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桑田佳祐「音楽寅さん」 感想

これ、音楽寅さんじゃないじゃん&アルバム期待できるかも

3年ぶりの音楽寅さん
桑田佳祐のNEWアルバム(変則ベストアルバム)発売と、お台場合衆国スタートと、そのお台場合衆国のテーマソングを桑田さんが手がけたということでの復活。
音楽寅さん」といえば毎回いろんな企画で桑田さんが音楽と戯れていたのに、今回は上記の宣伝がメインのため、「番組」の部分はほんの少しでほぼ桑田さんのライブ映像でした。
まあ、これはこれでありがたいのですが。


今回のライブを見て、ちょっと桑田さん年取ったなあ、というのが正直な感想。
テレビ収録だからか、当日雨だったからか、ちょっと元気が足りないように思いました。声も動きも。
また、モニターに歌詞が出るのは以前からでしたが、今回はついにコード(GとかAmとかのあれです)までモニターに表示されていました。それも小節ごとに。これだったら私でも桑田バンドに参加できそう。うそです。


「番組」の部分でも、もっとユースケとからんで一緒に何かやってほしかったのに、ユースケがひとりで各番組を渡り歩いているだけだったのでちょっと残念。
肝心のテーマソングは本当に「MASARU」でいいのでしょうか…。以前めざましテレビで紹介された時は「MATSURI」だったような…。


前回のアルバム「MUSICMAN」は個人的にはイマイチでした。
桑田さんは「ベタなコード進行で素晴らしいメロディを作る」ことにかけては日本一です。それを日本一たらしめているのはリズム感というかグルーヴ感であり、そのグルーヴ感をもたらしているのは歌い回しと歌詞の素晴らしさです。(もちろん声や歌唱力も!)
「ダーリン」なんて非常にベタなコード進行ですが、16ビートのリズムなのであんな名曲なのです。
歌詞の素晴らしさというのは、歌っている内容そのものもそうなのですが、それ以上に「歌詞」として、リズムとメロディの乗せ方が日本一なのです。そう、「歌詞」は「詩」ではないのです。(桑田さんは昔「たかが歌詩じゃねえかこんなもん」という歌詞集を出しています。あれ、こちらは「歌詩」ですね。)
「ロックを日本語で歌う」というのははっぴいえんどの昔から試行錯誤がされてきて、サザンオールスターズでひとつのメソッドができたと思っているのですが、桑田さんはサザンデビューの頃から「女呼んで揉んで抱いていい気持ち」ですからね。さすが。
それが、このアルバムではコード進行がおかしい。あえて変則的なコード進行にしているのかな。なので、あまり聴いていて気持ちよくない。メロディがしっくりこない。


今回のアルバムも、コーヒーのCM曲やらちびまる子ちゃんの曲やら出している曲が中途半端なので、以前出した「桑田さんのお仕事」みたいな「とりあえずコンパイルしました」的なアルバムになるのではと思っていたのですが、今のドコモのCM曲など、「ベタなコード進行」が戻ってきていい感じです。これは期待できそう!
そして11月のライブも楽しみです!


<関係ない話>
今回桑田さんは髪を短くカットされていて、ビートたけしのように感じる瞬間が何度かありました。
1994年、私は「孤独の太陽」のツアーを見に行きました。94年だから桑田さんは当時38歳です。サザンとしては「世に万葉の花が咲くなり」の後です。当然既に大スターなわけですよ。それなのに桑田さんは舞台上でお尻を出していました。何てカッコいいんだ!これだけビッグになっても、おっさんになっても、お尻を出す。そこで同じようにビッグになってもブリーフ一枚になったりするたけしさんと重なって見えたのです。
確かにずっと大スターなのにシャイで、でもカメラの前だと無茶しちゃう感じは似ていませんか?