こんなグロい話が実話だなんて
ついに見てしまいました。
「愛のむきだし」があまりに衝撃的だったので今作も見たいと思っていたのですが、題材が怖いので描写も怖いんだろうなと思い、なかなか手が出ませんでした。それでもついに見てしまいました。
吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵などが主要キャスト。
公開時は神楽坂恵のヌードが話題になりましたが、演技はたいしたことないと思いました。ただし、おっぱいはすごい。
それよりも、でんでんと黒沢あすかが素晴らしかったです。
社本の家庭は妙子(神楽坂恵)が後妻であることもあり、うまくいっていない。
妙子はスーパーで適当に冷凍食品やインスタント食品を買い、とりあえず「家族の食卓」という体裁を取り繕う。しかしそんなハリボテの家族なので食事中でも娘は友達の誘いに家を出て、そんな娘を社本は叱ることもできない。
そんな中、娘が万引きで捕まったと連絡が入る。警察に連絡するのを止めてもらったのが、スーパーの店長と知り合いの村田(でんでん)であった。
でんでん演じる村田の強引なバイタリティは、ワンマン社長などによくいるタイプ。個人的には非常に苦手です。お近づきになりたくないなぁ。演技とは思えないほどの熱量・テンションに本当に嫌悪感を抱きました。まさしくこの映画のMVP。関係ないけど中田カフスを思い出しました。あー怖い。
吹越満演じる社本は私と同様の小市民ですが、娘の万引きを見逃してもらった手前、断れずに付き合っていくうちに戻れない悲劇に巻き込まれてしまいます。
黒沢あすかは村田の妻で、彼の運命共同体。男のバイタリティなどに惚れるのでしょうか。
それにしても狂ってる。
人を簡単に殺し、死体を解体し、肉は細かく刻み骨は灰になるまで焼き川へ撒く。それをこの夫婦は平然と、いやむしろ楽しみながら行う。映像も遠慮無し。血肉をばんばん描写します。
「ボディを透明にする」というセリフが軽くて非常に恐ろしかったです。
この村田は父権的な面が強く、場面場面で社本に説教を垂れます。殺人者ということを差し引けば、結構いいこと言っていたりする。そして社本の父親的な壁として立ちはだかり、社本はそれを暴力的な変身により乗り越えます。
家に戻った社本は家族に「家族の食卓」を強制し、無理やり家族の形を取り戻そうとします。既に社本も家族も崩壊しているのに。
ラストでは社本は妻も殺し、娘の前で自決します。そして娘はそれを見て「ざまーみろ」と笑います。
あれ?ここまで凄まじいテンションで非常に素晴らしかったのに、このラストは理解できません。
社本はこんな事件に巻き込まれてしまい、妻と無理心中を図ったのかな?娘はいくら親がうざいとはいえ、目の前で首を掻っ切って死なれて笑えるかな?そこまで憎悪していたとは思えないけど。
というわけで、ちょっと個人的にはグロ過ぎて、オチがよく分からなかったので「大満足!」とは言えない内容でした。
でも、この映画が傑作であることは間違いありません。全く飽きる・だれることなく観させる圧倒的なパワーはさすが園子温監督。
観た後にウィキペディアでこの作品の元ネタである「埼玉愛犬家連続殺人事件」を見たら、ほぼそのままの内容でびっくりしました。こんなグロい、非道いことを実際にやった人がいるなんて…。
最後に、いくつか不明点を。
■神楽坂恵演じる妙子が村田に抱かれますが、そこで「もっとぶって」と懇願します。村田のバイタリティに精神が解放されたから?ドMだから?抱かれるのはいいのですが、そこまで食いつかれるとちょっと引くというか笑っちゃうというか引いちゃうというか。
■社本が最初の殺人に立ち会った時、村田夫妻が死体を解体している最中に警察に通報でもそのまま車で逃げるでも何でも出来たと思うのですが。恐怖で何も出来なかった、というのが一応の理屈だと思いますが、いやできたでしょ。
■村田のパートナーである筒井が死んだ時、運転手の若者は取り乱していましたが、彼はそれまで何も知らなかったのでしょうか?やばい会話の最中にも同席していたし、一蓮托生だと思うのですが。
■妙子、谷間出し過ぎ。
■神楽坂恵の演技はたいしたことないと思ったのですが、園監督はなぜ彼女と結婚したのでしょうか。次の「恋の罪」で化けたのかな?それともおっぱい?
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2011/08/02
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 97回
- この商品を含むブログ (108件) を見る
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2011/08/02
- メディア: Blu-ray
- 購入: 5人 クリック: 546回
- この商品を含むブログ (48件) を見る