やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「ポテチ」 感想

中村親分の演技は誰がディレクションしたのかしら


伊坂幸太郎×中村義洋×斉藤和義×濱田岳。ハズレのわけがない。


今回は原作が短編ということで68分というコンパクトなボリュームでお届け。
この原作もいい話だったのでいい映画になると思っていたのですが、思ったよりはイマイチでした…。68分とコンパクトなのにそれでも間延びした感じがしました。
この映画は東日本大震災の復興支援も兼ねているので、準備期間があまりなかったのでしょう。だから所々にアラというかほころびというか「金がない感」がチラチラと見えてしまいました。球場のシーンなんて本当は満員にしなければいけないのに、外野席一人もお客さんいないなんて。
※いや、これは「あるキング」でも登場した万年Bクラスの「仙醍キングス」だからこれでいいのかも。


中村親分を中村監督自身が演じているのは名前が中村だから?お金がないから?どっちでもいいのですが、中村監督の演技がひどくて、名前の一致だけで出演したのであればそれは誤りだ!
でもエンドロール途中のあのシーンは良かったです(中村監督でなければなお良かったけど)。
濱田くんは毎回素晴らしい。技術のある「上手い」という演技でもないし、かといって素で喋っている感じでもない。きちんと演技しているんだけど、自然。
木村文乃(ふみのと読むんですね。あやのだと思っていた)は、輪郭がきれい。目鼻立ちはそんなに派手でないので、化粧でいくらでも化ける感じ。会社の同僚にいたら、普段は地味で気づかないのにデートしたらそのきれいさにビックリしそう。俺は何を言っているんだ。


タイトルの「ポテチ」の部分、原作だともっとグッときたんだけどなあ。
あの場面は「このポテチの取り違えは大きな意味を持つのだが、それに気づかない彼女の自然な演技とセリフ。でも大きな意味を持つのでそれにふさわしい演技とセリフ」という、非常に高度な技が必要とされる場面で、木村文乃の演技はちょっとそこまではいかなかったなあと。
あと、石田えり演じる母親も「スターはスターですごいけれども、何の取り柄もない我が子の親で自分は十分幸せ」という感じがもうちょっと欲しかったです。息子を貶める発言が多かったので、「でも息子は最愛だ」という感じが出る描写やセリフが欲しかったです。


テイストや空気感は良かったのですが、でも原作の方が良かったです。
準備万端の次回作に期待です!



映画『ポテチ』予告編



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