やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

さまぁ~ずライブで実施していたコロナ対策

ゼロリスクではなく、ローリスクで生きよう


先日行ってきたさまぁ~ずライブでは、このご時世ですから新型コロナウィルス対策がとても徹底されていたので紹介します。
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まず、入場時に検温。おでこに機器を近づけてピピッと測る。あんな一瞬で測れるのね。そしてサーモグラフィを通過。私はこの直前までビールを飲んでいたので不安でしたが、無事通過。
チケットのもぎりは自分で行い、半券を係員の持つかごに入れる。続いて係員から手指消毒液をスプレーしてもらい、手指に擦り込む。フライヤーの入ったクリアファイルも係員がテーブルに置くので自分で取る。とにかく、清潔と接触させないことが徹底しています。
最後に加湿器から出ている何かしらの霧を全身に浴びて完了。


検温によりグレーゾーンは排除し、ウイルスが付着しているかもしれない手指を消毒し、何かしらの霧で衣服も消毒。これで、外側は完全にクリーンとなりました。
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席についてクリアファイルを見たらこんなチラシが入っていました。残念ながら検温で弾かれた人は返金対応、会場内の対応の説明、咳エチケットの紹介、後日体調不良が起きたら連絡すること。


トイレに行くと、みんな手を洗っている。男子トイレでこんなにみんなが手洗いしている光景を初めて見ました。しかも指先を濡らすだけでなくきちんと洗い、さらに石けんまで!これまでの男子トイレでは考えられない光景です。来場者の皆さんから「さまぁ~ずのためにも絶対にここで感染なんてさせないぞ!」という強い意思を感じました。
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こういう張り紙もあり、
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トイレ出口には消毒液。


終演後は席により区切って退場させ、混雑しないように配慮しており、さらに会場出口にスタッフがいて手指消毒液をスプレー。
現実的にできる対策としては、これ以上のものはないのでは?


新型コロナウィルスの感染リスクとして「3密」があげられています。換気の悪い「密閉」空間、人が「密集」する近距離、近距離での発声や会話による「密接」。この3つが危険ということは、この3つをいかに回避するかが大事なわけです。


まず「密閉」ですが、こういう劇場は興行場法により換気基準が定められています。野外ではありませんし窓もありませんが、密閉空間ではないのです。クリア。
「密集」や「密接」についても、指定席でみんなが同じ方向を向いて大声上げるわけではない舞台という公演形態なら、問題ないですね。クリア。
となると、後は「ウイルスの持ち込み」と「誰か触った何かに他の人が触る」という物理的伝染が危ないわけで、それは上に書いた諸々の対策でクリアできていると思うのです。


もちろん、安全性は100%ではありません。ここまでしても感染者が出る可能性はあります。でも、それはもう「仕方ない」の範疇では。日常生活で電車や飲食店などで他人と触れあう、ドアノブを触るなんてことは当たり前で、そこから感染する可能性はあります。それと比べたら、考えられるリスクに対してはすべて対策しているわけで、都会の日常生活よりは安全といえるでしょう。


東京では外出自粛のお達しが出ました。あくまで要請で補償はしないけど空気読めよなという国と同じ対応ですが。もしこのお達しの後だったら開催は難しかったかもしれません。ぎりぎりセーフ!
あと、個人的にファインプレーだと思ったのが、「開催します!」を大々的に言わなかったこと。東京事変、宝塚、K-1。万全の対策を準備して開催しても叩かれる。患者が出なかったのに叩かれる。これが今の世間の空気です。
そこで「言わずにやる」。それでいい。


今は花見も自粛だし映画館も休館。花見なんて野外で風通しいいし、数人で開催する分にはリスク少ないと思うのですが。東京は混雑した環境でやるので違うのかな?
映画館は、この状況ではお客さんが来ないから無理に営業するより閉めた方が営業的にプラスと思って休館しているのかもしれません。でも、映画館だって空調万全だしみんなが同じ方向を向いているし大声で騒ぐわけではないので、「3密」のリスクは低いのです。
何でも一律に自粛!中止!ではなく、リスクを考えて行動した方がいいと思うけどなー。混雑するスーパーの方がよっぽどリスク高いよ。


そう考えると、通勤電車は空調設備あるし数分ごとに停車して空気入れ替えするし乗客はうつむいてスマホ見ているだけなのでリスクは低い。パチンコ店だって、あのタバコ空間ですから空調設備は万全だし、みな台の方を向いて無口。ハンドル部分が気になりますが、今だったら店員がその都度拭いていると思う(行っていないので実際は分かりませんが)ので、これもリスクは低い。
逆にライブハウスは「3密」すべてを満たしてしまうので厳しい。飲食店も厳しいですね。学校なんて子供たちが会話も接触もしないわけないので、危険度は高いです。それでも、移動制限と併せて考えて、付近で感染が出ていないのなら再開してもいいと思います。もちろん万全の準備は必要。
そもそも、感染者がいなければ「3密」であっても新型コロナウィルスに感染するリスクはゼロですからね。それも考えて行動しましょう。


ゼロリスクではなく、ローリスクで生活できないかしら。極論すると、今までもそして今でもインフルエンザは流行していて死者も多く出ています(昨年は3,000人以上が亡くなっているのです!)。自動車事故でも毎年3,000人以上亡くなっています。それでも経済活動はストップしないし車をなくせという動きにもなりません。リスクとともに生きているのです。
どこで線を引くか。難しいですが、日常や生活を考えると「いつまでも何もしない」は無理ですから。数日家に居るだけでウイルスが消えるわけではありません。数ヶ月はかかるでしょう。であれば、やはり「ローリスク」という線引きをしなければなりません。


とはいえ、これを書いている今は「とにかく一旦ストップ!」の時期なのは間違いない。感染者がいたら治療する、感染者から新たな感染者を生み出さない。そのために一旦ストップ。そこは理解します。
ですので、この文章はそのちょっと先の話。


まとめ。
●「3密」で危険度を考えよう
●対策をしっかりしていれば、興行は日常生活よりリスク低いのでは
●0か100ではなく、日常と折り合いをつけてローリスクな生活をするためにどうすればいいか
早く事態が収束(終息はしないと思う)して、皆さんがほどほどの緊張感を持ちながら日常生活を送れるようになってほしいです。


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