やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「交渉人」 感想

本当に私の心は曲がっているんだな

知り合いに「何かオススメの映画ない?」と訊いて勧めてもらった今作。
しかし私はあまりはまりませんでした。ネットでのユーザーレビューも概ね好評なのに。
やはり私の心は曲がっているのだな。


「交渉人」というとエディー・マーフィーの「ネゴシエーター」やユースケ・サンタマリア米倉涼子の「交渉人」などがありますが、私が見たのはサミュエル・L・ジャクソンケビン・スペイシーの「交渉人」です。


有能な交渉人であるダニー・ローマン(サミュエル・L・ジャクソン)は、殺人と横領の濡れ衣を着せられ、年金基金の着服疑惑で自ら臭いと思っていた内務捜査局に押し入り、真相究明のため局長のニーバウムら四名の人質を取り立て篭もる。そしてダニーは警察側に西分署の同じ人質交渉人のクリス・セイビアン(ケビン・スペイシー)を呼ぶよう要求。
(ウィキペディアより抜粋)


そもそもこの立て篭りが納得できない。こんなことしたら自分の立場はさらに悪くなっちゃうし、これで解決できるかどうかすら分からない。有能な人物であるダニーがなぜこんな無謀なことをするのか。いくら追い詰められていたとはいえ、もっと別のやり方は思いつかなかったのか。
え、映画のためですって?無実を証明するために無茶したら面白そうだから?
また、クリスと対決するのですが、そもそも二人はお互いが敵ではありません。ダニーの目的は真実の究明だし、ケビンの目的は人質の救出。つまり、相手を倒す(交渉で打ち負かす)ことが目的ではないので、お互いのベクトルの向きがよく分からない。
え、これも映画のため?「IQ180の頭脳戦」なんてキャッチコピーカッコいいでしょ?
そして、この二人の頭脳戦だけならいいのですが、途中でちょいちょいアクションを入れ込んできて、それもスリリングではないのであまりアクション効果は無いような…。
これも映画のためですって。頭脳戦だけだとだれるでしょ。だから映画らしくドンパチを。
ラストで黒幕が明かされ、その黒幕を陥れる場面は良かったです。ただ、この黒幕を「意外なオチ」にするために、別の人物を黒幕フラグにしすぎ。それ自体はいいのですが、事件解決後に急にそのフラグ人物はいい人になっていて、途中あんなに突入だ射殺だ言っていた人とは別人です。
オチのためのフラグなんだからいいのですが、人物造形がぐだぐだですよ。


主役二人の演技は文句なし。さすがの名優、素晴らしいです。
また、98年の映画なのでIT関係が今と違うのが面白かったです。
ケータイでか過ぎ。無線と区別がつきません。当然通話以外の機能は無し。ポケベルがまだ健在。
パソコンはフロッピーだし、画面もwindows以前。サーバーやネットという概念も見えなかったです。私はIT全く疎いのですが、98年ってまだこんなパソコン・ネットレベルでした?
これは全然この映画の批判ではなく、単なる「へえー」っていうレベルの感想です。


<関係ない話>
警察車両がどんどん登場してくる場面や武装警官がぞろぞろと配置につく描写など、無駄に大事(おおごと)に見せる演出に、後期「踊る大捜査線」シリーズ(MOVIE2以降)を思い出しました。
亀山モデルや本広演出はここからも拝借しているのかな?


うーむ、何だかけなしているばかりのようですが、いい映画でしたよ。
でも私は心が曲がっているためうまく言葉にできないんだなあ。

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