ミスチル桜井さんとコブクロ小渕さん対談「コードのイメージ」
桜井さんは年々笑顔で顔くしゃくしゃで目がなくなっていきますね
「僕らの音楽」で、ミスチル桜井さんとコブクロ小渕さんが対談しました。
その中で小渕さんが「僕は全コードにイメージがある」と言っていました。
■Dなんて、最高のラブソングしかできないコード
■Gは勇気があふれてくる
■Eはあっけらかんとしていて、ノリでどんどんいける
だそうです。
私もアコギを嗜むので、このイメージ、分かりますよ!
しかし、桜井さんは「小渕くんの手癖がコードの印象を決めてるってことないのかな?」と疑問を挟みます。
Gはsus4、Dはadd9などを入れるから、そういうイメージになるのでは、ということ。
なるほど。さすが桜井さん、ひとつ上をゆく男。
アコギでローコードで弾くと、確かにそんなイメージはありますね。
でも、歌手の皆さんは作曲の際にあるキーとそのイメージで作っても、メロディの高さにより声の一番いい部分が鳴るようにキーを調節していないんですかね?歌本見ても中途半端なカポ使用はそのためだと思っていました。
小渕さんはカポでキーが変わっても手はローコードのままで弾けばそのイメージは変わらないのかな?
そもそも、ギターという楽器は作曲には不向きですよね。
キーボードだったら押さえる場所を変えるだけで、手の形はほぼ同じのままいくらでもキーは変えられます。これがギターだったらEで始まるかGで始まるかで全然違う。
メジャー・マイナーコード以外のややこしい響きのコードも、キーによっては非常に押さえづらい。となると無意識的にもそのコードは避けてしまいます。
山下達郎は「作曲にはギターは使わない」と言っています。自由度が奪われるからだと。
さすが達郎さん、もうひとつ上をゆく男。
再び対談に戻ります。
小渕さんはギターを抱えて作曲をするそうですが(だからコードのイメージをいろいろ考えるんだな)、桜井さんは「鼻歌」だそうです!しかもそれはモチーフではなく、ほぼそのまま実際の曲のメロディとして活かされているそうです。それも、メロディだけでなく、コードの響きまで頭の中になっている鼻歌なんだって。
これには小渕さんビックリ。才能の違いにがっくりしたかも。
しかし、ということは、桜井さんはコードのイメージにもギターの手癖にも縛られていないのですね。
さすが桜井さん、さらに上をゆく男。
というわけで、作曲者桜井和寿の素晴らしさの一端が垣間見れた対談でした。
個人的にはこういう専門的な音楽談義をもっと聞きたいのです。
以前雑誌で桜井さんはレミオロメン藤巻亮太と対談した際、「『粉~雪』という強いメロディに「粉雪」という柔らかい言葉を乗せるのはなぜ?」という質問をしていました。やはりメロディや歌詞だけでなく、その歌詞の「乗り方」まで気にするんですね。ちなみに藤巻さんの答えは「そこまで考えてなかった」でした。
記録メモ「ミスチルの代表曲のキー」
■C(ベタ・フォーク調)
「トゥモローネバーノウズ」「蘇生」「掌」「くるみ」「しるし(D♭)」「HANABI(D♭)」「End of the day」
■D(ラブソング)
「クロスロード」「花(Dm)」「口笛」「タガタメ」「and I love you」「GIFT」「花の匂い」「365日(E♭)」「祈り」「Pieces」
■E(いけいけどんどん・スケールでかい曲)
「イノセントワールド」「es」「シーソーゲーム」「終わりなき旅」「光の射す方へ」「youthful days」「パドル(E♭)」「箒星」「ファンファーレ(F#)」
■F
■G(勇気りんりん)
「虹の彼方へ」「抱きしめたい(サビで転調するけど)」「車の中でかくれてキスをしよう」「Replay」「名もなき詩」「Everything」「ニシエヒガシヘ(Gm)」「Sign」「彩り」
■A(生真面目)
「星になれたら」「eveybody goes」「マシンガンをぶっ放せ(Am)」「NOT FOUND」「君が好き」「HERO」
■B
「未来」
結構、小渕さんのイメージ合っていると思います。小渕さん以外のイメージは私の独断です。
FやBはやっぱり少ないのね。