やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

樋口有介「ピース」 感想

思わせぶりのアイウォンチュー


樋口さんの作品は初めて読みます。
以前書店で「この表紙のイラストを覚えておいてください」的なPOPがあったので気になっていて買ってみました。
そうしたら、なるほど、そういうことなのね、と深く納得。


しかし、それ以外に納得できないことが多すぎるぅー。

■結局、小長がマインドコントロールにより犯行を実行したようですが、「マインドコントロール」ってそんなに万能なの?ラストの自爆も含めて、そこまで思い通りに他人を動かせるもんかな。

■小長と山鹿が仲良く飲んでいるのは不自然じゃない?
悪意を抑えられるもんかな?

■梢路は事件には全く関係ないの?
彼の事件の実際の理由や原因は何なの?近親相姦はあったの?
彼の過去は本筋に何か関係・影響あるの?

■樺山咲は何なの?
この物語に必要なの?
梢路と同級生だからって何?それが何か?

■あのお爺さんいる?

■そのお爺さんの台詞で「あのちょんまげの写真家」という台詞は不要だった。
すぐ小長がピンときちゃう。単に「写真家」でよかったのに。


この辺の、伏線と見せて結局何も関係がないのはわざと?
読者のミスリードを誘うため?
ミステリのマナーに反しないのかな?


でも、キャラクター描写や台詞はうまく、途中物語が進まないところでも読ませる力があります。
だからラストの動機の部分やその後の真相の部分が活きてくるのですが。
※本当は、であればマスターの描写ももっと深く書いて欲しかったなあ。


ピース (中公文庫)

ピース (中公文庫)