やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「芸人交換日記」を読んで、ウッチャンの素晴らしさを再認識した話

「先に見たものを親と感じる効果」もありますが


先日、内村光良監督の「ボクたちの交換日記」の先行上映会に行ってきました。ウッチャン登壇!「ボクたちの交換日記」 先行上映に行ってきました! - やりやすいことから少しずつ
この時は原作である「芸人交換日記」を読んでいなかったので、買って読みました。


この本は「交換日記」なので、全ての出来事が交換日記によって書かれています。そのため、もっと感動できそうなところでも言葉が足りなかったり、逆にこんなこと交換日記に書くかな?と思うこともありました。
それが、映画では上手く映像化されているなあと感じました。交換日記のため、説明セリフも使いやすいし、日記では足りないところは実際のセリフにすればいいし。冒頭の「嫌です」のテンポも映像ならでは。読んでいては味わえない面白さですよね。
感動のポイントも映像だと伝えやすいし、上手く出来ていると思いました。芸人を諦めた甲本に対して彼女が言う一言とかラストシーンのやり取りなど。
ただ、私は映画の見方(カット割りや構図など全てにおいて)が分からないので、映画マニアの内村監督がどれほどの映画撮影の腕を持っているかは分かりません。でも、この原作をうまく映像化していると思うし、原作を超える感動がこの映画にはありました。
しかし、この感想も「映画を先に見たから」かもしれませんが…。


しかしその後、この原作が文庫になることを知りました。しかもオードリー若林の3,400字に渡る解説付きだって。くそう、そっち買えばよかった。
くやしいので解説だけ立ち読みしてきました。いい文章でした。
この物語は芸人であれば誰でも号泣必至ですが、それももちろん書きつつ、自分なりの芸人の理想論を書いてあるのがよかったです。
「理想」と「現実」が離れすぎているから悩んでしまう。その「理想」に近づこうとして「現実」にいろいろ足してしまうが、そうではなくて、どんどん剥ぎ取った後に残る「本人」そのものが面白くなければならない。
また、「コンビ」という微妙な関係についても書いてありました。
違う芸人と漫才をすると、上手い人の方が結果はうまくいくことがあるけど、自分がやりたいのはそういう「結果」ではなく、「相方と漫才をするプロセスそのもの」だと。
立ち読みなので正確な書き起こしではありませんが、これも若林なりの芸人論ですよね。こういう、お笑いやミュージシャンの裏側を知るのは楽しい。もちろん、さんまさんのように裏側は一切見せない(もしくは裏側がないように見せる)という立場もありだと思います。それでも、見たいなあ。ゴシップではなく、本音を。
※なので、「本人」で明石家さんま特集が組まれたときはとても嬉しかった!だいぶ長い特集でしたが、あれでも全然足りない。もっと訊きたい・聞きたい。


ちょっと話が逸れた。
原作の良さを活かしつつ、映画というフォーマットに上手く変換できていた、さすがウッチャン。というお話でした。


芸人交換日記 ?イエローハーツの物語?

芸人交換日記 ?イエローハーツの物語?

今から買うなら文庫版の方がいいです。安いし、若林付き。