やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

佐野元春のザ・ソングライターズ

ポップミュージシャンは現代の詩人なのか?


佐野元春がミュージシャンを招いて「言葉」つまり「歌詞」について講義の形を取り対談を行う番組。年に一度、3ヶ月くらい放送してはまたお休みになり、また翌年始まるパターンで続いています。


この番組は、普段テレビや音楽番組に出ないミュージシャンが出てくれることだけでも楽しみ。鈴木慶一キリンジ七尾旅人中村一義大木伸夫なんて、この番組でなければ決して見ることができないでしょう。
また、佐野さんだからこそ訊ける質問や、佐野さんが相手だからこそ心を開いてしまう瞬間などが見れるのもこの番組の醍醐味の一つ。
(お客さんが熱意のある学生、というのも要因の一つだと思います)


ただ、この番組については、ひとつ根本的な疑問や不満点があります。
それは、
■歌詞はポップミュージックの要素のひとつに過ぎない
■歌詞はリズム・コード・メロディ・アレンジと合わさって初めて成立する(文章のみでは意味を成さない場合がある)
■歌詞の意味や文脈よりもリズムやメロディを優先する場合がある
などです。
なので、歌詞だけを抜き取って語り合うことは、そんなに意味を持たないのではないか?ということです。


佐野元春自身がビートの人であり、誰よりも早くラップを取り入れたりしたように、歌詞が単なる文章でないことは誰よりも自覚的であるはずなのに、なぜ歌詞だけを切り取って語ろうとするのか、そこが不明・不満なのです。
なので、歌詞について訊くときに、リズムやメロディとの関連についてももっと触れて欲しいのです。


それでも、今シーズンは中村一義大木伸夫星野源山崎まさよしと、素晴らしいラインナップが並んでいます。毎回6人なので、あと2人。個人的な希望としては野田洋次郎に出て欲しいなあ。あとは桑田佳祐岡村靖幸小沢健二などのレジェンドにも。また、松本隆以外は専業の作詞家は出ていないので、秋元康いしわたり淳治なども別の視点からのお話が聞けそうで楽しみ。NHKさん、次のシーズンでいいので、オファーお願いします。