やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「たくらむ技術」 加地倫三 感想

イケメンであることは仕事にプラスになっているのだろうか


「アメトーーク」「ロンハー」のプロデューサーである加地さんが書いた本。番組の作り方や裏話、そして仕事全般に共通する仕事のやり方などが書いてあります。


私はこの二つの番組は大好きなので、毎週見ております。そしてこの番組に関する話題も雑誌・ネットなどでなるたけチェックするようにしています。
なので、結構知っていることが多かったですが、それでも本人の口から語られることが重要。番組愛・芸人愛に溢れた彼の番組は様々なこだわりに満ちています。だから面白い。
そしてそのこだわりは「視聴率を取るため」ではなく、「より面白くするため」「この面白さを伝えるため」にのみ向けられています。
ドッキリのために偽パリコレを開いたり、「2階の床が抜けて1階に落ちる」というオチが欲しいがために家を建てたり、落とし穴ドッキリをわざわざロシアで行ったり、そのドッキリがバレないようにするために全く使わない偽番組の撮影をしたり。無駄なことに金をかけているかもしれませんが、「ここまで馬鹿なことに金を使う」から面白いのです。
また、数多くのカメラで全ての場面を撮影しておき、細かいツッコミもフォローできるようにしておくとか。収録現場で面白いことが起こっていても、その様子が撮影されていなければ番組で使うことができません。視聴者に伝わらないですからね。
このように、仕事のベクトルが「面白い」にのみ向いているから、結果として視聴率もついてくるのです。面白いから。


後半は仕事のやり方について。
やっぱり仕事ができる人は気が利くし、気が付く。そしてあらゆる場面で学んだり盗んだりしているのですね。


あとがきでは「テレビは終わっていない」と熱く語っております。
私もそう思います。確かに視聴率では昔のようなお化け番組は出てきませんが、それは社会が成熟したから相対的にテレビの地位が下がっただけで、テレビ自体がダメになっているわけではありません(当然番組により差はありますが)。
しかし、だからこそ昔と同じ「視聴率」というものさしだけで測ってはいけないと思っています。視聴率はイマイチでもDVD化すればヒットする番組もありますし、Twitterやブログでは熱く語られる番組もあります。
ながら視聴と熱を持って見てもらうのとでは、視聴率は同じでも受けての熱量は全く違います。そういう「熱」や「愛情の深さ」などの指標でも番組を評価して欲しいなあ。


というわけで、今後も面白い番組をお願いします!


たくらむ技術 (新潮新書)

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