「サブカル・スーパースター欝伝」吉田豪 感想
読むと欝になりそう
しばらく前に買って読んでいたのですが、感想を書かずにいました。あんまり何回も読み込んだりするとそっち側(欝の方)へ引きずり込まれそうで怖かったので…。
なので本文引用などもありません。記憶のみで書きます。
「サブカルは40歳を過ぎると欝になる」というのは本書の著者である吉田豪の言葉です。サブカルの先輩たちが40歳前後で暗黒面に没入していくのを見て、なぜ欝になったのか、そしてどうやって克服してきたのかをインタビューしてまとめたものです。
本書に登場するのはリリー・フランキー、大槻ケンヂ、川藤正幸、杉作J太郎、菊地成孔、みうらじゅん、ECD、松尾スズキ、枡野浩一、唐沢俊一、香山リカの面々。
多くの人に共通しているのは、40歳前後になるとまず体力が落ちてくる。そしてそこに私生活のトラブル(離婚や親の病気・死別など)が重なると対応しきれなくなり、暗黒面へ。
また、若い頃は金も名声もなかったのが、キャリアを重ねていくうちにそういうものを手にしてしまうと、そういう金や女性問題でまたトラブルを招く。
若いうちはやりたいこともたくさんあってがむしゃらに働いてきたのが、この歳になるとなんとなくやり方が分かってきて、そして自分からアウトプットできるものが減ってくる。そこに体力問題などが重なると、それも暗黒面への入口となる。
などが原因のようです。
私たち一般人は彼らのような「自分の体験を搾り出す」「創作活動で何かを生み出す」ことは少ないですが、歳を取ってくるとやはり瞬発力や発想力は落ちてくるように思います。
また、何か新しいことをやろうと思っても時間がかかる(=夜遅くまでかかる)ものは「眠い」「疲れる」などの体力的な面から億劫になってしまいます。
社会人としても中間管理職の立場の人が多くなり、上と下の板挟みの日々。
あとは新しい映画や音楽に触れても以前ほどワクワクドキドキしなくなってくるし。
若いうちに結婚した人は子供が反抗期になったり、夫婦間もマンネリになったり。結婚していない人はこれからも一人かと思うと不安になったり、やはり私たち一般人でも暗黒面へ落ち入る可能性はありますね。
体育会系の人や湘南乃風が心から好きで「ガチでお前を守る」ようなメンタリティの人はこうはならないですよね。それは基礎体力の違いであったり、目の前の現実(家族や親や近所づきあいなど)を楽しめる心の持ち主だから。
それに引き換えサブカルの私たちは、つまらない日常を楽しくしていたのはサブカルだったのに、それをあまり楽しめなくなってきて、そこに私生活の問題が入り込んだときに体力面の弱さから対応しきれなくなったりして。
ああ怖い。他人事じゃないな。
というわけで、まずは体力作りが肝心だと。スポーツジムにでも通えば体力作りの他に今まで自分の周りにはいなかった人たちと出会えて健全になれそうな気がしてきました。
でもまずはスポーツジムに通えるほどの体を作らねば…。
- 作者: 吉田豪
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2012/07/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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