラップ初心者にはよさそうですね」
ザキヤマ「そう、聴き取れるってのが大事なの。ラッパーも芸人も滑舌が大事だから」
狩野「それ、僕をディスってます?」
蛍原「後藤はどうですか?」
後藤「RHYMESTERさんはいろんな人とコラボしてますけど、長渕さんとはしてないの?」
若林「残念ながら、まだしてません。でも、般若さんが長渕さんと仲いいので、RHYMESTERでは難しいかも」
有田「またビーフになっちゃうからね」


この辺で終わりでよいでしょうか…。つ、疲れた…!!書きたいことはまだ半分にも達していませんが、もう力尽きた…。


数年前にこういうのも書いています↓
ese.hatenablog.com