やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

樋口毅宏「さらば雑司ヶ谷」 感想

ヒップホップ世代のハードボイルド?


私は普段ハードボイルドものやバイオレンスものは読まないのですが、「本編に関係ないのにオザケンタモリを熱く語る」「ロッキングオン山崎洋一郎をリスペクトしている」などの情報から、読んでみました。相変わらず、文庫になるのを待って。

2010-01-28 - 死んだ目でダブルピース
さらば雑司ヶ谷 - 山崎洋一郎の「激刊!編集長日記」 | ブログ | RO69(アールオーロック) - ロッキング・オンの音楽情報サイト
作家・樋口毅宏にインタヴュー - 兵庫慎司の「ロックの余談」 | ブログ | RO69(アールオーロック) - ロッキング・オンの音楽情報サイト


ハードボイルドなのでストーリーが荒唐無稽なのは問題なし。バイオレンス要素も、非現実すぎてあまりグロい感じは受けませんでした。スピード感を持ってさくさく読めてしまいます。


この小説は映画や小説の引用にとどまらず、音楽・音楽雑誌(インタビューなど)・漫画など、サブカル全般から影響を受けていて、巻末でそれらがずらっと明記されているのが清々しい。
引用や影響を明らかにする姿勢や、元ネタがサブカルだったりするところが現代っぽい。オマージュというかコラージュというか。ヒップホップの「換骨奪胎」な感じ。
とはいえ、作者は1971年生まれと、ヒップホップ世代ではないですね。以前の職業が「編集者」という部分で「切ったり貼ったり」が上手いのかな?


映像化するとこの辺の「味」が無くなってしまうので、映像化は止めていただきたいです。
次は「雑司ヶ谷R.I.P」ですが、まだ文庫になっていないのでそのうちに…。


オザケンのくだりは各所で取り上げられているのでそちらを読んでください。

さよならなんて云えないよ

さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)

さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)